CD「ヨーロッパの妖精たち 〜石川洋司写真集〜」

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    先日部屋を掃除したとき、物入れの奥から懐かしい物が出てきました。
    写真家、石川洋司さん(1935- )の作品を収めたCD-ROMで、タイトルは「ヨーロッパの妖精たち 〜石川洋司写真集〜」
    ヨーロッパの7人の少女モデルによるデジタル写真集です。

    今から24年前、1995年に東京の秋葉原に出かけた時、石丸電気だったかオノデンだったか忘れてしまいましたが、売り場でたまたま見かけて衝動買いした商品でした。
    衝動買いとは言っても定価6,800円(税込7,004円)ですから、本の写真集と比べてもかなり高く、今となっては思い切ったことをしたなと思います。
    当時の私はMacを使い始めた頃だったので、デジタルメディアに魅力を感じていたんでしょうね。

    1990年代はマルチメディアという言葉が流行り始めた頃でもあり、ハードもソフトも映像を扱えることが売り文句になっていました。
    CD-ROMドライブを搭載しているだけでマルチメディアパソコンなんて言っていたり、今思うと失笑してしまいますが、当時はまだインターネットが普及しておらず、映像や音楽やソフトウェアの媒体として光ディスクが新鮮だった時代でした。

    私はこの「ヨーロッパの妖精たち」という商品をPhoto CDだと思って買ったんですが、よくよく見たらMacとWindowsのハイブリッドCDでした。
    VGAサイズで表示することが前提となっていて、起動するとモニタの解像度を強制的に640×480に切り替え(切り替わらない場合は画面の中央部に小さく表示)、収録されている640×480ピクセルの画像をスライドショーにするというものでした。

    デジタルだから劣化しないとは言っても、解像度があまりに低過ぎます。
    今考えるとこれで7千円は非常に高いし、本の写真集のほうが見応えがあるんじゃないかという気もしますが、まぁ200枚以上の写真を鑑賞できるところは評価しても良いのかなと・・・。
    ただしソフトウェアが古いので、現在のOSでは起動しないでしょうね。

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    【起動後のセレクト画面】

    7人のモデルはすべてベルギーの少女たちで、付属のテキストによるとメリックが10歳でヴァージニーが12歳、他の子はすべて11歳です。
    父親が警察官だったり、母親が有名な女優兼歌手だったりと、比較的裕福な家庭に育った子たちばかりで、綺麗な頃に綺麗な写真を残したいというのは彼女たちの願望でもあったのでしょう。

    ちなみにこの子たちの最初の写真集(書籍)が発売されたのは1982年でした。
    つまり1995年の商品ではありますが、収録されているのは1980年頃に撮影された写真というわけです。

    さすがに今見ると部屋の装飾や雑貨、自動車などに時代を感じてしまいますが、同時に現代の少女写真にはない落ち着いた風情を感じるのも確かです。
    歴史あるヨーロッパの妖精たちだからこそ、本当なら当時の書籍を手でめくりながら鑑賞すべきなのかもしれません。

    私が石川洋司さんを初めて知ったのは、その昔、日本テレビ(読売テレビ)の某番組に石川さんが出演しているのを見た時でした。
    モデルたちについて語る石川さんを見て、その情熱や思いやりに感心したことを覚えています。
    また、司会の藤本義一氏が「少女というものには、なにか怖さを感じるよね」と語っていたのも印象的でした。
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    モデル君は背中で語る - 4【集合写真編】

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    絵画ではあまり見かけませんが写真作品ではよく見かけるシチュエーションのひとつに「裸で後ろ向きの集合写真」があります。

    この場合後ろ向きである理由は「お尻が並んでいてコミカル」「モデルが恥ずかしくない」「プライバシーへの配慮」など、いくつかの理由があるでしょう。
    また、日焼けの跡を見せるのが目的であれば、背中側のほうがわかりやすいという利点もありますね。

    しかしただ横一列に並んだだけでは作品としては単調であるため、例えば棒グラフのように身長順に並ぶとか、親・子・孫と3世代で並ぶとか、全員が同じポーズをしているなど、ひと工夫している作品も見受けられます。

