お風呂と人体

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    一般家庭においてトイレの次に無くてはならない設備、それが「風呂」
    しかし昔の日本では風呂のない家が多く、そのため公衆浴場(銭湯)が地域に根付いていました。

    風呂という文化は遡ると宗教的な「お清め」に行き着きます。
    紀元前4000年頃のメソポタミアにはすでに沐浴のための浴室が存在しており、古代ギリシアではスポーツ施設に付帯して大規模な公衆浴場も作られました。

    また紀元前100年頃のローマ帝国では、湯を沸かす際の熱を利用した床暖房設備が発達し、現在でも見られるような社交場としての公衆浴場が人々に楽しまれていたそうです。

    上の画像は、イングランド南西部のサマセット州の都市「バース」にある、古代ローマ時代の公衆浴場。
    プールのような作りですが、バースは湧出温度45℃の源泉がある温泉地で、これもれっきとしたお風呂。
    バースという街の名も風呂のバス(Bath)から名付けられました。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Roman bath at bath england.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    しかしこのような公衆浴場も、裸で同じ場所に集ってはいけないと教えるキリスト教が浸透するにつれ、次第に廃れていきました。
    ヨーロッパでは13世紀頃までは人々のあいだに入浴習慣があり、都心では住民が週に1、2回程度は公衆浴場を利用していましたが、この習慣もキリスト教の概念により廃れていきました。

    18世紀になると医学の進歩により入浴の健康効果が見直されるようになりましたが、ヨーロッパでは湯に浸かるよりもシャワーで温水を浴びる習慣が広く普及し、今に至っています。
    現在でも欧米にはシャワーだけで浴槽のない家も多いそうです。



    【お風呂だからできること】

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    風呂の効能としては、血行を良くして新陳代謝を促すなどの健康促進効果。
    そしてこれはシャワーも同じですが、湯に浸かる前に体の汚れを落とす衛生効果。
    そして温まることによる精神的リラックス効果。

    私はこれにもうひとつを加えたいと思っています。
    自分の裸をくまなく見ることができる、観察効果。

    どういうことかと言いますと、風呂場に鏡があれば自分の全身を見ることができます。
    鏡がなくても、胸から下は直接見ることができます。
    つまり生活の中で、お風呂は自分の裸を見るのに(学習するのに)最適な場所だということです。

    スタイルの良いところ悪いところ、目に付くでしょう。
    気に入らない部分は戒めとなり、改善のための努力に繋がりますし、場合によっては病気の早期発見にも繋がります。
    あるいは逆に、今まで気が付かなかった優れた部分が見つかるかもしれません。

    言わば、お風呂では誰もが美術モデルになれるということです。



    【お風呂場でスナップ】

    親は子供が幼児の頃まではお風呂で写真を撮ることがありますが、小学生になるとあまりしなくなりますね。
    付き切りで見ている必要がなくなるのですから、当然といえば当然です。

    しかし温泉旅行や学校の修学旅行では、思い出の記録として入浴の様子を撮影することもあります。
    本人が望むのであれば、大きくなってからもたまにはお風呂で撮影するのも良いでしょう。

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    これはアメリカのフォトジャーナリスト、マジョリー・コリンズ(Marjory Collins/1912-1985)が1942年に撮影した写真。
    一般的なファミリー写真ですが、驚いたのはお風呂場の真新しさ。
    さすがアメリカ、見た目は現在のユニットバスとほとんど変わりませんね。
    1942年といえば昭和17年、日本ではまだ多くの家が薪で焚いていた時代です。(ガス風呂もありました)

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Ann and Pierce (three years old) Atkins taking a bath together8d21012v.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン



    【お風呂場でポートレイト】

    お風呂での写真は、ある程度の年齢からはポートレイト色が強くなります。
    先ほど、お風呂は自分の体を観察できる場所だと言いましたが、人体を医学的、美術的に写真撮影するのにも適した場所だと言えるでしょう。
    ただしこれも本人が撮影を許可した場合に限りますが。

    次の画像は、1980年頃にスイスで撮影された写真。
    ジュニアサッカークラブの生徒たちによる、お風呂場でのポートレイト写真です。

    swiss_andre_front.jpg swiss_stefan_front.jpg
    swiss_robert_front.jpg swiss_sandor_front.jpg

    股間が写ることを気にもしないのは10歳くらいまででしょうね。
    それ以上の年齢になるとタオルは必須です。
    しかし前を隠しさえすれば服を着ている時と同様に振る舞えるところは、さすがスポーツ少年。

    撮影者は先生かもしれませんが、子供たちの表情からは信頼関係がにじみ出ています。
    モデルは左上から順番に、アンドレ君、ステファン君、ロベルト君、シャンドル君。


    swiss_thomas_side.jpg swiss_jens_side.jpg
    swiss_roger_side.jpg swiss_laure_side.jpg

    わざわざタオルで隠さなくても股間が写らないようにできるポーズがあります。
    カメラに向かって横向きになり、片足を上げれば良いだけ。

    ステージ衣装などで、体の側面だけ肌を露出している服がありますが、人間は側面に関しては意外と寛容なものです。
    お風呂での横向きポーズは心情的にも構図的にも理に適っているのではないでしょうか。
    モデルは順番に、トーマス君、ジェンス君、ロジャー君、ロール君。


    swiss_robert_back.jpg swiss_raphael_back.jpg
    swiss_stefan_back.jpg swiss_unknown_back.jpg

    小学校高学年以上の子でも、前を見られるのは恥ずかしいけれど後ろはOK、という子は少なくありません。
    祭りでの褌姿が恥ずかしくないのと同じですね。
    中には自分からお尻を見せる「ムーニング」という仕草をする子もいます。

    この子たちは普段サッカーをしている子ですが、運動能力が優れた子ほど美しい後ろ姿をしているものです。
    モデルは、ロベルト君、ラファエル君、ステファン君、名前不明君。


    生活記録にしても旅行の記録にしても、お風呂場での撮影はほとんどがスナップ撮影になってしまいます。
    でもせっかく人間の体を再認識する場所なのですから、本人が望むのであればこのようなポートレイト写真を残してあげるのも良いのではないでしょうか。
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    サミュエル・リンドスコグの写真作品

