リアルなブグロー作品

    Bougereau flute sm

    まるでウィリアム・ブグローの絵画のような雰囲気・・・と思ったら、
    それもそのはず、作者によるとブグローの絵画を写真で再現したそうです。

    なるほど!これは素晴らしい!

    Bougereau flute sm
    Copyright : David Spiciarich
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)


    ちなみにオリジナルの絵画はこれ。

    william_adolphe_bouguereau-idylle_enfantine.jpg

    フランスの画家、ウィリアム・アドルフ・ブグロー(William Adolphe Bouguereau/1825-1905)による1900年の作品「Idylle Enfantine」

    上の写真、髪型もドレスもポーズも見事に再現していますね。
    きっと天国のブグローも喜んでいることでしょう。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:William-Adolphe Bouguereau (1825-1905) - A Childhood Idyll (1900).jpg
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    Peace

    edward_onslow_ford-peace.jpg

    イギリスの彫刻家、エドワード・オンスロー・フォード(Edward Onslow Ford/1852-1901)による1887年の作品「Peace」

    オリジナルは高さ約60cmの像で、1887年に王立アカデミーにて展示されました。
    その3年後に等身大のブロンズ像が制作され、現在その彫像はリバプールにある「ウォーカー・アート・ギャラリー」が所蔵しています。(上の写真)

    「平和」と題されたこの作品、少女が右手に椰子の枝、左手に鳩を持って立っています。
    彼女の足の下には兵士の武装品。
    戦いをやめて平和へ向かおうという願いが込められているんですね。

    平和の象徴として若者を描くことは多々ありますが、この作品は少女の柔らかな姿態に加え、張りのある植物や羽ばたく鳩をあしらうことで、万人に意図の伝わりやすい(わかりやすい)平和像となっています。

    世界にある平和像のほとんどは裸体像、または体の形がわかる薄着の姿をしています。
    それは裸であることが平和だという意味ではなく、人の精神を見える形で表現するのには裸体こそが最適だからです。
    そこから何を感じるかという受け手側の精神をも反映するのが、このような平和像というわけです。

    この作品はフォードが手掛けた最初の彫像のひとつでした。
    35歳のときの作品ですから、彫刻家としては遅咲きと言えるかもしれませんね。

    彼は1889年に美術品販売の店を開業します。
    人気アーティストの作品を一般大衆にも手頃な価格で提供するなど、英国の美術彫刻の普及にも貢献しました。

    詳しい経歴については過去の記事に書いてありますのでそちらをご覧ください。(該当記事)


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Edward Onslow Ford (1852-1901) - Peace (1887) front - Walker Art Gallery, Liverpool, May 2012 (7224847552).png
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    Hermaphroditus

    今回は作品をご紹介する前に、ある神の話をしたいと思います。

    ヘルマプロディートス(Hermaphrodītos)という神をご存知でしょうか?
    ギリシア神話に登場する神のひとりですが、なんと神話の世界でも大変珍しい、両性具有の神なのです。
    両性具有とは、ひとつの体に男性と女性の二つの性が混在していること。(どちらの性でもないという考え方もあります)

    ヘルマプロディートスはもともと男性でした・・・というより、絶世の美少年でした。
    父はオリュンポス十二神のヘルメース、母はアフロディーテという神界のサラブレッド。

    彼は15歳のとき、泉で水浴びしているときにサルマキスという名の精霊の女性に強姦されてしまいます。
    そのときサルマキスが彼とひとつになりたいと願ったため、ふたりの体が合体し、ヘルマプロディートスは両性具有者となったのでした。

    この物語は後の芸術家たちにインスピレーションを与え、ヘレニズム時代(紀元前3世紀から1世紀頃)には数体の彫像が制作されました。
    中でも取り分け有名なのが、パリのルーブル美術館が所蔵しているこの大理石像。

    sleeping_hermaphroditus.jpg hermafrodita.jpg

    紀元前2世紀頃に作られたとされる、眠れるヘルマプロディートスの像です。
    これはレプリカですが、オリジナルは1608年、ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会の建設時に敷地内にて発見されました。
    あまりにも古い作品なので、作者が誰なのかはわかっていません。

