天使たちの運動会【ナチュリスト編】

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    欧米諸国では古くからお馴染みのナチュリスト。
    主に夏場ですが、日々の生活を健康的に全裸で過ごそうという趣向を実践している人たちです。

    健康活動の一種ですから、ナチュリスト団体主催の運動会がおこなわれることもあります。
    家族連れや子供たちも参加し、それは通常の地域運動会と大差はありません。
    違いは服を着ていないということだけ。

    太陽の光を全身で浴びる天使たちの運動会。
    どのような種目があるのか、古いナチュリストの記録写真から考察してみましょう。


    【綱引き】

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    綱引きとは、二つのチームが一本の綱をお互いの陣地に向けて引き合い、より多く引き込んだほうが勝ちという競技。
    日本の学校の運動会でも定番で、観客たちも思わず力が入るダイナミックな一戦です。
    オリンピックでも1920年のアントワープ大会までは競技種目だったそうです。

    子供たちはどうしても手だけで引こうとしますが、裸の場合は体に擦り傷を作らないためにもそのほうが良いでしょう。
    靴を履かないと踏ん張りが効きませんが、かえってそのほうが面白いかもしれません。



    【徒競走】

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    徒競走とは駆けっことも言いますが、複数人で一定距離を走って速さを競う短距離走です。
    走る速さだけでなく、途中に障害物やミニゲームなどを置いてゴールするまでの時間の短さを競う場合もあります。
    近年では徒競走に順位を付けず、走者全員で手をつないで一緒にゴールするようにしている小学校、幼稚園、保育園も存在するそうです。

    裸での徒競走は健康的ですが、この写真では靴を履いている子と履いていない子がいますね。
    実際、芝生の上ではどちらが走りやすいのでしょう?



    【ボール運び競争】

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    「玉転がし」「大球送り」などルールによって名称は違いますが、複数のチームに分かれてボールを運ぶ競技です。
    決められた場所に玉を転がして入った個数を競ったり、大型の玉を運びながらリレー競走する場合もあります。
    手に持ったスプーンに小さな玉を乗せて、その玉を落とさないように走る競技もありますね。

    ナチュリストたちがやっているこの競技は日本のとはちょっと違いますが、これもボール運び競争のひとつ。
    お腹の上に乗せたボールを落とさないように運ぶ競技です。



    【手押し車競争】

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    「手押し車競争」「人間手押し車」など呼び方は色々あるようですが、人間を手押し車に見立てて進むレース競技。
    前側の人は腕立て歩きですから、距離が長いとかなりキツイですね。
    日本では体育の授業でやることはありますが、運動会ではあまり見かけません。

    裸でやる場合は前と後ろの信頼関係がとくに重要かもしれませんね。
    後ろの人がどこを見ているかなんて気にしていたらとてもできません。



    【パン食い競走】

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    「競争」だと大食いや早食いになってしまいますが、この場合は「競走」
    パン食い競走とは運動会でおこなわれる徒競走のひとつで、途中に吊るしてあるパンを手を使わずに口でくわえてゴールを目指す、一種の障害物競走です。
    最近の運動会では衛生面を考え、袋に入ったままのパンを吊るすそうです。

    この写真ではパンではなく小さな果物(リンゴ?)を使っていますね。
    海外では徒競走ではなく、単体のゲームとしておこなうこともあるのでしょう。



    【棒倒し】

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    棒倒しとは、チームで一本の長い棒を立てて、相手チームの攻撃から棒を守りつつ、先に相手の棒を倒したほうが勝ちという競技。
    棒の先に付けられた旗を先に取ったほうが勝ちというルールの場合もあります。
    騎馬戦と並び、運動会ではかなりエキサイティングな種目と言えるでしょう。

    ナチュリストたちの棒倒しはこれとは全く違いました。
    地面に立てたコケシのような棒を、ぶら下がった丸い玉を使って倒す競技でした。



    【組体操】

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    組体操(組み立て体操)とは、道具を使用せずに身体のみを用いておこなう集団演舞のひとつ。
    小中学校の運動会ではプログラムの最後を飾る花形種目である場合が多いようです。
    日本では華やかさを求めるあまり、危険な高さの組体操が当たり前におこなわれていた時期がありました。

    ナチュリストの場合は怪我防止のためか、組体操をしている姿はあまり見たことがありません。
    人間は積み重ねなくても、華やかな演舞はいくらでもできるものです。



    【椅子取りゲーム】

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    複数の人間でそれよりも少ない数の椅子の周りをぐるぐると回り、合図とともに同時に座って、座れなかった人が脱落するというゲーム。
    椅子の数を少しずつ減らしていき、最後の椅子に座ることができた人が勝ち。

