モデル君は背中で語る - 3

    artistic_boysback00.jpg

    あなたが観光地で自分の写真を撮ろうとしたとき、セルフタイマー機能も自撮り棒も無いので、道ゆく人に「シャッターを押してください」と頼んだとします。
    するとその人が「じゃあ背中を向けて」と言うので、素直に後ろを向いたらシャッターの音が・・・。

    こんなことをされたら怒るか、あるいは戸惑いますよね?
    「私の顔は写す価値がないってこと?」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
    絵でも同じですが、人物写真は基本的には顔が見える位置から捉えるものです。

    しかし絵画や写真作品の中には、あえて背中側を描写したものも少なくありません。
    人は後ろ姿も十分に芸術的であり、後ろ姿だからこそ伝えられる表現もあるからです。

    天使の後ろ姿を捉えた「モデル君は背中で語る」
    第3回目の今回は、よりアーティスティックな絵画作品と写真作品をセレクトしてみました。
    絵画と写真を交互に並べましたが、写真のほうは残念ながら作者不詳です。


    henry_scott_tuke-the_bather_1896.jpg nellie_joshua_dragonfly.jpg

    左はイギリスの画家、ヘンリー・スコット・タク(Henry Scott Tuke/1858-1929)による1896年の作品「The Bather」
    右はイギリスの画家、ネリー・ジョシュア(Nellie Joshua/1877-1960)による1905年の作品「The Dragonfly」

    モデルが背景の海を見つめているなら、当然後ろ向きになりますね。
    そこにあるのは喜びか?哀愁か?
    右側の妖精の絵はあえて後ろ向きにすることで、森の中をそうっと覗いているような雰囲気を醸しています。


    artistic_boysback01.jpg artistic_boysback02.jpg

    どちらも詳細不明、作者不詳の作品です。

    それぞれ湖と森で撮影された写真ですが、大自然の背景と人間の背中が妙にマッチしています。
    左はハイティーンで右は10歳くらいだと思いますが、こうして見ると成長の度合いがわかりますね。


    mogens_gad-drenge.jpg izzet_ziya-children_diving_into_the_sea.jpg

    左はデンマークの画家、モーゲンズ・ガード(Mogens Gad/1887-1931)による1914年の作品「Drenge i Hornbæk」
    右はトルコの画家、イゼット・ジヤ(Izzet Ziya/1880-1934)による作品「Children diving into the sea」

    船に向かって手を振る少年と、海で遊ぶ兄弟。
    どちらも表情は見えませんが、楽しんでいる様子がその後ろ姿から伝わってきます。


    artistic_boysback03.jpg artistic_boysback04.jpg

    楽しんでいるといえばこちらも同じ。

    左の写真は地面に水着が落ちているので、着替えの時におどけてポーズをとったのでしょう。
    スタンスといい背筋といい、男の子の元気さが表れている作品です。


    richard_muller-ruckenakt_eines_knaben.jpg unknown_male_nude.jpg

    左はドイツの画家、リチャード・ミュラー(Richard Muller/1874-1954)による1933年の作品「Rückenakt eines Knaben auf roter Matratze」
    右は1840年に描かれた作者不詳の作品ですが、たぶんアカデミーの生徒作品だと思います。

    人の後ろ姿は独立したオブジェのようでもあり、また背中側だからこそ伝えられる意図というのもあります。
    人によってそう大差のない背中ですが、それをどう造形するかは芸術家の技量といったところでしょうか。


    artistic_boysback05.jpg artistic_boysback06.jpg

    モデルに助けられているところもありますが、構図的に見事な作品ですね。
    どちらも背筋を伸ばしており、腕から背中、そして脚にかけての流線形が美しい。

    左の少年が手にしているのは流木でしょうか?
    このS字型の姿勢には、まさに流木の如く余計なものがそぎ落とされた美を感じます。


    日本の古い慣用句には「顔で笑って心で泣く」という言葉があります。
    また、アニメ「ルパン三世」のテーマ曲の歌詞には「背中で泣いてる男の美学」という言葉が登場します。

    つまり人の心は背中に表れ、それは男性のほうが顕著である、と考えて良いのではないでしょうか。
    そして後ろ姿を描写した絵画や写真は、人の心を表現するひとつの手段である、と考えても良いのではないでしょうか。


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    Author:RUKA


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    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
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    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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