    今回の「モデル君は背中で語る」は、背中側から撮影した集合写真をご紹介します。


    【水泳教室】

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    20世紀初頭の水泳教室では衛生面から水着の使用が禁止されており、子供たちはみな全裸で水泳の授業を受けていました。
    これについては過去に一度記事にしたことがあります。(該当記事)

    左の写真は1930年にアメリカのアラバマ州のリビングストンにて撮影された写真。
    年齢層に幅がありますね。
    全員が隣の子の肩に手をかけ、ちょっと茶目っ気のある記念撮影といった感じ。

    右の写真は国も撮影年も不明ですが、これも20世紀初頭の水泳教室での様子だと思います。
    これは記念撮影ではなく、ひとりずつ飛び込んでいくところでしょうか?


    【家族の記録】

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    単なる集合写真もちょっと工夫を凝らせばアート作品、あるいはユーモア作品になり得ます。
    とくに家族写真は大切な思い出ですから、楽しいアイデアを盛り込むと評判も上々でしょう。

    左の写真は父親と息子たち、いや3世代でしょうか?
    みんなかなり日焼けしたので、それを披露しているんですね。

    右の写真はおじいちゃんの家にでも孫たちが集まったときでしょうか?
    プールの前で背の順に並んでの記念撮影。
    天使が並んでいるようで微笑ましいですね。


    【Hands Up!】

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    ただ並んでいるだけでは味気ないので、モデル君たちに元気にポーズをとってもらいましょう。
    Hands Upとは日本語で言えば「手を上げて」ですが、動くなという意味でも使われる言葉です。

    左の写真は8〜9歳くらいでしょうか?
    川に入る前に準備運動しているシーンかもしれません。
    手を上に上げると背筋が伸びるし、スタイル良く写るんじゃあないでしょうか。

    右の写真は11〜12歳くらいでしょうか?
    一見ホールドアップしているような光景ですが、わざとお尻を出してふざけているんでしょうね。
    Vサインとヤンチャな笑顔がそれを物語っています。


    アート作品に限ったことではありませんが、背中側からの描写は様々な意味を含んでいます。
    戦争の記録にさえ裸の集合写真があり、そこからは悲しい歴史が伝わってきます。

    しかし天使たちの写真は幸せな日常風景であることが前提でなければ、人の心を豊かにする作品とはなり得ません。
    私たちは見た目だけで意味を推し量るのではなく、物言わぬ背中が語る多くの言葉に、もっと耳を傾けるべきではないでしょうか。


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    Bogenschießender Knabe

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    ドイツの画家兼彫刻家、フリッツ・ベスト(Fritz Best/1894-1980)による1933年の彫刻作品「Bogenschießender Knabe」

    地面に膝をついて弓を構えている少年を象った、高さ約30cmのブロンズ像です。
    斜め上を向いているということは、木の上の鳥を狙っているのでしょうか?
    矢が見当たらないので、放った瞬間かもしれませんね。

    芸術作品には少年と弓矢を組み合わせたものが少なくありません。
    写真では百数十年前から、彫刻に至っては紀元前の作品にもそのモチーフが見受けられます。

    神話が元であるのは言わずもがなですが、もともと狩猟の道具であった弓矢は構えた時の力強さ、矢の形が男性器に似ているなど、男らしさの象徴としては最適なのでしょう。

    この像はレプリカですが、オリジナルを忠実に再現していると思われます。
    神話の登場人物でもなく、たくましい戦士でもありませんが、放った矢の行き先をシッカリと見据えている様子は未来への希望を暗示させます。

    この像の作者、フリッツ・ベストはドイツのクロンベルク生まれの画家であり、彫刻家でもある人物。
    小さな農家の末っ子として生まれた彼は、少年期に彫刻家の見習いを3年間続け、その後応用芸術学校のカール・モール教授のもとで芸術を学びました。