    日本では運動会の種目ではなく、どちらかというと室内のレクリエーションとしておこなわれることが多いですね。
    しかし意外と運動能力と反射神経が求められる競技です。
    電車やバスの中でこれをやってはいけません。



    【表彰式】

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    全ての競技が終わり、表彰式がおこなわれ、そして閉会式。
    表彰式では優勝したチームや頑張った個人をみんなで讃えます。

    日本の多くの運動会では、紅組と白組、あるいは複数に色分けされたチームで対抗し、点数で優勝が決まります。
    しかし最近では順位や勝敗を決めない運動会もあるそうです。
    せっかく頑張ったのに勝ったのか負けたのかわからないというのは、ちょっと味気ないですね。

    見た目で人間の優劣を決めるのは悪いことですが、子供たちが出した結果に順位があるのは決して悪いことではありません。
    みんな同じ人間であることを実感しながら競い、その上で結果を讃えるナチュリストたちの運動会に、私たちも何か学べることがありそうですね。


    画像出典:Jeunes et Naturels
    Copyright : Peenhill Ltd. Publishers


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    書籍「Encyclopédie de la vie sexuelle」

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    フランスで出版されている「Encyclopédie de la vie sexuelle」という書籍。

    日本語に訳すと「性の百科事典」となるので若い夫婦のためのHow-To本かと思ってしまいますが、実際は子供向けの性教育図鑑であり、子供たちが正しい性の知識を身につけるための児童図書です。

    同じタイトルで4〜6歳向け、7〜9歳向け、10〜13歳向け、14〜16歳向けの4種類が発売されており、上の画像は7〜9歳向けの本の内容の一部です。
    (画像出典:2ememain.be)

    4人の医師によって書かれたこれらの本は、人間の成り立ち、仕組み、生殖、出産、避妊などについて丁寧にわかりやすく解説しており、非常にデリケートな問題である性について親と子の対話を促進することにも役立っています。

    出版社は1826年から続くフランスの老舗出版社「Hachette Livre」のユース部門である「Hachette Jeunesse」
    この本は1970年代から数年置きに内容を見直しながら出版されてきました。

    初期の頃は性そのものよりも生殖に重点が置かれ、同性愛に関する記述はなく、反対に現在売られている本では同性愛も扱っているなど、社会の変化に合わせて内容も変化しています。

    しかしそれよりも大きな変化は、年代ごとの表紙の移り変わりです。
    これはフランスに限らず日本でもよく見る傾向ですが・・・まぁとにかく見ていきましょう。


    【1973年】

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    これは1973年に出版された「Encyclopédie de la vie sexuelle」の表紙。
    左が7〜9歳向け、右が10〜13歳向けです。

    画像出典:Musée national de l'Éducation
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    読者と同年代の子供の写真を使うことで、子供たちに自分に関係ある内容だと理解させ、股間が見えている写真であることで人間の性に関する内容だと理解させ、そして男女のペアであることで将来の結婚に繋がる内容だと理解させる。
    性教育の教本としては、もっともわかりやすい表紙ではないでしょうか。

    当時は私も左側の本の子と同じくらいの歳でした。
    もしこの本の日本語版が出ていたら、日本の家庭でも1970年代の段階で正しい性教育ができていたかもしれませんね。

    Amazon.frより
    Encyclopédie de la vie sexuelle. de la physiologie à la psychologie. 7/9 ansCartonné – 1973
    Encyclopédie De La Vie Sexuelle De La Physiologie à La Psychologie 10 / 13 Ans . 1973



    【1980年】

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    これは「Encyclopédie de la vie sexuelle」の1980年版の表紙。
    左が7〜9歳向け、右が10〜13歳向け。

    7〜9歳向けは遊んでいるシーンになり、10〜13歳向けは裸で身を寄せている写真になりました。
    10〜13歳といえば男女とも生殖が可能になる年齢ですから、横になって肌を密着させている写真は性行為推奨とも受け取られかねないのですが、この表紙は上半身のみの写真にすることでそれを防いでいます。
    その上で、幸せそうな顔としっかり繋いだ手によって、テーマが性教育であることを示しています。

