動物と天使たち

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    動物は服で身を隠すことなく、いつも真の姿を見せています。
    だったら子供たちも動物たちの前では対等になりましょう!天使になりましょう!

    自然との一体感。
    動物とのコミュニケーション。
    動物と子供が一緒にいるところを表現した、絵画、彫像、写真作品をご紹介します。


    【犬と天使】

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    絵画
    「Boy with a Dog」(1895年・ロシア)
     ヴィクトル・ボリソフ=ムサトフ (Victor Borisov-Musatov/1870-1905)

    彫像
    「Shepherd Boy」(1817年・デンマーク)
     ベルテル・トーヴァルセン (Bertel Thorvaldsen/1770-1844)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳



    【猫と天使】

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    絵画
    「A Venetian Bather」(1889年・カナダ)
     ポール・ピール (Paul Peel/1860-1892)

    彫像
    「The Cat and the Mouse」(制作年不明・イタリア)
     ジェズアルド・ガッティ (Gesualdo Gatti/1855-1893)

    写真
    書籍「Boyhood Australia」より(1992年・イギリス)
     ジョージ・ヒューズ (George Hughes/生年不明)



    【鳥と天使】

    jon_boe_paulsen-dancing_with_birds.jpg

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    絵画
    「Dancing with Birds」(制作年不明・ノルウェー)
     ジョン・ボー・パウルセン (Jon Bøe Paulsen/1958- )

    彫像
    「Ganymede」(1540年・イタリア)
     ベンヴェヌート・チェッリーニ (Benvenuto Cellini/1500-1571)

    写真
    書籍「Sonnenfreunde」56号より(ドイツ)
     作者不詳



    【馬と天使】

    pablo_picasso-boy_leading_a_horse.jpg axel_wallenberg-boy_with_a_horse.jpg

    horse_and_boys.jpg

    絵画
    「Boy Leading a Horse」(1906年・スペイン)
     パブロ・ピカソ (Pablo Picasso/1881-1973)

    彫像
    「Boy with a Horse」(1956年・スウェーデン)
     アクセル・ウォレンバーグ (Axel Wallenberg/1898-1996)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳



    【ロバと天使】

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    絵画
    「A Vén Szamár」(制作年不明・ハンガリー)
     デア・アルテ・エセル (Der alte Esel/生没年不明)

    彫像
    「The Donkey Rider」(制作年不明・ドイツ)
     アウグスト・ガウル (Georg August Gaul/1869-1921)

    写真
     タイトル不明
     作者不詳


    以上、動物と子供をモチーフとしたアート作品でした。
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    タグ: Europa  少年  少女  ♂♀  彫像  絵画  OldPhoto 

    Boiler

    max_ant-boiler_2019.jpg

    ロシアの画家、Max Ant (1983- )による2019年の作品「Boiler」

    横100cm縦155cmのキャンバスに描かれた油彩で、ジャンルとしては前衛美術。
    自然の中で遊ぶ4人の少年を描いた、原色を生かした鮮やかな作品です。

    じつは先日、この作品の作者であるMax Antさんからメールをいただきました。
    Angel Gardenへの掲載を希望しており、私も良い作品だと思ったのでこうして掲載いたしました。

    作者のMax Antさんはロシアのモスクワに住むアーティスト。
    詳しいことはわかりませんが、油彩技術の仕事をし、木と骨の彫刻を制作しているそうです。

    この作品についてはMax Antさんがこのように解説しています。
    『インスピレーションの源は、子供の頃に戻りたいという願望を象徴した夢の中のビジョンでした。カルデラは解放、純粋さ、無邪気さの象徴であり、地球上のあらゆる制限から自由になりたいという、人類の最も大切な願いを象徴しています。』

    なるほど、背景はカルデラでしたか。(カルデラ:火山の活動によってできた大きな凹地)
    だからタイトルがボイラーなんですね。

    青い空がある、火山がある、カルデラがある、裸の少年たちがいる・・・でもリゾートの風景ではない。
    様々な意味を含んだメッセージと捉えると、非常に興味深い絵ですね。