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    スウェーデンの写真家、サミュエル・リンドスコグ(Samuel Lindskog/1878-1953)による写真作品。

    撮影年が不明ですが、1900年代の初頭だと思います。
    場所はストックホルムの小学校。
    生徒たちがシャワールームで体の汚れを落としているところです。
    スナップ撮影ですが、いわゆる学校生活記録、つまりドキュメンタリー写真ですね。

    この学校にはシャワーや風呂が備えられており、子供たちは自分で体を洗います。
    全員男の子ですが、女子とは部屋が違うのか?それとも利用時間をずらしているのか?
    でもそのような配慮があるとすれば4年生以上でしょうね。5年生かな?
    奥にいる女性は先生だそうです。

    この写真を撮影した写真家のリンドスコグは、1878年にスウェーデンのアルムビーで生まれました。
    最初は写真家のアンナ・ヘドストローム(Anna Hedström)の見習いとなり、その後アルフレッド・ウォルラー(Alfred Wahller)や、ベルンハルト・ハケリエ(Bernhard Hakelier)の下で働きました。

    プロの写真家になったのは1898年。
    最初は暗室のある両親の家を拠点としていましたが、後にオレブロの街に自分の写真スタジオを構えました。

    リンドスコグは肖像、風景、建物、教会、産業写真等に従事し、1953年に亡くなりました。
    現在もオレブロ郡の博物館には、彼の約35,000点もの写真作品が保存されています。
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    書籍「Jungens bei Sport und Spiel」

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    ドイツのアルバート出版から1985年に発売された書籍「Jungens bei Sport und Spiel」
    フランスの写真家、ジャックス・デュバル(Jacques Duval/生年不明)の作品を収めた写真集です。

    タイトルは「スポーツと遊びの少年たち」という意味のドイツ語。
    テキストはドイツ語とポルトガル語で書かれていたらしいので、ポルトガル語圏でも発売されたのかもしれませんね。
    表紙と裏表紙はカラーですが、それ以外はすべてモノクロです。

    デュバルが正式に発表した写真集の中では、たぶん1冊目に当たるのではないかと思います。
    陸上競技やサッカーなどのスポーツ少年の写真が全体の3分の1ほどで、海などで家族と戯れている子供たちの写真が3分の2ほど。
    当時のフランスの子供たちの元気な姿に心洗われる一冊です。


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    陸上競技の少年たちと、サッカー少年たちの写真。
    ユニフォームは今と比べて、陸上競技はさほど変わりませんが、サッカーのほうは随分と変わりました。
    この頃はサッカーパンツが今よりもずっと小さかった時代でした。

    小さいほうが見た目のバランスが良いし、太腿を出したほうが足が長く見えてカッコイイんじゃないでしょうか。
    現在のサッカーパンツはデカパン過ぎますね。

    日本の文部科学省のデータでは子供たちの運動能力が最も高かったのは1985年頃だったそうですが、これはたぶんヨーロッパでも同じでしょう。
    1980年代に撮影された子供たちの写真を見ると、今の子供たちよりも健康的な体形をしていることがわかります。
    この頃の美しさを再び取り戻せるかどうかは、環境問題とも絡んで、これからの子供たちにかかっているのかもしれません。


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    大きな池や湖は連日家族連れで賑わっており、大人も子供も裸になって遊んでいます。
    超巨大なお風呂といった感じですね。
    フランスの夏休みは7月初めから8月いっぱいなので、その頃に撮影されたものでしょう。
    家族連れが大勢写っているので、観光地かもしれません。

    帽子をかぶった子たちが砂浜で小さなボールを放り投げていますが、これはペタンクという競技です。
    ペタンクはフランス発祥のスポーツだそうです。


    1980年代は子供たちが今よりも健康的で、今よりも大らかな時代でした。
    その姿を後世に残る形で記録したジャックス・デュバル氏。
    彼とモデルの少年たちには有難うと言いたいですね。


    出典:JUNGENS BEI SPORT UND SPIEL


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    書籍「Strandläufer ~Sandpipers」
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    プリュショーの恋人写真

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    ドイツの写真家、ヴィルヘルム・フォン・プリュショー(Wilhelm von Plüschow/1852-1930)による1875年頃の作品。

    台の上でくつろいでいる少女と、その傍に立っている少年。
    写真家プリュショーの秀逸なモデルたちによる、絵画のような優美な作品です。

    花に手を伸ばす少女とそれを見つめる少年という演出的な写真ですが、少女の柔らかな姿態と少年の力強い背中に美を感じさせます。
    恋人同士に見えますが、兄妹かもしれないし、赤の他人かもしれませんね。

    オリジナルは縦16.8cm、横22.5cmのプリント写真です。
    現在はフランスのパリにあるオルセー美術館が所蔵しています。(オルセー美術館のサイトでもご覧になれます)


    File:Plüschow, Wilhelm von (1852-1930) - n. 9806 - Sito del Musée d'Orsay.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    2000年に某モデルの美しさを考察したときの記事

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    今から約40年前の1981年、日本の女流写真家、清岡純子さん(1921-1991)が発表した写真集のモデルは、女神のような姿をした13歳の少女でした。

    当時高校生だった私がふと立ち寄った書店でこの写真集を見かけ、モデルのあまりの美しさに衝撃を受けた...という話を以前しましたが、まだ読んでいない方は是非そちらからご覧ください。

    「写真家の清岡純子さんと女神のようなモデル」


    次の文章は、私が2000年に自分のサイトに掲載した、その子の美しさについて考察した記事です。
    サイト終了とともに消えた記事でしたが、当ブログのテーマとも無関係ではないので、20年経った今、再掲載してみることにしました。

    (元の記事の画像と文章の一部を当ブログに合わせて多少変更しています。モデルの名前はMちゃんとしました)