    敷かれているマットレスの部分だけは、イタリアの彫刻家、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini/1598-1680)が1619年に制作し、追加したものです。

    ご覧のように背中側は女性らしい柔らかな姿をしていますが、その股間には男性の象徴であるペニスと陰嚢が付いています。
    しかも亀頭が半分顔を出しており、少し元気な状態であることがうかがえます。

    彼の(彼女の)名誉のために言っておきますと、これは決してエッチな夢を見ているからではありません。男性は膀胱に尿が溜まったり、布で擦れるだけでも勃起します。
    15歳であれば尚更、当たり前の生理現象と言えるでしょう。


    anasyromenos_statuette.jpg

    こちらは別な作者によるもので、キプロス島で発見されたヘルマプロディートスの像。
    体形は完全に女性でありながら、股間には立派な男性器が付いています。

    勃起状態であることや、スカートをめくって中身を見せるポーズ(アナシロメノスポーズと呼ばれています)であることから、宗教的な意味合い、もしくはジョーク的な作品だったのだろうと思います。


    「両性具有」という言葉も、外見的に、内臓機能的に、精神的に、遺伝子的にと、様々な定義を以って語られる言葉ですが、ヘルマプロディートスのように手術やホルモン投与などをおこなわずに男性器と女性器の両方を有している人は、現在世界に6人ほどいるそうです。

    これが幸せなのか不幸せなのかは当人のみぞ知ることだと思いますが、古代ギリシアの哲学者プラトンは、自身の文学作品「饗宴」の中でこのようなことを述べています。

    『人間は元々両性具有的な存在であったが、神がこれを切断し、男と女に分けた。
     人間は元の姿に戻ることを願い、そのため男女の恋愛が生まれた。
     両性具有は、人間の本来の理想形である。』


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Sleeping Hermaphroditus-Louvre.jpg
    File:Hermafrodita 2.JPG
    File:Anasyromenos statuette, Rome art market.JPG
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    世界各地のキノコ像

    mushroom.jpg
    注:この記事はジョーク記事です。大きな心でご覧ください。

    皆さん、キノコは好きですか?
    英語ではMushroomと呼ばれ、世界中で愛されている食材のひとつ。

    キノコは菌類なので厳密には植物ではありませんが、一般家庭で野菜として扱われているので、この記事はカテゴリ「動植物」に含めました。

    私はキノコ料理は特別好きというほどではありませんが、キノコの形にはどことなくユーモアを感じます。
    これは世界中で共通する感情のようで、昔からキノコはひとつのキャラクターとして愛されてきました。



    【キノコという愛すべきキャラクター】

    fantasia_mushroom_dance.jpg

    これは1940年に劇場公開されたディズニー映画「ファンタジア」の一場面。
    チャイコフスキーの名曲「くるみ割り人形」に合わせ、キノコたちが可愛らしい踊りを披露しています。
    (ファンタジアはかなり古い作品なので、現在日本ではパブリックドメイン扱いとなっています)

    中国人に見立てているので今なら人種差別だと非難を浴びてしまいそうですが、笠をかぶった姿といい、手を服の袖にしまい込むポーズといい、昔の中国人のイメージ(というよりアジア民族のイメージ?)にマッシュルームをよくぞここまで近付けたなと、今更ながらディズニーのイマジネーションには関心させられます。

    音楽が「くるみ割り人形」なので、足下にクルミが二つあるともっと良かったかもしれませんね。

    キノコは頭の部分が大きく幼児のように見えるからか、日本のアニメやゲームにもキノコ型のキャラクターがよく登場します。
    例えばアニメ「ポールのミラクル大作戦」のキノッピー、ゲーム「スーパーマリオシリーズ」のキノピオなど。



    【コケシ型のキノコは人気が高い】

    matsutake.jpg

    キノコには傘の部分が大きく開いたものと閉じたものがあります。
    公園などでは傘状のキノコを模した休憩所をよく見かけますし、漫画やイラストではカエルがキノコを傘代わりに使うシーンもありますね。