    全身を見せる写真ではなくなったのは、この頃の性教育が医学的な教えから道徳的な教えへと移り変わる時期だったからかもしれません。
    つまり生殖の仕組みよりも、愛情を伴った性についてシッカリに教えようということではないでしょうか。

    Amazon.frより
    Encyclopédie de la vie sexuelle de la physiologie à la psychologie 7/9 ans Reliure inconnue – 1980
    Encyclopedie de la vie sexuelle de la physiologie a la psychologie 10/13 ans



    【1991年】

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    1990年代に入ると表紙はこうなりました。
    仲の良さそうな男女の笑顔写真ですが、服を着ています。
    ポートレイト写真集かと思ってしまいそうなデザインですね。
    もはや表紙だけでは性教育の本であることがわからなくなってしまいました。

    本にとって表紙は大切な顔です。
    表紙だけで何の本なのか伝わらなくては意味がありません。
    しかも百科事典を銘打っているのですから、記念写真のようなツーショットには違和感を感じてしまいます。

    Amazon.frより
    Encyclopédie de la vie sexuelle des 7-9 ans / Verdoux, C/ Cohen, J / Réf: 29170Relié – 1991
    Encyclopédie de la vie sexuelle 10-13 ans Relié – 1992

    でもこれはまだ良いほうかもしれません・・・



    【1994年】

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    これは1994年版の表紙。
    同じく着衣のポートレイトですが、なんと写真ではなくなってしまいました。

    綺麗な肖像画だとは思いますが、イラストにした理由はなんだったんでしょうか?
    子供や親にとってはこのほうが買いやすいんでしょうか?
    「水彩画入門」というタイトルのほうが似合いそうですね。

    Amazon.frより
    Encyclopédie de la vie sexuelle : 7-9 ans Poche – 1 février 1994
    Encyclopédie de la vie sexuelle : 10-13 ans Broché – 11 mars 1998

    さてこの「Encyclopédie de la vie sexuelle」という本、その後どうなったかと言いますと・・・



    【2003年】

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    こんな表紙になりました。(^^;)
    随分とまぁ砕けたというか、マンガチックになりましたね。
    気軽に買えるようにはなったかもしれませんが、百科事典としての威厳はなくなってしまいました。

    現在は他の出版社から同じようなタイトルの本が出ていますが、やはりどれもイラストの表紙です。
    これはフランスに限ったことではなく日本でも同じ。
    19XX年には表紙がヌード写真だった本が、20XX年に再発行されたらイラストになった、ということはよくあることです。

    性がテーマであるとはいえ、教育用の本までマンガチックに変える必要はあるのでしょうか?
    実感できる、共感できるということが性教育でのニーズなはずなのに。

    今の子供たちにどちらの本がわかりやすいかと問えば、たぶん現在売られている本を指すでしょう。
    しかし写真と漫画風なイラストのどちらがより「正確に」理解できるかといえば、写真でしょうね。

    性教育のように人の命に関わる教育の場合は、オブラートに包むような伝え方はするべきではないと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか?


    書籍「Encyclopédie de la vie sexuelle」の1973年版の内容に関しては、この動画で見ることができます。
    1978年に放映された映像で、オフィシャルの「Institut National de l'Audiovisuel」がYouTubeで公開しています。



    Les livres d'éducation sexuelle pour les enfants - Archive INA
    Copyright : Ina Styles
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    Boy with a Snail

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    ハンガリーの彫刻家、イストヴァン・セントジェルジ(Istvan Szentgyörgyi/1881-1938)による作品「Boy with a Snail」
    制作年は不明です。
    この画像だと大理石像に見えますが、高さ約73cmのブロンズ像です。

    少年が手に持っているのはスネール、つまりカタツムリ。
    男の子の好奇心と小さな命の大切さが表現された作品です。

    私も子供の頃は、雨上がりに外に出てカタツムリを探したものです。
    現代はカタツムリに触れたことがない子も多いようですが、摘みやすい丸い殻、伸び縮みするユーモラスな動き、ヌルヌルした感触など、小さな子供の好奇心をくすぐる生き物であることは確かです。

    しかし今では寄生虫などの危険性が叫ばれているので、できれば触れないほうが良いでしょう。

    作者のイストヴァン・セントジェルジは新古典主義を実証したハンガリーの彫刻家。
    彼の作品の多くは「ハンガリー国立美術館」が所蔵しています。

    1881年生まれの彼は応用芸術学校で彫刻を学んだ後、1905年から1910年までベルギーのブリュッセルアカデミーにて彫刻家のチャールズ・ファン・デル・シュタッペンの生徒として学びました。
    その後多くの彫像を発表し、墓地や噴水等も手掛け、1925年にはアートスクールの教師となりました。