    Max Antさんの作品はこちらでご覧になれます。
    【Painter Max Ant】
    Copyright : Max Ant

    購入もできますので、気に入った方はお買いになってはいかがでしょうか。

    Max Antさん、作品のご紹介ありがとうございました。
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    タグ: Europa  少年  ♂♀  Water  絵画 

    Jeune adolescent au bord d'une Fontaine

    michel_martin_drolling-jeune_adolescent.jpg

    フランスの画家、ミシェル・マーティン・ドローリング(Michel Martin Drolling/1786-1851)による作品「Jeune adolescent au bord d'une Fontaine」

    タイトルは「噴水の端にいる10代の若者」という意味ですが、噴水は描かれていませんね。
    しかし噴水という言葉から、公園のように人によって作られた場所であることがわかります。
    神話を題材とした絵ではないので、19世紀初期にはこのような光景が見られたということでしょう。
    もしかしたら作者が実際の公園にモデルを配して描いたのかもしれませんね。

    ヘアースタイルも綺麗に整ったこの少年。
    自分の足下を見つめて何をしているのでしょうか?
    自分の美しさにうっとりしているのでしょうか?
    肉付きから察するに、決して貧しい家庭の子では無いように思えます。


    作者のドローリングは1786年にフランスのパリで生まれました。
    父親も画家であったため、父親から絵画を学び、1806年からは画家のジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David/1748-1825)の弟子となりました。

    1810年に彼の作品がローマ賞を受賞。
    奨学金により1811年から1816年までローマに滞在し、1817年にパリのサロンに出展した作品で一躍有名になりました。
    その後はルーブル美術館の天井画やヴェルサイユ宮殿の装飾画も手掛けています。

    彼は1837年にフランス美術院のメンバーに選ばれ、国立高等美術学校エコール・デ・ボザールの教授に任命されました。
    新古典主義の画家として、多くの若き芸術家を育てたそうです。
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    タグ: Europa  少年  Water  絵画 

    Sitting Boy

    christen_kobke-sitting_boy.jpg

    デンマークの画家、クリスチャン・ケプケ(Christen Købke/1810-1848)による1833年の作品「Sitting Boy」

    典型的なヌードモデル絵画ですが、背景が殺風景なせいでしょうか、どことなく雰囲気が暗いですね。
    最初は作者が息子を描いたのかと思いましたが、作者はこのとき23歳で独身なので、モデルを雇ったのでしょう。

    箱の上に座っているだけとはいえ、このポーズは意外としんどいかもしれません。
    しかし美術モデルは芸術に貢献できる立派なお仕事。
    親から授かった体を作品という形で後世に残せるのは素晴らしいことですね。

    作者のケプケはコペンハーゲンにて、11人兄弟のひとりとして生まれました。
    11歳の時にリウマチ熱という病気になり、将来は体に負担の少ない仕事をと、画家になることを決意します。
    12歳で美術学校の初等クラスに通い始め、1827年からは人物画の教室で学びました。

    1828年からは画家のクリストファー・ヴィルヘルム・エッカースベルグ(1783-1853)の下で4年間修行し、画家として大きく成長を遂げます。
    1831年と1833年の2回、展覧会で銀メダルを獲得。
    王立美術コレクションにより2つの作品が買い上げられ、現在その作品はデンマークの国立美術館が所蔵しています。

    彼は1833年まではコペンハーゲンのカステレットという地域に住んでおり、地元の絵を多く描きました。
    この絵のモデルもその地域に住んでいた少年かもしれませんね。

    1838年からはイタリアに留学し、1840年に帰国。
    その後父親が死去してからは苦しい生活を強いられ、美術アカデミーの会員になる事もかなわなかったそうです。
    1848年に肺炎により37歳で亡くなりました。
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    タグ: Europa  少年  ♂♀  絵画 