    ----- ここから下が2000年にサイトに掲載した記事 -----


    【何故Mちゃんを美しいと感じるのか?】

    何を美しいと感じるかは人それぞれですので、Mちゃんを可愛い・綺麗と感じない方もいて当然です。
    ここでは、私と同じようにMちゃんを若い頃好きだった方、また美しいと感じる方に対して自分なりの考察を述べたいと思います。
    (注意:このページでは容姿を語る上で他の女性との体形の比較などをおこなっていますが、決して他の女性の美しさを否定するものではなく、私がMちゃんに惹かれた理由を説明しているだけですのでご理解ください)


    【Mちゃんの体形】

    Mちゃんの体型は世間一般的にはちょっと太めの部類に入るのでしょう。
    しかし一般的に美人とされる細身の女性とは肉付きが違うにも関わらず、なぜ美しいと感じるのでしょうか。
    それはMちゃんの体の各パーツの形、位置、比率が、まれにみる絶妙なバランスで成り立っているからです。

    私は高校生のときに初めてMちゃんを目にしました。
    高校生といえば女性の裸に対してはとかくエロチックな感情を持ちやすい頃です。
    しかし私がMちゃんのヌードを目にした第一声は「うわ〜綺麗!」という驚きの声でした。
    この見事なまでの身体のラインとバランスを持ち合わせた女性は、西洋絵画以外では未だかつてMちゃん以外に見たことがありません。

    彫刻や絵画の裸婦像はモデルを正確に描写した場合を除けば、想像、つまり理想像を描いているのですが、それにピッタリと当てはまる人間など現実にはいないと考えていました。
    それがいたのです・・・ひとり。
    Mちゃんのボディが如何に希少な宝石であったかを、具体的に考えていきたいと思います。


    【なだらかな曲線】

    まず私は、いわゆるナイスボディと言われている某グラビアアイドル3人の、真っ正面を向いた画像を数点用意しました。(水着を着た写真です)
    次の図は、Mちゃんと某グラビアアイドルの正面からのボディラインを、片側だけですがほぼ正確にトレースし、肩の位置と股の位置を合わせた(身長をほぼ同じにした)図です。

    mchan_taikei.jpg
    Copyright : RUKA

    違いはなんでしょう?Mちゃんの方が横に広い。
    まぁたしかにそうなんですが、Mちゃんの体形は非常にシンプルだということです。
    一般的には右のA,B,Cの女性のボディが美しい体と呼ばれ、人気もあるのでしょう。鎖骨が好きだという人もいますし、腰骨の出具合に魅力を感じる人もいます。

    しかし私はMちゃんのこのなだらかな曲線に魅力を感じました。
    シンプルなラインによって構成され無駄がない。細かなゴツゴツがどこにもなく、それでいて肉が余っているわけでもない。
    しかし、ただ輪郭が綺麗なだけでは全体的な美しさは生まれませんし、ボディラインが綺麗な女性など海外のモデルにはたくさんいます。


    【パーツの配置】

    そこで考えてみたのが「各パーツの寸法と位置」です。
    上の図を見てのとおり、Mちゃんのボディの特筆すべき点は、そのまれに見るおヘソとウェストの位置の高さです。
    ウェストが鎖骨と股のちょうど中間に位置し、おヘソはそれよりわずかに下。

    ヘソというのは「○○のヘソ」という言い方もあるように、物の中心や重心を表します。
    そしてその位置が全体のバランスに大変重要な役割を果たします。

    Mちゃんの見た目の安定感や安心感はこのへんにあるのではないか・・・と、実際に写真集に定規をあてて計ってみることにしました。
    A4版の写真集に全身を真っ正面から写したカットがあったので、それを計測。
    誌面に定規を当てての計測なので当然数ミリの誤差は出るので、数値は5ミリ単位としています。

    mchan_size.jpg
    Copyright : RUKA

    このような結果でした。
    思ったよりも部分部分での寸法のばらつきが少ないなと感じました。
    また、腰のくびれが鎖骨から股までのちょうど中間であったり、乳房の中心(乳首の位置)が鎖骨からおヘソのちょうど中間であるなど、まるで計って配置したかのようです。

    頭頂部から股まで[A]が155mm、足の長さ[B]が140mmですから、全身の寸法は295mmです。
    以降わかりやすいようにこの図のとおり身長が295mmであると仮定して話を進めると、顔の長さ[J]が45mmですから「295÷45=6.555555...」となりますので、Mちゃんは約6.6頭身です。
    日本人の大人の女性が7頭身ほどですから、13歳の少女としては丁度良いのではないでしょうか。

    次に、バランスの良さのひとつになっているであろうと思われるおヘソの位置です。
    頭頂部から股まで[A]が155mmで、おヘソから股まで[D]が40mmですから、おヘソの位置は頭から115mmのところ。
    身長が295mmなので、足の下からは180mm上の場所です。

    つまり身長の115:180の位置におヘソが位置するわけですが、これは約3.2:5となります。
    この「3.2:5」という数値を憶えておいてください。


    golden_ratio.jpg


    【黄金分割】

    述べる順序が逆になってしまいましたが、以前、アートの世界に「黄金分割」という手法があることを知りました。
    「もしかしたら?」と、Mちゃんの写真を計ってみたら、なんとそれにピッタリ当てはまったので驚き、そして感心したという経緯があったのです。
    今回改めて計ってみて、やはりMちゃんのボディは芸術なんだと確信しました。


    【その、黄金分割とは?】

    黄金分割ついての簡単な一説を見てみますと、黄金分割とは「テーマとなる部分が画面全体に及ぼす、安定した比率関係」だそうです。
    ある比率を応用して一定の面積を幾何学的に分割し、そこにパーツを配置していくという、美術界や写真界での技法のひとつです。

    この比率を使い作品を作り上げ、歴史に名を残してきた芸術家や建築家は数多くいます。
    ピカソ、セザンヌ、ドガ、モジリアニ・・・古くはあのレオナルド・ダ・ヴィンチも。
    中でも有名なのは印象派のスーラで、彼の作品「グランドジャケットの日曜」は黄金分割による構図の究極とされ、描かれた人物の完璧な配置と画面構成で人々を驚かせたそうです。