    しかし多くの人が好むキノコの形といえば、やはり傘の部分があまり開いていないコケシ型だと思います。
    つまりこの松茸(マツタケ)のような形。

    松茸は傘が開いていない「つぼみ松茸」が最も高級だそうです。
    多くの日本人にこの形の松茸が好まれる理由は、味だけでなく形にもあるのではないでしょうか。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Matsutake.jpg
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    【キノコを模した商品は意外と多い】

    キノコは昔から食材としても、キャラクターとしても好まれていますが、それは形を模した商品が多いことからもわかります。

    kinoko_no_yama.jpg kinoko_kashitsuki.jpg
    kinoko_mimisen.jpg bhutan_sobsokha.jpg

    1枚目は日本の食品会社、明治が1975年から製造・発売しているお菓子「きのこの山」のパッケージ。
    チョコとスナックで可愛らしいキノコを再現した、味も形も美味しいロングセラー商品です。

    2枚目は中国製だと思いますが、キノコの形をした「卓上加湿器」
    LEDライトも点くそうで、インテリア的にも可愛いですね。
    先っぽから白い水蒸気を吹き出す姿はとってもファンタジー。

    3枚目は日本のメーカーが製造販売しているキノコ型の「耳栓」
    耳栓にも様々な形がありますが、穴に差し込むにはキノコのような形がベストなのでしょう。

    4枚目は南アジアのブータンのソブソカ(Sobsokha)という村の雑貨店で売られているキノコの置物。
    顔を彫って擬人化しているものが多いですね。
    キノコの神様でしょうか?

    画像出典:Amazon.co.jp
    画像出典:Bhutanese Penis Village



    【世界各地の巨大キノコ像】

    このようにキノコはたくさんの人に慕われているのですが、世界にはキノコの巨大オブジェを設置している国が少なくありません。

    さてどんなものがあるのか、世界各地のキノコ像を見ていきましょう。


    ♂ 日本

    japan-yamaguchi-mara_kannon.jpg japan-kanayama_shrine.jpg

    左の写真は山口県の長門市にある寺院「麻羅観音」の境内に設置されているキノコ像。
    戦国時代に滅ぼされた大内氏のひとり、幼くして殺された大内歓寿丸の霊を慰めるために建てられたそうです。

    願い事を唱えながら頭の部分をなでるとご利益が増すと言われています。
    ほとんどが木像か石像ですが、敷地内左手奥の祠には、願い事が書き込まれた陶器製の像が数多く奉納されています。

    画像出典:File:Mara-kannnon2017-06.jpg
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    そして右の写真は神奈川県川崎市の神社「金山神社」の社殿の横に設置されているキノコ像。
    金属製だそうで、黒く塗られているのでダース・ベイダーのような貫禄がありますね。

    ここで祀っている神様は鍛治の神であるとともに性の神でもあるため、子孫繁栄・夫婦和合・安産・下半身の傷病治癒などにご利益があるとされ、多くの人が訪れています。

    画像出典:ファイル:Kanayama-shrine.jpg
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    ♂ 中国・韓国

    china-Longwan_Shaman.jpg south_korea-haesindang_park.jpg

    左の写真は中国北部の長春市にある遊園地「龍湾シャーマン・アミューズメント・パーク」に設置されているキノコ像。
    スカイ・ピラー(空の柱)という名前で呼ばれている、高さが9メートルもある巨大な像で、コンクリートの柱を藁で包んだ構造となっています。

    傘が開いていたら巨大なパラソルですが、これは完全に巨大マツタケですね。
    彩られた塔に囲まれているので、祭壇のようにしっかり祀られているのだとわかります。


    そして右の写真は韓国の江原道三陟市にある公園「海神堂公園」に設置されているキノコ像。
    海に面している公園で、水族館、民俗資料館、植物園などとともにこのような彫像が展示されています。

    園内には顔を掘って擬人化したものや色彩豊かなもの、写実的なものなど様々な形状・大きさの像が約50体あります。
    これは光り輝いていて、かなり育ちの良いキノコですね。

    画像出典:Olympic Tourists Are Enchanted By South Korea’s Penis Park (NSFW)



    ♂ タイ・モンゴル

    thailand-chao_mae_tuptim.jpg mongol-harhorin_rock.jpg

    左の写真はタイ王国の首都バンコクにある「チャオ・メー・タプティム神社」の境内に設置されているキノコ像。
    祭壇の横に3メートル近い巨大な像があり、その周りに木製の小さな像が100体以上置かれています。