    この彫像は制作年が不明でモデルについても定かではありませんが、彼の作品には自分の子供をテーマとしたものがあるので、この子も息子さんかもしれません。
    きっとカタツムリが好きな子だったのでしょうね。


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    イストヴァン・セントジェルジ作「Boy with a Snail」と、それと同じポーズの人間との比較。
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    書籍「Les Enfants de Papier」

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    フランスの写真家、ネグレポント(Negrepont/生没年不明)による1980年発行の写真集「Les Enfants de Papier」

    タイトルは日本語に訳すと「紙の子供たち」
    フランスの少年たちの自然な姿を芸術的なタッチで捉えています。

    Amazon.frより
    Les Enfants de Papier Relié – 1984(1984年の再販版)


    作者のネグレポントは1980年代に子供を題材としたいくつかの書籍を出版したフランスの写真家。
    日常を力強いフレームで切り取り、詩的なアレンジを加えた彼の高コントラストな作品は、現在も高い評価を得ています。

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    ネグレポントは書籍の中でこう語っています。(意訳)

    『私が初めてカメラで子供を撮った時、私はその子よりも年下でした。古いカメラで学校の友人をたくさん撮り、私は次第にカメラに魅了されていきました。
    時が経ち、写真技術を習得し、そして私は写真家になりました。写真は私の生活の一瞬一瞬を明らかにする、まさに魔法の力です。
    二人の少年が屋上で遊び、少女は金色の輝きを放つ。この独特な日常生活において、子供たちはかつてないほど効率的な表現をしてくれました。その光景はとても感覚的なもので、私はそれに反応してイメージを定着させました。
    この書籍ではすべての写真があなたを子供時代に戻してくれるでしょう。そしてそれがあなたの現実社会での力となることを私は願っています。』

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    日常の光景でありながら非日常の雰囲気を持った彼の作品。
    モデルの子供たちはただカメラの前でおどけているのではなく、写真家の意思に共感し、それを見える形に変換してくれているかのようです。
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    モデル君は背中で語る - 3

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    あなたが観光地で自分の写真を撮ろうとしたとき、セルフタイマー機能も自撮り棒も無いので、道ゆく人に「シャッターを押してください」と頼んだとします。
    するとその人が「じゃあ背中を向けて」と言うので、素直に後ろを向いたらシャッターの音が・・・。

    こんなことをされたら怒るか、あるいは戸惑いますよね?
    「私の顔は写す価値がないってこと?」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
    絵でも同じですが、人物写真は基本的には顔が見える位置から捉えるものです。

    しかし絵画や写真作品の中には、あえて背中側を描写したものも少なくありません。
    人は後ろ姿も十分に芸術的であり、後ろ姿だからこそ伝えられる表現もあるからです。

    天使の後ろ姿を捉えた「モデル君は背中で語る」
    第3回目の今回は、よりアーティスティックな絵画作品と写真作品をセレクトしてみました。
    絵画と写真を交互に並べましたが、写真のほうは残念ながら作者不詳です。


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    左はイギリスの画家、ヘンリー・スコット・タク(Henry Scott Tuke/1858-1929)による1896年の作品「The Bather」
    右はイギリスの画家、ネリー・ジョシュア(Nellie Joshua/1877-1960)による1905年の作品「The Dragonfly」

    モデルが背景の海を見つめているなら、当然後ろ向きになりますね。
    そこにあるのは喜びか?哀愁か?
    右側の妖精の絵はあえて後ろ向きにすることで、森の中をそうっと覗いているような雰囲気を醸しています。


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    どちらも詳細不明、作者不詳の作品です。

    それぞれ湖と森で撮影された写真ですが、大自然の背景と人間の背中が妙にマッチしています。
    左はハイティーンで右は10歳くらいだと思いますが、こうして見ると成長の度合いがわかりますね。


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    左はデンマークの画家、モーゲンズ・ガード(Mogens Gad/1887-1931)による1914年の作品「Drenge i Hornbæk」
    右はトルコの画家、イゼット・ジヤ(Izzet Ziya/1880-1934)による作品「Children diving into the sea」