    1921年からフランクフルトで修士課程の学生として技術を磨いた彼は、1930年に生まれ故郷のクロンベルクに戻り、自宅とスタジオを建てました。
    彼はこの家に亡くなるまで住んでいましたが、現在この家は「フリッツベスト美術館」という名の美術館になっています。

    彼は生前、この自宅を美術館にすることを条件に、家と土地、そして自身の作品をクロンベルク市に寄贈しました。
    フリッツベスト美術館では、人間や動物、花などをテーマとした彼の作品が多数展示されています。

    クロンベルク市は彼の功績を称え、1995年に旧市街の一角に彼の胸像を設置しました。


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    フリッツ・ベスト作「Bogenschießender Knabe」と、それと同じポーズの人間との比較。
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    書籍「Le Petite Parisienne」

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    以前もお話ししましたが、私は中学生のときに美術に興味を持ち、アートの奥深さを知りました。

    そして高校生の時に写真家の清岡純子さんの作品を見て、そこに写る「実写版ヴィーナス」に衝撃を受けたわけですが、じつは私が買った写真集はその本が最初ではありません。

    私が生まれて初めて自分の小遣いで写真集を買ったのは、たしか15歳の時でした。
    それは日本の写真家、黒松隆さん(1953- )の「Le Petite Parisienne」(小さなパリジェンヌたち)という写真集。

    黒松さんはアイドルの岡田奈々さんや斉藤慶子さんの写真集も手掛けた、日本を代表する人物写真家のひとりです。
    「Le Petite Parisienne」はフランスのパリで撮影された、7歳から12歳くらいの5,6人の少女をモデルとした写真集でした。

    とにかく私はその本を最初に見たとき、モデルの美しさに驚愕したことを覚えています。
    「フランスの女の子はこんなにも綺麗なのかっ!」と。

    ほとんどが屋内でしたが、スタジオではなく、その子たちが普段暮らしている家での撮影でした。
    しかし窓、カーテン、クッション、ベッド、家具・・・そこに写るインテリアすべてが当時の私にはとても新鮮に見えました。

    住まいのカタログのような洗練された室内に妖精のような少女がいる光景は、15歳の少年から見てもまさに心洗われる光景でした。

    ・・・と、今私はこの話を当時の記憶を頼りに語っています。
    と言うのも、何しろ40年も前の本なので現物が残っておらず、ネットで検索しても画像が見つからないからです。

    ただ、20年近く前にネットでたった1枚だけ、この写真集からの画像を見かけたことがありました。
    出典がどこだったかまったく覚えていませんが、まるで幼馴染の写真を見つけたかのような懐かしさがありました。
    それが上の画像です。

    たしか名前はダフネちゃんで、7歳か8歳。
    当時の私に人間の美しさを教えてくれた、小さな小さなパリジェンヌでした。
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    カール・レッパーの写真作品

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    ドイツの写真家、カール・レッパー(Carl Lepper/1882-1962)による1926年の写真作品。
    タイトルはとくに付けられてはいません。

    少女たちが野原で遊んでいるシーンですが、ポーズや構図などに演出のある作品ですね。
    ポストカードや写真集など、商業作品として作られたものではないでしょうか。

    屋外で撮影されたヌード写真は圧倒的に少年写真が多いのですが、これは実際に少年がそうやって遊んでいたからに他なりません。
    つまりドキュメンタリー的要素が強いわけです。

    しかしこれが少女モデルとなると、美を演出したアート作品としての要素が強くなります。
    カール・レッパーの作品もご覧のとおり、絵画的な演出が施こされています。

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    作者のカール・レッパーはヘッセン州の小さな町ニーダーシュトルで生まれ、オーデンヴァルト郡のライヒェルスハイムで育ちました。
    その後はヘッセン州最南端の街ランペルトハイムに定住し、地元の学校で教師として働きました。

    1921年からは福音派の小学校を含むいくつかの学校で校長を勤め、1951年に引退します。
    つまり肩書きとしては教育者ですが、彼は地元の歴史を研究する歴史家でもありました。