    巨大なものからピンク色に塗られたユーモラスなものまでいろいろ。
    神社の名前は、東南アジアの木の精霊であるチャオ・メー・タプティムにちなんで名付けられたそうです。

    画像出典:File:Chao Mae Tuptim-000.jpg
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    そして右の写真はモンゴルのウブルハンガイ県北西部の都市「カラコルム」に設置されているキノコ像。
    世界遺産、エルデネ・ゾー寺院の近くにある石像で、ハラホリン・ロックとも呼ばれています。

    台座にも玉にも模様が彫ってあり、側面には炎のような造形と、なかなかオシャレな作りですね。
    これだけ広大な平原に設置してあると嵐の時に雷が落ちたりしないかと心配になりますが、それはそれで荘厳な雰囲気を醸しそう。

    画像出典:File:The big fallos of Kharhorin - panoramio.jpg
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    ♂ オーストリア

    austria-traunkirchen.jpg austria-otscher_mountain.jpg

    左の写真はオーストリアの街「トラウンキルヒェン」にある礼拝堂近くのガーデンに設置されているキノコ像。
    高さ約2メートルの石像で、誇らしげに胸を張って立っています。

    個人の私有地に設置された像であり、近くに礼拝堂があるので地元では困惑したそうです。
    しかしこうして見ると、先の部分が人間の頭に見えるからでしょうか、まるでボスキャラのような存在感がありますね。
    よく見ると真ん中あたりに顔のような模様が彫られています。

    画像出典:Riesenphallus sorgt in Traunkirchen für Aufregung


    そして右の写真も同じくオーストリア。
    ニーダーエスターライヒ州にある「エチャー山」の山頂に設置されているキノコ像。
    眼下を眺めているかのようにそびえ立つ高さ1メートルほどの像ですが、じつはこれ、誰が設置したのかわかっていないそうです。

    標高1,893メートルのこの場所に運んでくるだけでも大変だったでしょうね。
    正式に設置されたものではないため、風によって倒れたり転落する可能性が高いのだとか。

    画像出典:the penis on the mountain, ötscher, austria



    ♂ オランダ・ドイツ

    nederland-amsterdam.jpg germany-dangast_beach.jpg

    左の写真はオランダの首都「アムステルダム」の歓楽街に設置されているキノコ像。
    両脇にボーリングの球のようなものが置かれ、全体が噴水になっています。

    色が赤いせいでしょうか、形がスッキリしているせいでしょうか、東洋のものとはちょっと違う洗練された雰囲気を感じます。
    スペースシャトルのような格好良さもありますし、小さければ部屋に飾っておきたいですね。

    画像出典:Ejaculating Penis Fountain


    そして右の写真はドイツのニーダーザクセン州の「ダンガスト」の海岸に設置されているキノコ像。
    花崗岩を使った石像で、彫刻家のエカート・グレンツァー(Eckart Grenzer/1943-2017)が1984年に制作しました。

    茎の部分が四角いキノコは初めて見ました。
    といってもあくまでもアート作品なので、実際にこういうキノコは無いでしょうけど。
    写真では小さく見えますが、高さは3.2メートルもあります。

    画像出典:So there's a penis statue on the coast of North Germany


    以上のように、巨大なキノコ像は世界のいたるところに存在します。

    それぞれの場所にはそれぞれの設置理由があるのでしょうが、共通しているのは、どれもその地域のシンボルであり、観光客の心を惹きつけているということ。
    やはりこの形には人々を魅了する何かがあるのでしょう。



    【身近なキノコ】

    snow_mushroom_and_boy.jpg sand_mushroom_and_boy.jpg
    (子供たちが雪や砂で作ったキノコ像)

    キノコは食用から毒のあるものまで数千種類もあると言われています。
    サルノコシカケのように柄の無いものやトリュフのように球形に近いものなどその形状は様々で、腹菌類のキノコのようにかなり奇抜な形のものもあります。

    しかし一般的に知られている矢印型のキノコは、その形の愛らしさがたくさんの人を魅了し、アニメキャラクターとなったり、グッズの形となったり、アート作品となったりするわけです。

