Sitting Boy

デンマークの画家、クリスチャン・ケプケ(Christen Købke/1810-1848)による1833年の作品「Sitting Boy」
典型的なヌードモデル絵画ですが、背景が殺風景なせいでしょうか、どことなく雰囲気が暗いですね。
最初は作者が息子を描いたのかと思いましたが、作者はこのとき23歳で独身なので、モデルを雇ったのでしょう。
箱の上に座っているだけとはいえ、このポーズは意外としんどいかもしれません。
しかし美術モデルは芸術に貢献できる立派なお仕事。
親から授かった体を作品という形で後世に残せるのは素晴らしいことですね。
作者のケプケはコペンハーゲンにて、11人兄弟のひとりとして生まれました。
11歳の時にリウマチ熱という病気になり、将来は体に負担の少ない仕事をと、画家になることを決意します。
12歳で美術学校の初等クラスに通い始め、1827年からは人物画の教室で学びました。
1828年からは画家のクリストファー・ヴィルヘルム・エッカースベルグ(1783-1853)の下で4年間修行し、画家として大きく成長を遂げます。
1831年と1833年の2回、展覧会で銀メダルを獲得。
王立美術コレクションにより2つの作品が買い上げられ、現在その作品はデンマークの国立美術館が所蔵しています。
彼は1833年まではコペンハーゲンのカステレットという地域に住んでおり、地元の絵を多く描きました。
この絵のモデルもその地域に住んでいた少年かもしれませんね。
1838年からはイタリアに留学し、1840年に帰国。
その後父親が死去してからは苦しい生活を強いられ、美術アカデミーの会員になる事もかなわなかったそうです。
1848年に肺炎により37歳で亡くなりました。
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