    地元ランペルトハイムは1951年に正式に都市として認められ、歴史を研究したレッパーは名誉市民となりました。
    街の大通りには彼の名前が付けられ、彼が発表した歴史記録の原稿は現在も市立博物館に収められています。

    写真家としての経歴はさほど長くはありませんが、彼はこのようなヌード作品を数多く残しています。
    1920年代初頭から半ばにかけては「Die Schönheit」(The Beauty)という雑誌にも掲載されました。

    モデルは彼の子供たちだったのか、勤めていた小学校の生徒たちだったのか、詳しいことはわかっていません。
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    アンノウン - 2

    ネットを辿りながら絵画や彫刻を鑑賞していると、たまにUnknown Artist、つまり作者不詳の作品を目にします。
    私が知らないということではなく、作者不詳として紹介されている作品。

    と、2年前の記事と同じ始まり方ですが・・・
    今回も同じく、ちょっと気になった「作者不詳のアート作品」をご紹介します。


    【絵画作品】

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    フランスのモンペリエにあるファーブル美術館が所蔵している19世紀の絵画。
    作者名と制作年が不明です。

    小さな彫像を見ながらデッサンの練習をしているふたりの少年。
    壁には手の形をしたオブジェが飾られており、美術の授業風景であることをうかがわせます。

    もしかしたらこの絵も同じ学校の生徒によるものかもしれませんね。
    あるいは美術教師の作品かも。


    【彫刻作品】

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    タイのどこかの施設にあるブロンズ像だそうです。
    あまり写実的とは言えない造形ですが、商業施設のエントランスなどには似合いそうですね。

    肩に掛けた布、頭と足の装飾などは古いギリシア彫刻を思わせますが、視線を落とした優しい顔立ちや観音菩薩のような手付きからはどことなくアジアっぽさを感じさせます。

    それでいて突起した乳首や長い陰茎という独自の自己主張もあるようですし、もしかしたら古い彫刻をモチーフに作られた現代作品かもしれません。


    【写真作品】

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    かなり古い写真だと思いますが、これも作者不詳、詳細不明です。
    天使のような髪型をした少年が建物の壁に手をついて佇んでいます。
    演出なのかハッキリしませんが、ちょっと寂しそうにうなだれているのが気になります。

    コンクリートの無機質な空間に少年のなだらかな姿態が上手く溶け込んでおり、縦の柱が額縁のような効果を出しているところも面白いですね。

    堕天使を思わせる退廃的な雰囲気ですが、奥行きのある背景とともに奥深い意図を感じさせる作品です。


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    書籍「Le club des 5」

    フランスの子供なら誰もが知っているお話に「Le Club des Cinq」(ル・クラブ・デ・サンク)というのがあります。
    4人の少年少女と1匹の犬が様々な事件を解決していく冒険物語。

    イギリスの児童文学作家、エニード・ブライトン(1897-1968)によって書かれた小説で、英語版は「The Famous Five」のタイトルで1942年から出版されました。
    日本語版も「フェイマス・ファイブ」というタイトルで発売されています。

    フランスでは「Le Club des Cinq」のタイトルで1955年から出版されました。
    直訳すると「5人のクラブ」となりますが、この場合はサークルとか集まりといった意味でしょうか?

    その有名な小説「Le Club des Cinq」と同じタイトルが付けられた写真集がありました。
    (写真集ではCinqが数字の5になっていますが読み方は同じ)

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    フランスで出版された、自然の中で遊ぶ5人の少年たちを捉えた全編モノクロの写真集。
    小説では3人の男の子と1人の女の子、1匹の犬で5人でしたが、こちらは男の子だけの5人組です。

    年齢が11歳前後であることと、活発な子供たちの冒険心を描いているということで小説と同じタイトルを付けたのでしょう。
    Googleブックスの情報によると、発売年は1987年、出版社はフランスのJMV、作者の名前はYOJIだそうです。