    皆さんももし身近にキノコの形をしたものがあったら、それをじっくり鑑賞してみると良いでしょう。
    形を愛でることが、アートを楽しむひとつの方法だからです。
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    プリュショーの親子写真

    wilhelm_plueschow-untitled01.jpg wilhelm_plueschow-untitled02.jpg

    だいぶ前に母子ヌードの特集をしたことがありましたが(該当記事)、19世紀のドイツの写真家、ヴィルヘルム・フォン・プリュショー(Wilhelm von Plüschow/1852-1930)も同じようなテーマの作品を発表しています。

    左は父と息子で、右は母と娘でしょうか。
    どちらもそっくりな親子ですね。
    今から120年ほど前の1900年頃の作品で、タイトルは付けられていません。

    従兄弟のグレーデンの作品のように練り上げられた構図ではありませんが、プリュショーはモデルには恵まれていたようです。

    ところで、昔から「母子」のヌード作品はプロアマ問わずよく見るテーマですが、「父子」のヌードとなるとあまり見かけませんね、どうしてでしょう?

    まぁ母親は子を産んだ者としてその姿に愛着があるでしょうし、父親はどちらかと言うと写真を撮影する側ですからね。
    また女性と子供のペアのほうが万人受けするってことも、理由としてはあるんじゃあないでしょうか。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    Catalogue of Wilhelm von Plüschow's pictures
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    Das homerische Gelächter

    lovis_corinth-das_homerische_gelachter.jpg

    ドイツの画家、ロヴィス・コリント(Lovis Corinth/1858-1925)による1909年の作品「Das homerische Gelächter」

    作者の生い立ちや経歴については過去の記事をご覧いただくとして(該当記事)、今回はこの絵の解説だけをしていきたいと思います。

    画家ロヴィス・コリントが1909年に描いたこの作品はギリシア神話の物語。

    神話は幻想的な話ばかりだとお思いの方もいるでしょうが、じつはドロドロとした愛憎劇や過激な描写がたくさんあります。
    この絵もそんなワンシーンを描いたものです。

    美の女神であるアフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)は姿こそ絶世の美女ですが、性格はあまりよろしくないようです。
    アフロディーテには炎と鍛冶の神であるヘーパイストスという夫がいました。
    しかしアフロディーテはヘーパイストスの醜い容姿を嫌い、次第に他の男と浮気するようになりました。

    浮気の相手は主神ゼウスの息子、戦いの神アレース。(ローマ神話ではマルス)
    夫のヘーパイストスはゼウスの第一子なので、アレースはヘーパイストスの弟です。
    つまりアフロディーテは義理の弟と浮気していたんですね。

    アフロディーテは夫の留守中にたびたびアレースを招き入れては、ベッドの上でお熱い行為を楽しんでいました。

    この様子を天から見ていたのが太陽神ヘリオス。
    ヘリオスは二人の密会を夫のヘーパイストスに知らせます。
    この事実を知ったヘーパイストスは落胆しますが、同時に妻への激しい憎悪が芽生えてきました。

    しかし技術者であるヘーパイストスは妻を糾弾することなく、静かなる憎悪を抱きながらあるものを作り上げたのです。
    それはベッドの上に仕掛けた、目に見えない網を張り巡らした巧妙なトラップでした。

    後日ヘーパイストスは「仕事でしばらく家に戻れない」と言って家を出ます。
    アフロディーテは此れ幸いとばかりにさっそくアレースを家に呼び、ふたりで裸になってベッドの上で抱き合いました。

    しかしその途端、仕掛けられたトラップが発動!
    ふたりは見えない網に捕らえられ、まったく身動きが取れなくなってしまいました。
    もがけばもがくほど体に食い込み、裸のままどうすることもできません。

    帰宅したヘーパイストスはその光景を見て大いに怒りました。
    そしてここからが彼の復讐劇の始まりです。
    彼は伝令の神であるヘルメースに頼んで、オリュンポス十二神をこの場所に呼び集めたのでした。

    ヘーパイストスは十二神たちに「これから面白いものをご覧にいれましょう」と言い、アフロディーテとアレースの恥ずかしい姿を披露しました。
    十二神たちはみな、美の女神と戦いの神のあられもない姿に驚きますが、次第に笑いがこぼれてきました。