    そして建築物でも、たとえばルーブル美術館前の凱旋門は全体の均衡が完全に保たれていますが、解析すると100%黄金分割の矩形が使われているそうです。

    この「ある比率」とは黄金比立または黄金比と呼ばれ、数で示すと「1:1.618...」、つまり約3.1:5です。
    先ほどのMちゃんのおヘソの位置が「3.2:5」ですから、この比率とほぼ一致したと言って良いでしょう。


    【黄金比率】

    安定した構図を生み出す黄金分割という技法。
    その基となる比率を「黄金比率(黄金比)」と言います。
    1:1.618...、約3.1:5、または約5:8。

    この黄金比率によって究極の美を追究し続けたのは古代ギリシア人でした。
    彼らは有名なパルテノン神殿から彫刻、壺に至るまで、これを利用し造形していったのです。

    そして彼らが作った彫刻の女性像のおヘソの位置も、身長を約3:5(黄金比の近似値)で分割する位置に来るそうです。
    なんとMちゃんと同じく、ギリシア彫刻もおヘソの位置は約3:5でした。
    完璧なプロポーションとされるミロのビーナスもちゃんと黄金比率になっているそうです。

    そんな数々の芸術品を生み出した古代ギリシア人にこの比率を伝えたのはエジプト人だと言われています。
    エジプトといえばピラミッド。

    pyramid.jpg

    ピラミッドの四角すいのあの形もいい加減に作られたわけではありません。
    ピラミッドの高さと幅にも黄金比があり、測量術による正方形の発見、そこから導き出されたのが1:1.618...、約3:5という美の単位だったのです。

    ここで先ほどのMちゃんの寸法の図をもう一度見てください。
    Eの「胸の幅」つまり乳首の上を通る線を底辺とし高さを鎖骨の間にとると、Mちゃんの胸に一つのピラミッドが出来上がります。
    胸の幅は50mmで、位置は鎖骨からおヘソ[C]のちょうど中間にありますから、鎖骨までの高さは30mmです。
    高さと底辺の比率が、なんとピラミッドと同じ黄金比3:5ではないですか。
    しかもまるで水面に映ったかのように、おヘソを頂点とした逆さピラミッドもまったく同じ。

    さらに上半身の縦と横。
    縦が鎖骨から股まで[C+D]の100mm、横が骨盤の幅[G]の60mmですから、計算するとやっぱり3:5なのです。
    一見横に広いと思われがちなMちゃんの体は、じつは美の黄金比率どおりだったというわけです。


    leaves.jpg

    【自然の美しさ】

    「Mちゃんの輪郭がなめらかなのはわかった。部分部分が3:5に当てはまるのもわかった。しかしそれで何故美しいんだ?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
    確かに不思議です。

    しかし実際にこの黄金比率と呼ばれる「1:1.618...」の比率を使い、古代ギリシア人やたくさんのアーティストが数々の名作を作り上げてきたのは事実ですし、そういった作品を見てみると確かに安定感や安心感、安らぎを実感できます。
    これは理屈ではなく、人間が本来持っている本能のようなものではないでしょうか?

    それを裏付けるかのように、次のようなことが言われています。
    興味深いことに、人間が作り上げたものだけでなく自然界においても黄金比は存在します。
    貝殻の渦巻き模様、植物の葉、種子の成長形式、様々な生命のフラクタル。
    その他にも自然界には、一見無造作に形作られたようでありながらも、この比率が数多く存在します。

    エジプト人が発見し、ギリシア人が応用し、現代の芸術にまで息づく黄金比率。
    その母は実は自然界であり、人間が本来美しいと感じるありのままの姿。

    この比率が数多く見受けられるMちゃんは、まさに美の女神と言えるでしょう。
    もし古代の芸術家がMちゃんを見たら、その姿に感動し、ひれ伏すかもしれません。


    参考資料:1993年の旭光学パンフレット
    無料画像素材:Pixabay
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    秀逸な美術作品 ベスト10

    当ブログでこれまで紹介してきた美術作品の中で、私が特に秀逸だと思うものを10作品選んでみました。
    美的感覚は人それぞれですから異論もあるとは思いますが、あくまでも私が選んだベスト10です。

    もちろんどれも素晴らしい作品なので、順位は付けられません。
    当ブログに登場した順番に並べました。
    それでは見ていきましょう。


    delaunay_flute.jpg

    【La Leçon de Flûte】

    タイトル:La Leçon de Flûte
    作者:ジュール=エリー・ドローネー (Jules-Élie Delaunay/1828-1891)
    制作年・国:1858年・フランス

    フランスの画家、ジュール=エリー・ドローネーによる1858年の絵画作品。
    この絵の何よりも素晴らしいところはその構図。
    背景を二分する水平線と手前の大地によって画面に安定感を与え、ふたりの仕草が画面に抑揚を与えています。

    また、右の少年の天使のような姿がほのぼのとした雰囲気を醸しているのも良いですね。
    この絵はルネサンス時代へのオマージュであり、背景はイタリアのカプリ島の風景を忠実に再現しているそうです。
    構図、構成が秀逸!



    kant_pod.jpg

    【瓶を持つ少年の像】

    タイトル:不明
    作者:ヴィム・ファン・デル・カント (Wim van der Kant/1949- )
    制作年・国:不明・オランダ

    オランダの彫刻家、ヴィム・ファン・デル・カントによる彫刻作品。
    何を以って秀逸とするかは人それぞれですが、造形技術の高さという意味では彼の作品を抜きにしては語れません。

    高さ数十センチの小さい像であるにも関わらず、まるで人体から型取りしたかのような凹凸のリアルさ。
    人間について機能と美しさ両面から考えさせられる、素晴らしい作品だと思います。
    造形技術が秀逸!



    craig_nude_of_a_y01.jpg

    【Nude of a Y】

    タイトル:Nude of a Y
    作者:ブライアン・ブース・クレイグ(Brian Booth Craig/1968- )
    制作年・国:不明・アメリカ

    アメリカの彫刻家、ブライアン・ブース・クレイグによる彫刻作品。
    これも小さな彫像ですが、踊る少女というありきたりなテーマでありながらその趣旨を人体で表現しています。

    見つめる先に向かって手足を伸ばしたバレエダンスのようなポーズからは、優雅さと気品が感じられます。
    少女特有のシンプルな体形であるがゆえに美しさが際立った作品とも言えますね。
    ポーズが秀逸!