    横たわり上半身を起こすポーズ

    人体を描いたアート作品を眺めていると、よく目にする構図があります。
    それは人物が横になっている姿。

    アングルの名作「グランド・オダリスク」に代表されるように、裸婦の寝姿(横たわる姿)はしばしば美術作品のテーマとされてきました。
    その中でも今回とり上げるのは、眠る姿ではなく、横たわって上半身を起こしている姿です。


    【絵画作品】

    ingres-la_grande_odalisque.jpg guido_reni-reclining_venus_with_cupid.jpg

    左はフランスの画家、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(Jean-Auguste-Dominique Ingres/1780-1867)による1814年の作品「La Grande Odalisque」
    右はイタリアの画家、グイド・レーニ(Guido Reni/1575-1642)による1639年の作品「Reclining Venus with Cupid」

    アングルのグランド・オダリスクは最初に展示された当時、その伸長されたプロポーションに批判が集まりました。
    背中の骨が2,3本多いとも揶揄されましたが、近年の研究ではこのゆがみはアングルが故意におこなったものだという解釈が成されています。

    グイド・レーニの作品は非常にほのぼのとした、室内でヴィーナスとクピドが戯れる情景。
    ヴィーナスがクピドの矢を眺めていますね。
    母と子のくつろぎの時間といったところでしょうか。(ヴィーナスとクピドは親子です)

    画像出典:
    File:Jean Auguste Dominique Ingres, La Grande Odalisque, 1814.jpg
    File:Guido Reni - Reclining Venus with Cupid - WGA19312.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン



    【彫刻作品】

    louis_nicolas_adolphe_megret-solitude.jpg just_andre_francois_becquet-la_seine_a_sa_source.jpg

    左はフランスの彫刻家、ルイ・ニコラス・アドルフ・メグレ(Louis Nicolas Adolphe Mégret/1829-1911)による1901年の作品「Solitude」
    右はフランスの画家、ジュスト・アンドレ・フランソワ・ベッケ(Just André François Becquet/1829-1907)による1900年の作品「La Seine à sa Source」

    Solitudeとは「孤独・独りぼっち」という意味。
    手を前に突き、自分の足元をぼんやり見つめる姿からは寂しい雰囲気が漂っています。

    La Seine à sa Sourceとは「セーヌ川の源流」という意味。
    この女性はセーヌ川の女神で、場所はセーヌ川の上流。
    つまりセーヌ川の源流はこの壺から溢れ出ているのだという、神話をモチーフとした作品です。

    画像出典:
    Louis Nicolas Adolphe Mégret (1829-1911) - Solitude (1901)
    Just André François Becquet (1829-1907) - La Seine à sa Source (1900)
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    ここまで読んで「あれ?Angel Gardenは天使と子供を紹介するブログだよね?」と思った方、そのとおり!
    上の4作品は天使でも子供でもないので、Angel Gardenのテーマとは一致しませんね。

    じつは子供をテーマとした作品でこのポーズのものって、驚くほど少ないんです。
    しかしなんとか探してみましたら、1作品見つかりました。

    unknown-liegender_knabe_front.jpg unknown-liegender_knabe_back.jpg

    それがこの大理石像。
    残念ながら作者名、制作年ともに不明です。

    上のルイ・ニコラス・アドルフ・メグレの裸婦像と完全に一致するポーズですが、こちらは小さな男の子。
    もたれ掛かるように手をついたこのポーズは女性像では定型とも言えますが、少年像では非常に珍しいと思います。

    写真自体は1840年から1860年にかけてドイツで撮影されたものらしいので、この像もその頃のドイツの彫刻家によるものではないでしょうか。

    画像出典:Marmorfigur "Liegender Knabe" – Vorderansicht
    ライセンス:パブリックドメイン


    ちなみに、写真作品には子供がモデルでこのポーズのものは存在するのかと言いますと、じつは存在します。
    日本の写真家、清岡純子さんが1981年に発表した作品には、13歳の少女がこのポーズをしているシーンがあります。