    その後拘束を解かれたふたり。
    アレースは恥ずかしさのあまり逃げるように立ち去り、アフロディーテも神々の失笑が木霊す中、去っていきました。
    ヘーパイストスは後に海の神ポセイドーンの仲介のもと、アフロディーテと離婚しています。


    物語ではオリュンポス十二神を呼び集めたとされていますが、このロヴィス・コリントの作品では天使や子供が多く描かれています。
    そりゃあ大人たちが「なんだなんだ!」と集まれば、子供だって寄ってくるでしょう。

    右端にはポカンとした表情の男の子がいて、下にいる幼児たちは興味なしといった様子。
    でも左端にいる12歳くらいの少年にはちょっと刺激の強い光景ですね。

    アフロディーテとアレースにとっては、子供たちに情事を見られたのはかなりの大ダメージ。
    せめてもの救いは、ふたりが裸で何をしていたのか、ほとんどの子がわかっていないというところでしょうか。
    ただし左上にいる、ニヤニヤ笑っている子鬼のような子だけは別として。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Lovis Corinth Das homerische Gelächter 1909.jpg
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    ラパ・ヌイ・ボーイズ

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    イースター島の伝統のお祭り、ラパ・ヌイ。
    ボディペイントをして、飾りも付けて、トイレにも行ったかい?
    あとは本番を待つばかり。

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    Copyright : nicolas troncoso.lópez
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    弓矢と褌

    以前書いた「キューピッドの弓矢」と題した記事では、最後に『手法による表現の違いはあれど、愛の神が人々の心に存在する限り、少年と弓矢の組み合わせはこれからも受け継がれていくのでしょう。』という言葉で締め括りました。(該当記事)

    たしかに弓矢を持ったアート作品はほとんどが少年です。
    弓矢を持った少女の像も存在するのかもしれませんが、私は見たことがありません。

    やはりその下地としてローマ神話の愛の神クピド(キューピッド)のイメージがあるからでしょう。
    19世紀に普及したポストカードやスタジオ写真には、小さな子供をクピドに見立てた作品が数多く見受けられます。

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    イギリスの写真家、ジュリア・マーガレット・キャメロン (Julia Margaret Cameron/1815-1879)による1867年頃の作品「Love in Idleness」

    弓矢を小道具として使った肖像写真ですが、ちょっと眠たそうですね。
    子供のコスプレ写真を撮影するスタジオは今もありますが、その走りみたいなものでしょうか。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Love in Idleness, by Julia Margaret Cameron.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    しかし弓矢を持った子供が全てキューピッドのイメージなのかと言うと、そうでもありません。

    postcard-two_naked_boys_hunting.jpg

    これは19世紀に発行されたポストカード。
    少年が弓矢を構えていますが、腰に褌(ふんどし)のような布を巻いており、どう見てもキューピッドではないですね。
    狩りをする野生の子というイメージで演出した写真でしょう。

    この写真のように褌姿の場合は弓矢を持っていてもそれはキューピッドではなく、多くはアメリカ大陸の先住民、つまりアメリカンインディアンをモチーフとした作品です。

    indian_boy01.jpg indian_boy02.jpg
    indian_boy03.jpg indian_boy04.jpg
    【弓矢と褌でインディアンに扮した少年】

    アメリカンインディアンにとって弓矢は狩猟の道具であり、武器でもあります。
    弓矢は旧石器時代から中石器時代にかけて現れた道具で、オセアニアを除いたほとんどの国の歴史に登場します。
    最も初期のものと思われる明確な痕跡はヨーロッパにあり、ドイツからは18,000年前の弓矢も発見されています。

    また、彼らが身に着けている褌は日本のものとは形が違い、腰に巻いたヒモに布を引っ掛けるタイプが多いようです。
    着脱が容易であり、狩猟においては日本の褌のような巻き付けるタイプよりも利便性が高かったのではないでしょうか。

    indian_hunter_and_his_dog.jpg
    【Indian Hunter and His Dog】
    Alexis Rudier Fondeur/1926年フランス