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    【Niños Encantadores De Serpientes】

    タイトル:Niños Encantadores De Serpientes
    作者:ルイス・リカルド・ファレロ (Luis Ricardo Falero/1851-1896)
    制作年・国:不明・スペイン

    スペインの画家、ルイス・リカルド・ファレロによる絵画作品。
    蛇使いの少女という珍しいテーマであり、架空の物語の一場面を思わせます。
    金色の装飾品、垂れ下がったフンドシ、頭を持ち上げた蛇など、要所要所に意味を感じさせる作品です。

    ファレロは当時としては非常に前衛的でファンタジックな絵を描く画家でしたが、蛇使いという古典的なテーマと作者の画風が上手くマッチした作品だと思います。
    テーマと世界観が秀逸!



    wolff_eros02.jpg

    【Eros】

    タイトル:Eros
    作者:エイミル・ウルフ (Emil Wolff/1802-1879)
    制作年・国:1836年・ドイツ

    ドイツの彫刻家、エイミル・ウルフによる1836年の彫刻作品。
    ギリシア神話の愛の神エロースの立像ですが、エロースの姿を思春期の少年としたこと、白い大理石であること、重心をズラしたコントラポストであること、すべてが上手く絡み合った傑作だと思います。

    特に素晴らしいのは、どの角度から見ても美しく見える体形ですね。
    一般的な少年の体形とは若干違いますが、理想を突き詰めてじゅうぶんに洗練したといった感じです。
    体形のバランスが秀逸!



    peinte_orphee.jpg

    【Orphée endormant Cerbère】

    タイトル:Orphée endormant Cerbère
    作者:アンリ・ペインテ (Henri Peinte/1845-1912)
    制作年・国:1888年・フランス

    フランスの彫刻家、アンリ・ペインテによる1888年の彫刻作品。
    竪琴をかざして演奏する姿が体形の美しさも際立たせているという、まさに美術品と呼ぶに相応しい名作。
    フランスのカンブレー市の公園にもレプリカが設置されており、市民の心を潤しています。

    妻を亡くしたオルフェウスが冥界で竪琴を奏でているというシーンですが、物語の背景とも相まって、純粋な美を感じさせる作品です。
    物語に合った表現が秀逸!

    画像出典:File:Henri Peinte - Orphée endormant Cerbère (front).png
    ライセンス:パブリックドメイン



    simberg_photo01.jpg

    【HS Johanneskyrkan Tammerfors】

    タイトル:不明
    作者:ヒューゴ・シンベリ (Hugo Simberg/1873-1917)
    制作年・国:1905年・フィンランド

    フィンランドの画家、ヒューゴ・シンベリによる1905年の写真作品。
    教会の壁画製作のために撮影した写真ということで、正式な作品として残っているものではないと思いますが、モデルが美的であるという理由で選んでみました。

    写真自体はなんら工夫のないスナップですし、順光のためモデルが眩しがっているのも良くありませんが、大腿部の形や姿勢が昔懐かしい水飲み鳥を思わせるところが面白く感じました。
    モデルのラインが秀逸!

    画像出典:File:HS Ask 8.12, 1905 (16040322061).jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス



    li_gui_jun_untitled.jpg

    【肖像的立ちポーズの少年】

    タイトル:不明
    作者:李 貴君 (Li Gui Jun/1964- )
    制作年・国:2009年・中国

    中国の画家、李 貴君による2009年の絵画作品。
    驚くべきはその画力。その緻密な描写力に絵画の可能性を感じました。
    ポータブルプレーヤーを使っている現代っ子の絵ですが、メガネをかけた秀才風の顔立ちやヒョロリとした体形もまた、時代を象徴していますね。

    上のシンベリのモデルとはまったく逆で、あまり美的さは感じませんが、作品として考えるとこの驚異的な画力は見逃せません。
    描画技術が秀逸!

    画像出典:LI Guijun



    pluschow_stratz-korper_des_kindes_24.jpg

    【グレーデンとプリュショーの写真作品】

    タイトル:11-year old girl from Rome
    作者:ヴィルヘルム・フォン・プリュショー (Wilhelm von Plüschow/1852-1930)
    制作年・国:1890年・ドイツ

    ドイツの写真家、ヴィルヘルム・フォン・プリュショーによる1890年の写真作品。
    非常に均整のとれた体形と、コントラポスト気味の立ちポーズ。

    プリュショーの作品は写真的には質が高いとは言えないのですが、モデルの質は概ね高かったようです。
    この写真をトレースした図は医学的資料として、ドイツの産婦人科医カール・ハインリヒ・シュトラッツ氏の書籍などでも使われています。
    モデルの質が秀逸!

    画像出典:File:Stratz - Körper des Kindes 24.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン



    novelart_bodypainting.jpg

    【NovelArt のボディペインティング作品】

    タイトル:不明
    作者:NovelArt
    制作年・国:2002年

    彫像、絵画、写真の3つの要素がひとつになった、ボディペインティング写真という表現手法。
    人体の造形美、ペイント技術、そして撮影の構図という、舞台芸術にも似た雰囲気を感じます。

    体形の美しさという点ではアフリカのムルシ族の少年ほうが優れているとは思いますが、パンツ姿とはいえ全身のペインティングに挑んだこのモデルたちには拍手を送りたいですね。
    この写真が秀逸ということではなく、このプロジェクトの一連の作業を評価したということです。
    試みが秀逸!