    内容はいたってシンプル。
    キャンプ場のような場所で5人の少年たちが木に登ったり飛び降りたり、跳ねたり踊ったりと元気に遊んでいる様子を捉えたものです。

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    自動車が写っていますが、撮影者の車でしょうか?
    もしかしたら撮影者はこの子たちの誰かの親かもしれませんね。

    そばに川があるのか、やがて全員が服を脱ぎ、エンジェルスタイルで遊び始めます。
    アート的な演出はほとんど見られないので、写真家の作品集というよりは、子供たちの日常を捉えたスナップ写真といった感じです。
    子供たちの満面の笑みからは、本当に楽しい一日であったことが伝わってきます。

    30年以上前の写真ですが、この頃はまだ日本でも田舎の川などには裸で遊ぶ子がいました。
    水着を用意していても途中で脱いでしまうのだとしたら、それだけ大自然での開放感が優っていたということでしょう。

    これもまた、ひとつの冒険物語。
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    書籍「Devoirs de Vacances」

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    フランスの写真家、ネグレポント(Negrepont/生没年不明)が1986年に発表した写真集「Devoirs de Vacances」

    彼の前作と前々作の写真集は今でも古書として販売されていますが、この3作目はあまり流通していないようです。
    前作ほどは売れなかったのかもしれませんね。

    タイトルの「Devisrs」とは義務や勤めという意味のフランス語で、宿題という意味もあるんだとか。
    「Vacances」はバカンス、長期休暇のことです。

    子供をテーマとした写真集なので「長期休暇の義務」と訳すよりは「夏休みの宿題」と訳すのが一番しっくりきますね。

    では何が夏休みの宿題なのか?
    きっとネグレポントの目の前で繰り広げられた無邪気な遊びこそが、子供たちの大切な宿題、義務だということでしょう。

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    この写真集では、前作よりもさらにアーティスティックな方向へと変化した気がします。
    それはある意味演出臭さでもあるのですが、子供たちの姿や笑顔に嘘偽りがなければ真実の記録と言えますね。

    フランスの夏休みはとにかく長い!(約2ヶ月)
    それは子供たちにとって休暇であると同時に、人間として大きく飛躍するときでもあります。

    子供の頃にしかできない大らかさを発揮するのは、子供にとってとても大切なこと。
    そしてそれを見てノスタルジックな想いを馳せるのは、大人にとって大切なこと。

    3作目のこの写真集も、懐かしさとともに子供たちの笑顔に心洗われる一冊です。


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    ちなみに前作と前々作の写真集の出版時には、パリにあるギャラリーで作品展示会がおこなわれました。

    この画像は当時の展示会の広告だそうです。
    左の広告ではパリの「ギャラリーLoplop」にて、右の広告では「ギャラリーRégine Lussan」にて10月から11月にかけて展示会がおこなわれることを告知しています。

    彼の作品は素朴な画廊や喫茶店での展示が似合いそうですね。
    紅茶でも飲みながら、ゆっくりのんびり鑑賞したいものです。


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    書籍「Les Enfants de Papier」
    書籍「Mercredi aprés-midi」
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    ルイ・イグアウトの写真作品

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    フランスの写真家、ルイ・イグアウト(Louis Igout/1837-1881)による写真作品。

    バイオリンを弾く少女は1875年、長い棒を持つ少年は1870年の撮影です。
    どちらもタイトルは付けられていません。

    当時、プロが撮影したヌード写真は雑誌やポストカードとして流通することが多かったのですが、これとは別に、画家が絵を描く時の資料、つまり人体ポーズ集としての需要もそれなりにありました。

    当時の画家の中にはカメラの出現を脅威と感じた人もいましたが、逆に絵画制作に役立てる画家も少なくなかったということです。
    17世紀のオランダの画家、フェルメールはカメラの原型であるカメラ・オブスクラを多用したと言われていますし、印画紙に定着できるようになってからはさらに多くの画家が写真を資料としていました。

    何しろ写真をもとにして絵を描けば、モデルに何時間も同じポーズをさせる必要がないのですから、とても便利なことは確かです。(トレースするのではなく、形を知るための資料として)