    1981年の週刊誌「平凡パンチ」に、上のルイ・ニコラス・アドルフ・メグレの作品「Solitude」によく似たポーズが、1982年のフジアート出版発行の写真集に、上のグイド・レーニの作品「Reclining Venus with Cupid」によく似たポーズが、それぞれ掲載されました。(残念ながら画像は紹介できません)

    どちらも髪の長い13歳の少女が砂浜で横たわっている写真でしたが、絵画や彫像を真似たわけではないでしょう。
    ヴィーナスのような少女が自然の中で自然体で振る舞ったとき、それは極めて自然にとられたポーズだったのだろうと思います。


    昔から横たわる女性は山脈に例えられ、人物描写でありながら風景画にも似た雄大さを感じさせます。
    また起伏のある山並みは女性の寝姿に例えられ、それにちなんだ名前を付けた山も少なくありません。

    横になり上半身を起こしたこのポーズは、女性の内面を表現するものとして昔から用いられてきました。
    アングルの「La Grande Odalisque」ではの憂いが、グイド・レーニの「Reclining Venus with Cupid」では楽しさが、メグレの「Solitude」では寂しさが、ベッケの「La Seine à sa Source」では優雅さが、それぞれ醸し出されています。

    季節により様々に表情を変える山並みの如く、このポーズは様々な感情を表現できるポーズとも言えそうです。
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    The Morning

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    ロシアの画家、ミハイル・イリーン(Michail Il'in/1959- )による1993年の作品「The Morning」

    油彩でしょうか水彩でしょうか?とても優しいタッチの絵ですね。

    夏の朝、庭先に出ると草木の枝に蝶が止まっていた。
    少年は思わず近づき、そうっと手を差し伸べた。

    海外では夏場に子供が全裸で寝ることは珍しくないので、裸の少年はある意味、夏の季語とも言えますね。
    もしかしたらフィクションではなく、作者が実際に見た情景かもしれません。
    蝶も男の子の一部が芋虫に見えて、親近感を感じたりして。(^^)

    作者のミハイル・イリーンはロシアのスヴェルドロフスク州の生まれ。
    1976年に美術学校を卒業し、1978年に地元のアート・カレッジに入学。
    1980年までモスクワで絵画を学び、1981年から1983年までスヴェルドロフスクのドラマシアターで働きました。

    1986年からは高校の美術講師を務め、翌年にはベルニサージュ芸術家協会の創設者のひとりとなりました。
    1990年代以降は国際プロジェクト「トランスリアリズム:ロシア-ドイツ」を主導し、1994年以降はギャラリー「L」の芸術監督を務めています。

    彼の作品は西ヨーロッパ、アラブ首長国連邦、イスラエル、ロシアの美術館にて展示されています。
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    タグ: Europa  少年  ♂♀  絵画 

    リアルなブグロー作品

    Bougereau flute sm

    まるでウィリアム・ブグローの絵画のような雰囲気・・・と思ったら、
    それもそのはず、作者によるとブグローの絵画を写真で再現したそうです。

    なるほど!これは素晴らしい!

    Bougereau flute sm
    Copyright : David Spiciarich
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)


    ちなみにオリジナルの絵画はこれ。

    william_adolphe_bouguereau-idylle_enfantine.jpg

    フランスの画家、ウィリアム・アドルフ・ブグロー(William Adolphe Bouguereau/1825-1905)による1900年の作品「Idylle Enfantine」

    上の写真、髪型もドレスもポーズも見事に再現していますね。
    きっと天国のブグローも喜んでいることでしょう。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:William-Adolphe Bouguereau (1825-1905) - A Childhood Idyll (1900).jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    Das homerische Gelächter

    lovis_corinth-das_homerische_gelachter.jpg

    ドイツの画家、ロヴィス・コリント(Lovis Corinth/1858-1925)による1909年の作品「Das homerische Gelächter」

    作者の生い立ちや経歴については過去の記事をご覧いただくとして(該当記事)、今回はこの絵の解説だけをしていきたいと思います。

    画家ロヴィス・コリントが1909年に描いたこの作品はギリシア神話の物語。

    神話は幻想的な話ばかりだとお思いの方もいるでしょうが、じつはドロドロとした愛憎劇や過激な描写がたくさんあります。
    この絵もそんなワンシーンを描いたものです。