    Copyright : Novel Art


    以上、過去に当ブログで紹介した作品の中から、秀逸だと思うものを10作品選んでみました。
    彫像が4作品、絵画が3作品、写真が3作品でした。

    人間はこれまでの長い歴史の中で様々な「美」を作り上げてきました。
    しかし人間そのものが美であると考えると、これは非常に面白いことです。
    美が美を作り上げている。
    まるで子孫を残すかのように。

    モデルとなった人物の中には、後に彫刻家や写真家になった者もいます。
    素材からアーティストへと変わり、新たな美を作り上げていく。
    人間の素晴らしさは、こうして脈々と受け継がれていくのですね。
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    タグ: America  Europa  少年  少女  ♂♀  彫像  絵画  OldPhoto  CC-License  ProModel 

    書籍「Pour la beauté physique de ton enfant !」

    pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_00.jpg

    フランスの出版社、Fernand Nathan社が1927年に出版した「Pour la beauté physique de ton enfant !」

    ストックホルム中央研究所の医師であるカール・ブラント氏監修による全96ページの書籍。
    タイトルは訳すと「あなたの子供の肉体的な美しさのために!」となり、このタイトルからもわかるように、親を対象とした子供の健康管理のための教本です。

    医学書や美術書など、子供の体を掲載した学術的な書籍は昔からありました。
    この本もそのうちのひとつ。
    出版元のFernand Nathan社は、教科書、児童書、絵本など児童教育用の書籍を専門とした、1881年から続く老舗の出版社です。


    pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_21.jpg  pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_26.jpg
    pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_30.jpg pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_81.jpg

    この本では体の美しさを保つための体操やフィジカルトレーニングを、様々なポーズをとる子供たちの写真を使ってわかりやすく解説しています。
    モデルはすべて男の子ですが、たぶんヌードOKのモデルが男の子しか揃わなかったのでしょう。

    全部で48枚の写真が使われており、それぞれに「振り子」「信号機」「種まき」「ワニ」など、比喩的なタイトルが付けられています。
    このへんは創作ダンスやヨガのポーズに似ていますね。

    モデルが裸である必要があるのか?という疑問に関しては、保護者に向けた保健教本であることから、子供の体付きを見せて解説するのは理に適っているのだろうと思います。
    親は我が子の健康に関して、体形も含めて把握しておく必要がありますから。

    体操によって体の美しさを向上させるという概念は昔からありましたが、子供の場合はそれに加えて健やかな成長を促す意味もあるので、医師が監修したこのような本は当時の家庭では重宝したことでしょう。


    pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_31.jpg pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_79.jpg
    pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_88.jpg pour_la_beaute_physique_de_ton_enfant_52.jpg

    当ブログでは以前、ジェニー・ガーツというドイツの女性ダンサーを紹介したことがありました。(該当記事)
    ジェニー・ガーツの生徒たちが全裸で表現ダンスをおこなったのが1925年と1926年でした。

    この書籍「Pour la beauté...」が発売されたのが1927年ですから、この当時フランスやドイツでは子供の健康を見据えた体操やダンスが流行っていたのかもしれませんね。

    「美しさは健康な体に宿る」という言葉があり、人間にとって美容と健康は密接した関係にあります。

    保健体育というと数値的な面ばかりが重視されがちですが、体形の美しさから健康を考え、また健康を促していくという考え方は、現代の子育てにおいても大切な要素ではないでしょうか。


    画像出典:Brandt Carl
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    タグ: Europa  少年  ♂♀  スポーツ  ダンス    寝姿  OldPhoto  CC-License 

    女性用水着の歴史

    今月11日、男性用下着の歴史について考察してみました。(該当記事)

    ならば次は女性用下着の歴史を・・・と思ったのですが、女性の場合は下着よりも水着のほうが歴史的に面白そうなので、今回は「女性用水着の歴史」と題してあれこれ考えてみることにしました。

    まずは前回と同じく、YouTubeで公開されていた動画から見てみましょう。
    ここ120年間の女性用水着の移り変わりを紹介した動画です。


    Evolution of the Bikini with Amanda Cerny
    Copyright : Breathless Resorts & Spas

    人々が海に出かけて海水浴をするようになったのは19世紀になってからのこと。
    しかしその頃はまだ水着と言えるものではなく、水に濡れても肌が透けて見えないように作られた服、という程度でした。

    20世紀になり、首回りや手足を露出したワンピース型の水着が登場すると、そこから女性の水着は様々な変化を遂げます。
    体の線がハッキリと現れる水着を女性が着るということは、女性の権利拡大を訴える運動が盛んだった時代の、女性による自己主張でもあったのでした。

    今回は非常にたくさんの種類がある女性用水着の歴史について考えてみました。
    着用例として、We Are Little Stars等の画像を引用いたしました。


    【ワンピース水着】1900年代初頭〜

    swimwear_onepiece_wars_tauana.jpg swimwear_onepiece_wals_fran-tau.jpg

    ワンピースとはデザインの名前ではなく、上下が一体となっている着衣の全般的な呼び名です。
    ワンピース型の水着も、登場した当時は洋服のような形でしたが、水着として普及してからは胸の上部と腕と足を露出したデザインが一般的です。

    時代によって少しずつ形を変えてきましたが全体的には大きな変化はなく、現在も続く水着のスタンダードと言えるでしょう。
    日本では1980年代後半に、若い女性を中心にハイレグのワンピース水着が流行ったことがありました。



    【タンクスーツ】1920年頃〜

    swimwear_tanksuit01.jpg swimwear_tanksuit02.jpg

    1920年頃、上下を一体縫製した、半月型の深い胸ぐりと幅の広い肩ひもを持ったタンクスーツがアメリカで流行しました。
    タンクとは水槽の意味で、この場合は屋内プールを指し、そこで着る水着なのでタンクスーツ。

    古風なデザインですが、活動的で機能的なこのデザインは日本のスクール水着にも継承されました。
    右はスカート状の水抜きがある旧型スクール水着。(ダブルフロントとも言います)

    Copyright : RUKA



    【三角ビキニ】1946年〜

    swimwear_bikini_wars_unknown01.jpg swimwear_bikini_wars_unknown02.jpg

    1946年にフランスのデザイナー、ルイ・レアールが考案して、核実験の衝撃に例えてビキニと命名した水着。
    トップの布が三角形になっているものは三角ビキニ、またはトライアングルビキニと言います。
    ビキニの基本形ですが、ある程度のバストサイズが必要なこともあり、実用性よりも見た目を重視したデザインです。