    船に向かって手を振る少年と、海で遊ぶ兄弟。
    どちらも表情は見えませんが、楽しんでいる様子がその後ろ姿から伝わってきます。


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    楽しんでいるといえばこちらも同じ。

    左の写真は地面に水着が落ちているので、着替えの時におどけてポーズをとったのでしょう。
    スタンスといい背筋といい、男の子の元気さが表れている作品です。


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    左はドイツの画家、リチャード・ミュラー(Richard Muller/1874-1954)による1933年の作品「Rückenakt eines Knaben auf roter Matratze」
    右は1840年に描かれた作者不詳の作品ですが、たぶんアカデミーの生徒作品だと思います。

    人の後ろ姿は独立したオブジェのようでもあり、また背中側だからこそ伝えられる意図というのもあります。
    人によってそう大差のない背中ですが、それをどう造形するかは芸術家の技量といったところでしょうか。


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    モデルに助けられているところもありますが、構図的に見事な作品ですね。
    どちらも背筋を伸ばしており、腕から背中、そして脚にかけての流線形が美しい。

    左の少年が手にしているのは流木でしょうか?
    このS字型の姿勢には、まさに流木の如く余計なものがそぎ落とされた美を感じます。


    日本の古い慣用句には「顔で笑って心で泣く」という言葉があります。
    また、アニメ「ルパン三世」のテーマ曲の歌詞には「背中で泣いてる男の美学」という言葉が登場します。

    つまり人の心は背中に表れ、それは男性のほうが顕著である、と考えて良いのではないでしょうか。
    そして後ろ姿を描写した絵画や写真は、人の心を表現するひとつの手段である、と考えても良いのではないでしょうか。


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    書籍「Julien de 5 à 9 ans」

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    イタリアの写真家、マルコ・マッティウッツィ(Marco Mattiuzzi/生没年不明)の写真集「Julien de 5 à 9 ans」
    発行年はわかりませんでしたが、写っている物から察するに1970〜1980年代ではないかと思います。

    タイトルは訳すと「5歳から9歳までのジュリアン」となり、ようするに自分の子供の成長記録ですね。
    親にとって子供は最も身近な被写体であり、自分の子供をモデルに作品作りをしている写真家は少なくありません。

    今回は作者についての情報がまったく得られなかったので、家族写真について思うことを語ってみたいと思います。

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    【裸で遊ぶジュリアン君】

    子供の写真を最も多く撮影する人は言うまでもなく「親」であり、多くの家庭のアルバムには子供の日常が記録されています。

    日常の記録であれば、その中には裸のシーンも含まれるものです。
    朝の着替え、夏場のプール、入浴やお風呂上がりに裸ではしゃいだときなど、子供は肌をあらわにすることが日に何度もあるからです。

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    【パパの書斎にて】

    もちろん着衣の写真が一番多いのですが、それは布で隠れている状態でもあり、純粋な子供の記録とは言えません。
    言うなればせっかくの綺麗な花を包装紙で覆って撮影するようなものです。
    だから子供のいる多くの家庭では、「ありのままの成長記録」として裸の写真も残すわけです。

    ただし子供がある程度大きくなったときに、子供自身が幼い頃の裸の写真を嫌がるのであれば、親はそれを処分(削除)しなくてはなりません。
    人物写真は被写体の意思が何よりも尊重されるべきだからです。


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    Copyright : RUKA

    これは私の甥っ子4号君がまだ赤ちゃんや幼児だった頃の写真。
    この子の親や私が撮った写真には、お風呂上がりに裸のまま遊ぶシーンもありました。

    4号君が中学生になったとき、私はその子にこう言いました。
    「小さい頃の裸の写真、もしおまえが嫌だったら全部処分するからね」
    すると甥はこう応えました。
    「ダメだよ、ちゃんととっといてよ!大事な思い出なんだから!」

    愛情ゆえの健全な写真であるのなら、そして家族が互いに良い関係にあるのなら、子供は幼い頃の裸の写真を嫌ったりはしないものです。

    全国のパパさんママさん、お子さんへの愛情あふれる良い写真を残してあげましょう。
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    Le charmeur de lézards

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    スイスの彫刻家、ダニエル・ブルカール(Daniel Bourcart/1862-1887)による1885年の作品「Le charmeur de lézards」

    岩の上でフルートを演奏している少年。
    スイスのジュネーブにある「モン・ルポ公園」に設置されているブロンズ像です。

    タイトルはフランス語ですが「トカゲの魅惑」と訳せます。
    少年の斜め下に1匹のトカゲがいるのがお分かりでしょうか?
    トカゲの魅惑というよりは、この子の演奏にトカゲがウットリ聴き入っているようにも見えます。