    美の女神であるアフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)は姿こそ絶世の美女ですが、性格はあまりよろしくないようです。
    アフロディーテには炎と鍛冶の神であるヘーパイストスという夫がいました。
    しかしアフロディーテはヘーパイストスの醜い容姿を嫌い、次第に他の男と浮気するようになりました。

    浮気の相手は主神ゼウスの息子、戦いの神アレース。(ローマ神話ではマルス)
    夫のヘーパイストスはゼウスの第一子なので、アレースはヘーパイストスの弟です。
    つまりアフロディーテは義理の弟と浮気していたんですね。

    アフロディーテは夫の留守中にたびたびアレースを招き入れては、ベッドの上でお熱い行為を楽しんでいました。

    この様子を天から見ていたのが太陽神ヘリオス。
    ヘリオスは二人の密会を夫のヘーパイストスに知らせます。
    この事実を知ったヘーパイストスは落胆しますが、同時に妻への激しい憎悪が芽生えてきました。

    しかし技術者であるヘーパイストスは妻を糾弾することなく、静かなる憎悪を抱きながらあるものを作り上げたのです。
    それはベッドの上に仕掛けた、目に見えない網を張り巡らした巧妙なトラップでした。

    後日ヘーパイストスは「仕事でしばらく家に戻れない」と言って家を出ます。
    アフロディーテは此れ幸いとばかりにさっそくアレースを家に呼び、ふたりで裸になってベッドの上で抱き合いました。

    しかしその途端、仕掛けられたトラップが発動!
    ふたりは見えない網に捕らえられ、まったく身動きが取れなくなってしまいました。
    もがけばもがくほど体に食い込み、裸のままどうすることもできません。

    帰宅したヘーパイストスはその光景を見て大いに怒りました。
    そしてここからが彼の復讐劇の始まりです。
    彼は伝令の神であるヘルメースに頼んで、オリュンポス十二神をこの場所に呼び集めたのでした。

    ヘーパイストスは十二神たちに「これから面白いものをご覧にいれましょう」と言い、アフロディーテとアレースの恥ずかしい姿を披露しました。
    十二神たちはみな、美の女神と戦いの神のあられもない姿に驚きますが、次第に笑いがこぼれてきました。

    その後拘束を解かれたふたり。
    アレースは恥ずかしさのあまり逃げるように立ち去り、アフロディーテも神々の失笑が木霊す中、去っていきました。
    ヘーパイストスは後に海の神ポセイドーンの仲介のもと、アフロディーテと離婚しています。


    物語ではオリュンポス十二神を呼び集めたとされていますが、このロヴィス・コリントの作品では天使や子供が多く描かれています。
    そりゃあ大人たちが「なんだなんだ!」と集まれば、子供だって寄ってくるでしょう。

    右端にはポカンとした表情の男の子がいて、下にいる幼児たちは興味なしといった様子。
    でも左端にいる12歳くらいの少年にはちょっと刺激の強い光景ですね。

    アフロディーテとアレースにとっては、子供たちに情事を見られたのはかなりの大ダメージ。
    せめてもの救いは、ふたりが裸で何をしていたのか、ほとんどの子がわかっていないというところでしょうか。
    ただし左上にいる、ニヤニヤ笑っている子鬼のような子だけは別として。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Lovis Corinth Das homerische Gelächter 1909.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    NUTIDA KONST

    carl_larsson-nutida_konst.jpg

    スウェーデンの画家、カール・ラーション(Carl Larsson/1853-1919)による1889年の作品「NUTIDA KONST」

    カール・ラーションについては過去に一度記事にしていますので、生い立ちや経歴についてはそちらをご覧ください。(該当記事)

    この作品は1889年、フランスのパリ万国博覧会に出展された絵画の中のひとつです。
    タイトルのNUTIDA KONSTとは英語で言うとContemporary Art、つまり「現代美術」という意味。
    当時としてはモダンであり前衛的であり、これこそが現代美術だと言わんばかりに自由な面白さが詰め込まれています。

    バルコニーのようなところで女性がヌードモデルをしていて、それを画家がスケッチしているという場面。
    これ自体は何ら珍しいことではありませんが、女性の髪型がすでに現代アートしていますね。
    女性は椅子の背もたれに腰を下ろし、一段高いところから画家を見下ろしています。
    画家の手首を掴んで蔑むような視線を投げかけているところは、女性の地位向上の表現でしょうか?