    日本には1950年から輸入され、1960年には「ビキニスタイルのお嬢さん」という歌もヒットしましたが、日本人が一般的に着用するようになったのは1970年代からです。



    【タイサイドビキニ】1960年頃?〜

    swimwear_tieside_wars_tauana.jpg swimwear_tieside_wars_unknown02.jpg

    タイサイドビキニとは、腰の横でヒモを結んで留めるタイプのビキニのこと。
    フロントの布の大きさは様々ですが、日本ではこのタイプも紐ビキニと呼んでいます。

    紐は単に縛るだけではなく飾りになっているものも多く、可愛らしさの演出として子供用の水着にもよく見受けられます。
    紐の部分にアクセサリーを付けるタイプもあります。



    【モノキニ】1970年頃〜

    swimwear_monokini_wars_unknown.jpg swimwear_monokini_wars_patricia.jpg

    モノキニとは、前から見るとワンピース水着、後ろから見るとビキニに見える水着のこと。
    元々は水着デザイナーのルディ・ガーンライヒが1964年に発表したボトムだけの水着を指していましたが、全く定着しなかったため、後にツーピース水着を金輪などで繋いでワンピース型とし、それをモノキニと呼ぶようになりました。

    つまり、一見上下に分かれているように見えてじつは繋がっている、という水着のことで、フロント部分が縦に細く繋がっているものもこう呼びます。



    【ローライズビキニ】1970年頃〜

    swimwear_lowrise_wars_jolie.jpg swimwear_lowrise_wars_unknown.jpg

    ローライズとはデザインの名前ではなく、股上(股からウェスト部分までの丈)が短いパンツのことです。
    1960年代〜1970年代にかけてローライズのジーンズが流行り、それに伴いこのような下着や水着が現れました。

    ウェストの細さを強調したり目立たせる効果がありますが、恥骨部分を覆う程度の高さしかないため大人の場合はアンダーヘアーの処理が必要になります。
    ヒップハングという言い方もありますが、ローライズのほうがより股上が浅いものを指します。



    【競泳水着】1970年代〜

    swimwear_race_wars_fran-tau.jpg swimwear_race_sa_amanda.jpg

    1970年代以降、競泳用水着もデザインや素材の改良が常におこなわれ、記録の向上に寄与してきました。
    しかし2010年の大会からはラバーやポリウレタン皮膜の水着が禁止され、布地の素材に限定されました。

    20世紀後半はナイロンとポリウレタンの混紡糸を使った織布が競泳水着の素材としては一般的でしたが、1980年代になるとナイロンに替わってポリエステルをベースとした素材が主流となります。
    しかし2010年以降は締め付け効果を得るため、再びナイロンベースの布が使用されているそうです。



    【バンドゥビキニ】1970年代〜

    swimwear_bandeau_km_kacy.jpg swimwear_bandeau_wars_unknown.jpg

    バンドゥビキニとは、ブラの部分が横長の帯状で、肩紐のない形状のビキニのこと。
    バンドゥとはフランス語で鉢巻きという意味。

    胸を綺麗に見せ、キュートな印象を与えてくれます。
    位置がずれないようにヒモが付いたものや、フリンジやフリル等の装飾があるものも多いようです。
    1970年〜1980年代に一時的に流行しましたが、当時の日本の女性にはあまり浸透しませんでした。



    【マイクロビキニ】1970年代〜

    swimwear_micro_vm_anna01.jpg swimwear_micro_vm_anna02.jpg

    その名のごとく、三角形の布の部分が非常に小さく作られたビキニ。
    タンガやGストリングもマイクロビキニの一種ですが、現在はデザインの違いがかなり曖昧になっています。

    元々は1970年代初頭にアメリカのカリフォルニア州にて、ビーチで裸になることを禁止する法案が制定され、それに対応するために作られ始めたと言われています。
    1990年代にはこのタイプの水着が数多くのメーカーによって生産されました。



    【ブラジリアンビキニ】1980年代〜

    swimwear_brazilian_km_karia01.jpg swimwear_brazilian_km_karia02.jpg

    ブラジリアンビキニとは、ひと言で言えばブラジルっぽいマイクロビキニのこと。
    こちらも定義は非常に曖昧です。

    本来はブラジル発祥のビキニですが、最近では前後を大胆にカットしたカラフルで小さなビキニをブラジリアンビキニと呼ぶ傾向があるそうです。
    サンバカーニバル等でダンサーが着用するような、ヒップラインを強調したTバックデザインが特徴です。



    【タンガ水着】1980年代〜

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    こちらもブラジル発祥の水着。
    タンガとは、元々はブラジルの先住民であるインディオが身につけていた腰巻のことで、ダンサーの衣装として発展しましたが、現代では下着や水着のデザインとしてもお馴染みです。

    バックがTバックのものとそうでないものがありますが、水着の場合はTバックではないものが多いようです。



    【タンキニ】1990年代〜

    swimwear_tanktop_unknown01.jpg swimwear_tanktop_unknown02.jpg

    タンキニとは、トップ側がタンクトップの形状になっているセパレート水着のこと。
    タンクトップ・ビキニの略でタンキニ。

    タンクトップによりウエスト部分の体型を目立たなくできるという特徴があり、コーディネートの自由度も高めです。
    トップとボトムを別々に購入して組み合わせるという楽しみ方もあります。



    【ボーイレッグ】2000年代〜

    swimwear_boyleg_sa_amanda.jpg swimwear_boyleg_sa_unknown.jpg

    ボーイレッグとは、ボトムがショートパンツとほぼ同じ形状で、裾が水平にカットされたもの。
    男性のボクサーショーツのようなデザインです。
    いわゆるハイレグ水着に対してのローレグ水着であり、お尻全体をすっぽり包み込むためフィット感が高く、保温効果が高いことも特徴。


    以上、女性用水着の種類とその歴史でした。

    女性の水着は男性の水着よりもバリエーションが多く、また「この時代はこの形」と明確に区分けできるものでもありません。
    要するにこれまで様々なデザインのものが誕生し、流行してきましたが、完全に廃れるということはなく、現在も好みやシチュエーションによって使い分けられているというわけです。