    作者のダニエル・ブルカールに関しては情報が少なく、検索してもまったくわかりませんでした。
    大きな公園に設置されているくらいですから無名ではないと思いますが、世界的に有名な彫刻家というわけでもないんですね。

    しかも生没年を見ると、なんと25歳で亡くなっています。
    この像は彼の死後、姉のエリーゼ・ブルカールによって街に寄贈され、1903年にこの公園に設置されたそうです。

    裸の少年が吹くフルートは、どんな音色を奏でるのでしょう?
    できることなら聴いてみたいですね。


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    ダニエル・ブルカール作「Le charmeur de lézards」と、それと同じポーズの人間との比較。
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    広告の天使たち

    昔のレコードやCDのジャケットには、天使の姿、つまり裸の子供が写っているものが多々ありました。
    これについては過去に記事にしていますのでそちらをご覧ください。(該当記事 1) (該当記事 2)

    同じように、昔はテレビCMや雑誌広告に天使の姿が登場することは決して珍しくありませんでした。
    シャンプーやボディソープ、お風呂用オモチャのCMがお風呂シーンなのは当然ですが、裸とは無縁の商品であっても、無邪気、無垢、可愛らしさの象徴として登場することもありました。

    今回はそんな、エンジェルスタイルの子供の写真を使った古い広告をいくつかご紹介したいと思います。

    ほとんどが面白画像等を集めたサイトや掲示板にあったものですが、一部を除いて出典(元々の出所)がわかりません。
    あくまでも資料として紹介していますが、ここでの掲載に問題がある場合は削除しますのでご連絡ください。

    では新しいほうから順番に見ていきましょう。


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    これは広告ではなく雑誌の表紙ですが、「beauty」という女性向けファッション誌の2003年4月号。
    文字から察するにたぶんロシアの雑誌だと思います。
    4月から肌を出したモデルを登場させるなんて、あちらの女性誌は大胆ですね。

    手前の女の子もモデルのお姉さんに負けず劣らずの美人ちゃん。
    この子もプロのモデルでしょうか?

    子供に大人と同じ化粧を施したり着飾ったりしてミニ大人を作るという、いわゆる実年齢と見た目のギャップの妙を狙った広告は昔からありました。
    日本でも一時期、大人びた子供が持て囃された時期がありましたね。



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    松尾製菓「めざせまるきん もなかチョコ」の1985年の雑誌広告。
    キーホルダー付き金運まねき電卓、略して「金卓」が当たるそうです。

    書かれている文章からして小学生向け漫画雑誌の誌面だと思いますが、読者が子供だから裸もギャグにできたんでしょうね。
    「キンタク」と略しているのも、一文字違いの何かと掛けているんでしょう。

    一見単純なスナップに見えますが、持っている金卓の「金」の字がちゃんとこちらを向いていて、男の子の表情も良く、股間もシッカリ隠れている。
    撮影にはそれなりに時間がかかったんじゃないでしょうか。



    nvsh_baas_in_eigen_broek1980.jpg

    オランダの性的改革協会「NVSH」が1980年に発表した広告。
    NVSHは1946年にオランダで設立された、個人の性的解放と社会における性的条件の改善を目的としている組織だそうです。
    1960年代からは避妊具や避妊薬の品質および利用を向上させてきた功績があります。

    大人の性活動を支援する団体がなぜこんな広告を?と思いましたが、彼らは子供たちに性的な問題を考えるよう促す啓蒙活動もおこなっているんだとか。

    なるほど、この画像を最初に見たとき性教育ビデオのパッケージかと思いましたが、あながち見当違いではなかったんですね。
    なお、この広告(ポスター?)はオランダのアムステルダム国立図書館にもあるそうです。



    ad_gyunyusekken1979.jpg

    牛乳石鹸「ベビー石鹸・キューピーシャンプー」の1979年の雑誌広告。
    赤ちゃん用の商品なので母子が登場するのは当然としても、ママが西洋系で赤ちゃんがアジア系に見えるところはイメージ優先といった感じですね。

    赤ちゃんの足の間から股間が見えちゃってますが、これはべつに狙ったわけではなく、あえて隠す必要はないと判断したのだと思います。
    そういう時代でしたし、母親をターゲットとした広告ですからね。