    すぐ横では裸の少年がこの絵のタイトルを掲げています。
    絵の中にタイトルが描かれていること自体、当時としては新しかったのでしょうが、それよりも面白いのは奥の庭で花をスケッチしている人物です。

    なんとチョンマゲをしている日本人が描かれています。

    この絵が描かれた1889年は明治22年。
    日本では明治4年に明治政府が「散髪脱刀令」を布告し、明治6年には明治天皇も散髪をおこない、それ以降、髷(まげ)を結った日本人は激減しました。(散髪脱刀令は髷を禁止するのではなく、髪型を自由にして良いという布告でした)

    明治22年にはチョンマゲの日本人はほとんどいなかったはずなので、これは日本の浮世絵などを参考にして描いたのでしょう。
    と言うのも、作者のカール・ラーションは大の日本通で知られていました。
    これについても過去の記事で書いていますが、彼の家には日本の美術品が飾られており「日本は芸術家としての私の故郷である」とも述べていたそうです。

    時代を先取るモダンな祭典、万国博覧会に古い日本人の姿が現代アートとして登場しているというのは、我々日本人からすると奇妙であり、興味深いことですね。

    ちなみに日本人の隣にいるカンカン帽を被った人物はラーション本人で、右端の背景にはこの頃建設中だったエッフェル塔が描かれています。
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    タグ: Europa  少年  絵画 

    Jeune garçon portant un flambeau

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    フランスの画家、アビル・デ・プジョル(Abel de Pujol/1785-1861)によるデッサン作品「Jeune garçon portant un flambeau」

    制作年は不明ですが、たぶん作者の美術学校時代の習作でしょう。
    美術の基本とも言うべき人物デッサン。
    その形がシッカリと描かれており、右腕の横に見られる薄い線からは腕の位置に悩んだ様子もうかがえます。

    手に持っているのは松明(たいまつ)でしょうか?
    古代ギリシアのオリンピックをイメージしているのかもしれません。
    なんとなく顔が千原ジュニアに似ているような気もしますが、上半身の筋肉の発達具合は立派ですね。

    余談ですが、この頃の美術学校のヌードモデルは仕事として学校と契約していたのでしょうか?
    それとも教師が自分の子や知り合いのお子さんに謝礼を払ってモデルになってもらっていたのでしょうか?
    このへんの事はそのうちきちんと調べてみたいと思います。


    作者のアビル・デ・プジョルは、1785年にフランス北部の都市バランシエンヌで生まれました。
    アカデミーではジャック・フランソワ・モマルの生徒となり、卒業後はパリでジャック=ルイ・ダヴィッドの弟子となりました。

    1811年にはローマ賞を獲得し、その後はパリのルーブル宮殿の大階段の天井画、フォンテーヌブロー城のダイアンギャラリー、ブロンニャール宮殿の天井画を手掛けました。
    また、パリのブルボン宮殿やサンシュルピス教会の礼拝堂のフレスコ画も担当しています。

    彼は1814年にマリーという女性と結婚し、4人の息子をもうけます。
    息子はそれぞれ、歴史画家、名誉軍団の騎士、中等教育機関の教授、芸術省の事務局長となりました。

    プジョルは1861年に76歳で死去し、現在はバランシエンヌのサン・ロック墓地に埋葬されています。
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    いらっしゃいませ

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    RUKA

    Author:RUKA


    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログでは天使や子供をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
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    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:22年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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