    ルイ・イグアウトも画家の絵画制作のためにヌードを撮影していた写真家でした。
    そのため彼の作品には同じモデルを様々なポーズ、様々な角度から撮影したポーズ集が多く見受けられます。

    Googleの画像検索で「Louis Igout」を検索

    彼の経歴については詳しいことはわかりませんでした。
    美術学校との繋がりがあったらしく、生徒たちが人間の体を正しく描けるようにと、男性、女性、子供の様々なポーズを撮影していたようです。

    学生を対象として作られた彼の作品は、現代の美術学校においても良い教材となるのではないでしょうか。
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    天使たちの表現ダンス

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    フォークダンス、ジャズダンス、ヒップホップにブレイクダンス・・・
    タップダンス、フラダンス、社交ダンスに日本舞踊・・・
    世の中には様々な国で生まれた様々なダンスがあり、人々の生活に潤いを与えています。

    そんな数多くのダンスの中で、喜怒哀楽の感情や物語を表現するダンスの代表と言えば、バレエダンスですね。
    16世紀に西ヨーロッパで発生して広まったとされる、歌詞や台詞を伴わない舞台舞踊。
    その美しさと表現力の豊かさは、あらゆるダンスの中で最高峰と言えるでしょう。

    20世紀初頭にアメリカで誕生したモダン・ダンスや、1980年代にフランスで誕生したコンテンポラリー・ダンスなど、従来の型にはまらない前衛芸術的なダンスも、多くはバレエの流れを組むものです。


    【ジェニー・ガーツ】

    20世紀初頭のドイツにジェニー・ガーツ(Jenny Gertz/1891-1966)という女性のダンサーがいました。
    彼女はヨーロッパのモダンダンスの先駆者と言われる、ルドルフ・フォン・ラバン(Rudolf von Laban/1879-1958)からダンスを学んだひとりです。

    1923年に運動コーディネーターとしての学位を取得した彼女は、ダンサーで振付師であるアルブレヒト・ナスト(Albrecht Knust/1896-1978)の下で「ハンブルク運動合唱団」(Bewegungs chöre)の副代表として働きました。

    1927年にドイツの都市ハレ・アン・デア・ザーレに移り住んだ彼女は、子供と大人のための運動合唱団を設立します。
    その後1934年にプラハに、1939年にイギリスに移住しますが、1947年に再びドイツに戻り、1953年まで子供たちのダンススクールを営みました。

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    「小動物の反撃」1925年

    ジェニー・ガーツが教えていたダンスは彼女の師であるルドルフ・フォン・ラバンの即興ダンスの理論に基づくもので、最初にテーマを決めて子供たちに提示するというものでした。

    喜怒哀楽など感情を示す動きは比較的容易ですが、物語全体を体の動きで表現することはとても困難です。

    しかし子供たちはテーマに沿って気持ちの赴くままに動き、それは次第に自由な集団行動として連鎖し、素晴らしいダンスパフォーマンスとなりました。


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    「戦いの最中」「攻撃と防御」1926年

    生徒たちはいつもは衣装を着て踊りますが、1925年頃に発表したこれらの写真では全員が全裸で踊っています。
    しかしこれにも理由があります。

    たとえば驚きや興奮の表現など、呼吸を荒げたときの胸の動きは服で覆われていては認識できません。
    自然や動物をテーマにしたダンスであれば、動物たちの気持ちになることも必要です。
    ジェニー・ガーツの生徒たちは、自らの体で物語を表現することを楽しみ、物語を「経験」することを楽しんでいたそうです。

    子供たちが全裸で踊るダンスパフォーマンス。
    前衛芸術(アバンギャルド)が台頭し始めた1920年代だからこそできた試みだと思いますが、真面目に見ればこれほど愛らしい舞台は他にありませんね。

    100年前の天使ダンサーたちに大きな拍手を送りましょう。


    出典:Jenny Gertz
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    いらっしゃいませ

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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
    また、公序良俗に反する画像や違法な画像、猥褻な画像は一切ありません。
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    説明記事(お読みください)
    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:22年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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