    結果的には、デリケートな部分にも優しい商品であるとアピールできたのではないでしょうか。



    ad_elefanten_schuhe1974.jpg

    ドイツの靴メーカー「Elefanten Schuhe」の1974年の広告。
    太めちゃん、普通ちゃん、細めちゃんが靴だけを履いて立っています。

    その下の文章は訳すと『エレファンテンT3シューズは3種類の幅でご利用いただけます。子供の足は幅が違うからです。』となります。
    なんとこれ、子供靴だったんですね。
    体の太さと足の幅が比例するかどうかはわかりませんが、サイズの選択肢が多いのは良いことです。

    ところでこの子たち、なぜエンジェルスタイルなんでしょうか?
    そりゃあ服の宣伝でもなく帽子の宣伝でもなく、靴の宣伝だからでしょう。



    magazine_folk_report1970_11.jpg

    雑誌「folk report うたうたうた」の1970年冬の号の表紙。
    質素なデザインですが、写真はたぶん海外のナチュリストの子たちでしょう。
    この頃のフォークソングにありがちな「自由と平和」のイメージを象徴しているような写真ですね。

    調べてみたら、この本は1971年に大阪府警からワイセツと判断されたことがあったそうです。
    「この写真が?」と思ったらどうやらこの表紙は関係なく、中に掲載されていたジョン・レノンとオノ・ヨーコの全裸写真が違法とされたようです。

    当時は子供を猥褻物と見なす風潮はほとんどありませんでしたが、大人の下の毛には厳しかった時代でした。



    konkordia_gromitz.jpg
    (画像出典:Amazon.de)

    130年以上の歴史があるドイツの合唱団「コンコルディア」のレコード「Klingende Grüße Aus Grömitz」
    発売年がどこにも載っていなかったんですが、たぶん1960年代だと思います。(違っていたらスミマセン)

    以前の記事「アルバムジャケットの天使たち」にこれを含めなかったのは、アルバムではなかったから。
    シングル盤やドーナツ盤と言われていた小さめのレコードです。

    タイトルにあるGrömitz(グレーミッツ)とは、古くから知られているドイツのリゾート地のひとつ。
    ジャケットは表紙が船の上で歌っている合唱団の写真で、裏表紙がこの海岸の兄妹の写真です。
    収録されている曲とこの子たちには何の関係もありませんが、自由を満喫できるリゾート地だとアピールするのには最適な写真ですね。



    ad_cocomalt1934.jpg
    (画像出典:Cocomalt Ad Full of Naked Children (Nov, 1934)

    ドイツで販売されていた「ココモルト」という健康飲料の1934年の広告。
    ゴーグルをした裸の子供が寝そべっている写真が使われていますが、これは人工光を浴びているところ。
    この頃は戦争による日光浴不足のため、子供たちのビタミンD欠乏が懸念されていました。

    この商品はビタミンDを配合したチョコレート風味の粉末で、水に溶いて1日3回飲むだけでビタミンD不足を補ってくれるというものでした。
    当時の親子にとっては有難い商品だったのでしょう。

    それにしても、天使たちが外で自由に遊べなかったなんて、悲しい時代ですね。
    現代も別な理由で太陽の下から天使の姿が消えつつありますが、これも悲しいことですね。
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    レーネルト&ランドロックの写真作品

    lehnert_et_landrock-jeune_femme_nue_au_tambourin_tunisie_vers.jpg

    19世紀生まれのドイツの写真家、ルドルフ・フランツ・レーネルト(Rudolf Franz Lehnert/1878-1948)
    そして同じくドイツの写真家、エルンスト・ハインリッヒ・ランドロック(Ernst Heinrich Landrock/1978-1966)
    このふたりの共同制作による1910年頃の写真作品です。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Lehnert et Landrock - Jeune femme nue au tambourin, Tunisie, vers 1900-1910.jpg

    彼らのことは過去に一度記事にしていますので、経歴などはそちらをご覧ください。(該当記事)

    20世紀の初め、写真学校を卒業したレーネルトとランドロックはふたりで共同し「Lehnert et Landrock」という著作者名で数々の写真作品を発表しました。
    ふたりは1904年から1914年までチュニジアに滞在し、その間はチュニジアの女性をモデルとしたヌード写真を撮影しています。

    lehnert_et_landrock-033.jpg lehnert_et_landrock-040.jpg
    lehnert_et_landrock-jeune_fille_au_mirroir_afrique_du_nord_circa.jpg lehnert_et_landrock-061.jpg

    装飾品や小物類に凝り、ポーズも如何にもモデルといった感じで演出されています。
    写真の一部には署名も見えるので、ポストカード等の商品となった可能性もありますね。