    20世紀の水着は「肌を隠す」から「肌を見せる」へと変化しましたが、2000年頃からまた肌を隠す傾向へと、つまり布面積が大きくなってきたような印象があります。

    今や子供たちのスクール水着も、なんと100年前と同じデザインです。

    bw_1920_competition_medals_(cropped).jpg swimwear_new.jpg
    1920年の競泳用水着と、2020年のスクール水着
    (画像出典:ウィキメディア・コモンズ/楽天市場)

    でも歴史は繰り返されると言いますから、そのうちまたビキニやハイレグが流行る日が来るかもしれませんね。

    もしかしたらマイクロビキニが学校指定のスクール水着に・・・って、それは無いわ!(^^;)


    Copyright : WeAreLittleStars.com 他


    関連記事:男性用下着の歴史
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    動物と天使たち

    elephant_and_boys.jpg

    動物は服で身を隠すことなく、いつも真の姿を見せています。
    だったら子供たちも動物たちの前では対等になりましょう!天使になりましょう!

    自然との一体感。
    動物とのコミュニケーション。
    動物と子供が一緒にいるところを表現した、絵画、彫像、写真作品をご紹介します。


    【犬と天使】

    victor_borisov_musatov-boy_with_a_dog.jpg

    bertel_thorvaldsen-shepherd_boy.jpg dog_and_kids.jpg

    絵画
    「Boy with a Dog」(1895年・ロシア)
     ヴィクトル・ボリソフ=ムサトフ (Victor Borisov-Musatov/1870-1905)

    彫像
    「Shepherd Boy」(1817年・デンマーク)
     ベルテル・トーヴァルセン (Bertel Thorvaldsen/1770-1844)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳



    【猫と天使】

    pierre_auguste_renoir-le_garcon_au_chat.jpg

    gesualdo_gatti_cat_mouse01.jpg george_hughes-boyhood_australia.jpg

    絵画
    「A Venetian Bather」(1889年・カナダ)
     ポール・ピール (Paul Peel/1860-1892)

    彫像
    「The Cat and the Mouse」(制作年不明・イタリア)
     ジェズアルド・ガッティ (Gesualdo Gatti/1855-1893)

    写真
    書籍「Boyhood Australia」より(1992年・イギリス)
     ジョージ・ヒューズ (George Hughes/生年不明)



    【鳥と天使】

    jon_boe_paulsen-dancing_with_birds.jpg

    benvenuto_cellini-ganymede.jpg sonnenfreunde56_12.jpg

    絵画
    「Dancing with Birds」(制作年不明・ノルウェー)
     ジョン・ボー・パウルセン (Jon Bøe Paulsen/1958- )

    彫像
    「Ganymede」(1540年・イタリア)
     ベンヴェヌート・チェッリーニ (Benvenuto Cellini/1500-1571)

    写真
    書籍「Sonnenfreunde」56号より(ドイツ)
     作者不詳



    【馬と天使】

    pablo_picasso-boy_leading_a_horse.jpg axel_wallenberg-boy_with_a_horse.jpg

    horse_and_boys.jpg

    絵画
    「Boy Leading a Horse」(1906年・スペイン)
     パブロ・ピカソ (Pablo Picasso/1881-1973)

    彫像
    「Boy with a Horse」(1956年・スウェーデン)
     アクセル・ウォレンバーグ (Axel Wallenberg/1898-1996)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳



    【ロバと天使】

    der_alte_esel-a_ven_szamar.jpg

    georg_august_gaul-the_donkey_rider.jpg boy_and_donkey.jpg

    絵画
    「A Vén Szamár」(制作年不明・ハンガリー)
     デア・アルテ・エセル (Der alte Esel/生没年不明)

    彫像
    「The Donkey Rider」(制作年不明・ドイツ)
     アウグスト・ガウル (Georg August Gaul/1869-1921)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳


    以上、動物と子供をモチーフとしたアート作品でした。
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    タグ: Europa  少年  少女  ♂♀  彫像  絵画  OldPhoto 

    レオポルド=エミール・ロイトリンガーの写真作品

    leopold_reutlinger01.jpg

    フランスの写真家、レオポルド=エミール・ロイトリンガー(Léopold-Émile Reutlinger/1863-1937)による1900年の作品。
    タイトルはありません。

    入浴をモチーフとした作品で、端正な顔立ちの少女がバスタブに入って微笑んでいます。
    PARISと書かれているのでパリのスタジオで撮影されたものでしょう。

    この頃のスタジオ写真はポストカード(絵葉書)としての需要が多く、子供写真も多くの人々に楽しまれていました。
    天使に扮した写真ならクリスマスカードにも使えますが、お風呂シーンはどういうときに送ったんでしょうね?

    スタジオなので当然バスタブにお湯は張っていないので、モデルの少女にも演技力が求められます。
    120年前のモデルのほうが今のモデルよりも健康的に見えるのは気のせいでしょうか?

    leopold_reutlinger02.jpg leopold_reutlinger03.jpg

    作者のロイトリンガーは1863年にペルーのカヤオで生まれました。
    父親と叔父が写真家であったため、彼も写真家を志します。
    1880年以降、父親が経営していたパリの写真スタジオで働き、1890年に父親からスタジオを引き継ぎました。

    彼はファッション写真や広告写真を多く手掛け、主に舞台女優やオペラ歌手、ダンサー等を撮影。
    彼の作品は評判が良く、ビジネスとしては大いに成功していました。
    主に雑誌や新聞の写真、ポストカードとしての需要が多かったようです。

    1891年に息子のジャンが生まれ、この息子も後に写真家となっています。

    1930年、ロイトリンガーは事故により視力を失うという悲劇に見舞われました。
    しかし彼は亡くなるまでスタジオ運営を続けたそうです。
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    いらっしゃいませ

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    RUKA

    Author:RUKA


    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログでは天使や子供をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
    また、公序良俗に反する画像や違法な画像、猥褻な画像は一切ありません。
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    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:22年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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