Lída Šechtlová

チェコの写真家、ヨセフ・インジヒ・チェチェル(Josef Jindřich Šechtl/1877-1954)による1921年の作品「Lída Šechtlová」
写真スタジオで撮影された少女モデルのポートレイトです。
作者の娘さんだと思いますが、1912年生まれなので撮影時は9歳ですね。
オフィシャルサイトの注釈には「彫刻家のJ.V. Dušekと協力して撮影」とあったので、彫刻のモデルもしていたのでしょう。
均整のとれた体形をした良いモデルですね。
彼女の他の写真はオフィシャルサイトでご覧になれます。
画像出典:Digitální archiv Šechtl a Voseček - Liduška Šechtlová


作者のヨセフ・チェチェルは19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した、肖像写真を専門とするチェコの写真家。
1877年、チェコの都市ターボルにて、写真家のイグナック・チェチェル(1840-1911)の2番目の子として生まれました。
父親が写真スタジオを経営していたため幼い頃から写真に興味を持ち、中学卒業とともにプラハのジャン・ビリム印刷工房で見習いとして働き始めます。
2年後の1893年にケルンのスタジオで写真家の職に就き、その後21歳の時に軍に入隊し2年間務めてから、父親が設立した写真会社「Šechtl & Voseček」で働き始めました。
彼は父親とともに、肖像写真からドキュメンタリー、ストリート撮影など、幅広い分野の撮影をおこなっていました。
作品はポストカードや写真集などの出版物として販売され、小さな町にもかかわらず彼の作品はチェコで大きな評価を得ます。
1904年に父親から事業を受け継いだ彼は、父親の死後チェコ各地にスタジオを展開し、事業はさらに繁栄していきました。
彼の作品はもともと絵画の影響を受けていましたが、1911年に結婚してからは芸術好きな妻アンナの影響を強く受けたそうです。
翌年には最初の子が生まれ、順風満帆な日々を送っていました。
しかし1926年、わずか半年前に2番目の子を産んだばかりの妻のアンナが腎臓病により他界。
翌年に再婚するも、彼は家庭よりも仕事を優先し、もはや幸せな家庭生活とは言えなかったようです。
1944年に彼の息子とその妻がスタジオの経営を引き継ぎますが、1951年に政府によって作品とスタジオが国有化されてしまいます。
わずかな年金のみを受け取った彼は、その後、生まれ故郷のターボルにて77年間の生涯を終えました。
父親のイグナックから息子のヨセフへ、そしてその息子夫婦へと3世代に渡り150年以上も守り継がれた写真作品の数々は、ターボルにあるŠechtl & Voseček博物館が所蔵しています。
現在アーカイブのデジタル化プロジェクトが進行しており、ほとんどの作品はオンラインで閲覧が可能です。
【Šechtl a Voseček】
https://sechtl-vosecek.ucw.cz
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