    画像出典:Indian Hunter and His Dog
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    西洋褌(ロインクロス)を身に着けて、洋弓(アーチェリー)を持っているというこのスタイルはアメリカンインディアンに由来したものですが、中にはこの組み合わせでありながらインディアンとは無関係の作品も存在します。

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    【褌姿で弓矢を持つ少年】

    左はフランスの写真家ジェレミー氏によるもので、右は詳細不明。
    どちらも小さめの褌を着用しており、左の子は弓を、右の子は矢を持っています。

    この写真のモチーフはキューピッドでもインディアンでもありませんね。
    弓矢と褌は単に勇ましさを引き立てるアイテムとして使っているのでしょう。

    弓矢も褌も古来より人々に愛用されてきた道具で、どちらもその歴史は有史以前にまで遡ります。
    アメリカ大陸、ヨーロッパ、アジアの多くの国々で人間の生活とともに歩み、その形を変えることなく今に至るアイテム。

    現代の生活にはどちらも馴染みの薄いものですが、絵画、彫像、写真に登場している場合は、そこから古い歴史を鑑みてみるのも良いのではないでしょうか。
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    大自然の家族

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    今年の夏は家族でどこへ行きましたか?
    日本にはなかなかこういう場所がないけれど、
    大自然の中での開放感は心と体の健康に最適!

    FKK Family fun
    Copyright : naked.hedonist
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    Knabe

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    ドイツの画家であり彫刻家である女性、マルギット・シェッシェル(Margit Schötschel/1933-2017)による1980年の作品「Knabe」

    Knabeとは、ドイツ語で少年を意味するちょっと古めの言葉だそうです。
    日本では子供を古い言い方で童(わらべ)と言いますが、そんなニュアンスかな?

    うつ伏せになって遊んでいる子が誰かに呼ばれて振り向いたような像ですね。
    このブロンズ像はドイツのベルリンにある動物園「ティアパーク・ベルリン」、バルニム郡の町ベルナウの老人ホーム、シュヴェリン地区の町ランコウにそれぞれ設置されています。

    地べたにそのまま置かれているわけではなく、花壇の中に植物とともに設置されています。
    花が咲き誇ると、ヤンチャな子が花壇に入ってしまったようにも見えるでしょうね。

    作者のマルギット・シェッシェルは建築家ヨハネス・ガブリエルの娘です。
    彼女は家族のために14歳ですでに農業の仕事に従事し、16歳で家政婦の見習いとなりました。
    その後、幼稚園の教師となるべく職業訓練を始め、19歳で教師の資格を得て、アイゼナハの児童施設に就職しました。

    そのころ彼女は独学でアートを学んでおり、1954年から1960年まではドイツの彫刻家ハイリッヒ・ドレイクやワルデマール・グルジメクの作品から多くを学びます。
    結婚後は夫と共にベルリンのビジュアルアーティスト協会に参加し、フリーランスのアーティストとして活動しました。

    1979年に彼女は10代のモデルサークルを設立し、ディレクターを務め、主に障害者の人々と働き始めます。
    彼女のサークルはクリエイティブなワークショップに発展し、広く知られることとなりました。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Tierpark Berlin 250-355.JPG
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    ところで・・・
    この作品のように地面に直接寝転がっている彫像は公園内であっても珍しいと思うのですが、詳細不明ながらこのような像もありました。

    unknown_statue_sleeping_girl.jpg

    これはブロンズでしょうか石でしょうか?女の子が地面に仰向けに横たわっている像です。
    目が開いているようにも見えるので、眠っているのではなく寝転がって遊んでいるシーンでしょうね。
    詳細不明とは言っても私が知らないだけですので、もしかしたら有名な作家の作品なのかもしれません。

    マルギット・シェッシェルのうつ伏せの男の子像も、この仰向けの女の子像も、作者は無邪気に遊んでいる子供の様子を表現したに違いありません。
    しかし見る人によっては、あるいは伝え方によっては、誤解を受けそうな作品であるようにも感じます。

    とはいえ、アートはある意味、見る者の心の内を映す鏡のようなものですから、子供たちが遊ぶ公園にはこのようなリトマス試験紙のような像があったほうが良いのかもしれません。
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    Author:RUKA


    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログでは天使や子供をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
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    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:22年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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