    モデルは主に10代〜20代の女性ですが、中にはこのような10歳前後のモデルも見受けられます。
    しかしよく見ると上の4枚とも同じ子ですし、低年齢のモデルはそう多くはなかったようです。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Lehnert et Landrock - 033.jpg
    File:Lehnert et Landrock - 040.jpg
    File:Lehnert et Landrock - Jeune fille au mirroir, Afrique du Nord, circa 1910.jpg
    File:Lehnert et Landrock - 061.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    lehnert_et_landrock-les_trois_graces_tunisie_vers.jpg lehnert_et_landrock-jeunes_filles_a_la_jarre_tunisie_circa.jpg
    lehnert_et_landrock-deux_adolescentes_nues_vers.jpg lehnert_et_landrock-trois_jeunes_filles_fumant_le_narguile_circa.jpg

    この写真も4枚とも同じ少女たちですね。
    レーネルト&ランドロックの作品は、その数の割にはモデルの人数は少ないと言えます。

    当時ヌードモデルは一般的な職業ではなかったので、もしかしたら地元の女性たちに頼んでモデルになってもらっていたのかもしれません。
    当時の日本(明治43年頃)では「写真を撮られると魂を抜かれる」と、撮影されることを嫌う人も多かったそうですが、そういう意味ではチュニジアの女性のほうが新しいものに積極的だったと言えますね。

    チュニジアは北アフリカのマグリブに位置する共和制国家で、人口の98%がアラブ人。
    現在では女性の社会進出が著しく、アラブ世界で最も女性の地位が高い国となっているそうです。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Lehnert et Landrock - Les trois grâces, Tunisie, vers 1900-1910.jpg
    File:Lehnert et Landrock - Jeunes filles à la jarre, Tunisie, circa 1910.jpg
    File:Lehnert et Landrock - Deux adolescentes nues, vers 1915.jpg
    File:Lehnert et Landrock - Trois jeunes filles fumant le narguilé, circa 1920.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    タグ: Europa  少女  ♂♀  衣装  OldPhoto  CC-License  ProModel 

    Tireur d'arc

    joseph_antoine_gardet-tireur_darc.jpg

    フランスの彫刻家、ジョセフ・アントワーヌ・ガルデ(Joseph-Antoine Gardet/1861-1891)による1890年の作品「Tireur d'arc」
    タイトルは「弓矢の射手」という意味。

    上に向けているのは鳥を狙っているからでしょうか?
    それとも天に向かって矢を射るという古い物語でもあるのでしょうか?

    そんなに大きな作品ではないと思いますが、ディテールが細かいですね。
    手の先から足の先に至るまで、男性特有の筋肉の凹凸がしっかり表現されており、全体のバランスも見事。

    モデルの体形と作者の造形技術に感嘆できる作品です。
    とくに胸回りや足の筋肉はいかにも健康美といった雰囲気を醸しています。
    真ん中の小さい矢はちょっと頼りなさげですが、これは彫像なので仕方がないですね。


    作者のジョセフ・アントワーヌ・ガルデは1861年にフランスのパリで生まれました。
    弟は動物彫刻家として名高いフランスの彫刻家、ジョルジュ・ガルデであり、父親も同じく彫刻家でした。

    ジョセフはパリの国立美術学校に通い、ジュール・カヴリエやアイメ・ミレーの生徒として学びました。
    彼は1884年に大会で2位を獲得し、1885年には1位のローマ賞を受賞。
    これがきっかけとなり、1889年までイタリアのローマに滞在します。

    彼はフィレンツェのウフィツィ美術館にある古代彫刻「トルソ・デ・ファウノ」のレプリカを作ってパリの美術学校に寄贈するなど、イタリア滞在中にも精力的に活動しました。

    1890年にパリに戻った彼は、フランス芸術家協会に参加してすぐにサロンで作品を発表します。
    それがこの作品「Tireur d'arc」でした。

    彼は翌年の1891年に幼少期のキリストを題材とした「El sueño del Niño Jesús」という作品を発表しますが、同年2月24日、病気により30歳の若さで亡くなりました。


    joseph_antoine_gardet-tireur_darc_bw.jpg joseph_antoine_gardet-tireur_darc_like.jpg

    ジョセフ・アントワーヌ・ガルデ作「Tireur d'arc」と、それと同じポーズの人間との比較。
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    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
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    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
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    性別:男性
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    インターネット歴:21年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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