L'Amour Dominateur du Monde

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    フランスの彫刻家、ジャン・バティスト・ポール・カベ(Jean Baptiste Paul Cabet/1815-1876)による1857年の作品「L'Amour Dominateur du Monde」
    フランスのコートドールにあるディジョン美術館が所蔵しています。

    この子はローマ神話に登場する愛の神アモル(クピド)
    足下に鳩がいて、手に松明を持っています。
    胸回りの筋肉が発達しているのはいつも弓を引いているからでしょうか?
    下半身も少しは鍛えたほうが良さそうですね。

    作者のポール・カベはフランスのニュイ・サン・ジョルジュ生まれの彫刻家。
    1834年にディジョンの美術学校の実習生となり、画家のジャン=クロード・ナイジョンや彫刻家のピエール=ポール・ダルボワの下で学び、翌年にエコール・デ・ボザールに入学。
    1835年にサロンにて胸像を発表し、彫刻家としてのデビューを果たしました。

    彼は彫刻家フランソワ・リュード(François Rude/1784-1855)の生徒であり弟子でした。
    1843年に師匠のリュードが健康上の理由によりイタリアに移った時、彼はリュードのスタジオの責任者となりました。

    1846年にロシアに亡命し、聖イサアク大聖堂のレリーフを含むいくつかの作品を作りましたが、1852年にはフランスに戻り、翌年に結婚。
    その後1855年の博覧会や1861年のサロンにて、1等と2等のメダルを獲得しています。

    1857年に完成したこのアモルの大理石像は、じつは最初は師匠であるフランソワ・リュードが手掛けたものでした。
    リュードが1855年に亡くなったため、作品のいくつかをカベが仕上げたのです。
    そのためこの作品は、作者名の記載がフランソワ・リュードかポール・カベのどちらか一方である場合が見受けられます。

    ポール・カベは1868年にフランスの名誉勲章を受章し、騎士の称号を与えられました。
    しかし1876年10月23日に自宅にて死去。
    現在はパリのモンパルナス墓地に埋葬されています。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:L'Amour dominateur du monde (François Rude).JPG
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    Stehender Knabenakt / Narziss

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    ドイツの彫刻家、ルドルフ・アレクサンダー・アグリコラ(Rudolf Alexander Agricola/1912-1990)による1937年の作品「Stehender Knabenakt」と、1970年の作品「Narziss」
    作者は老若男女、様々な人物を造形した彫刻家ですが、ここでは少年像を取り上げてみます。

    「Stehender Knabenakt」は高さ約60cmのブロンズ像。
    モデルは12歳以下でしょうか?
    腰回りが華奢であまり美しい体形とは言えませんが、リアルな作品です。

    「Narziss」は高さ約94cmのブロンズ像。
    Narzissとはギリシア神話に登場する自己愛の少年、ナルキッソスのことです。
    こちらは隠毛があるので13歳以上でしょうね。

    一般的には右のような、各部位の筋肉の形がハッキリと出ていてそれでいて引き締まっているプロポーションを「良い体」とするのでしょうが、美しさや奥深さと言った場合は人によって見解が割れるでしょうね。
    このへんが美術の面白いところです。

    作者のアグリコラは1912年、モスクワに移住したドイツ人夫婦の2番目の子として生まれました。
    第一次世界大戦が勃発して家族はドイツに戻り、アグリコラはそこで学校に通い、芸術家の道を志しました。

    1932年にギービヒェンシュタインにてゲルハルト・マルクスに学び、1933年にはフランクフルトにてリチャード・シェーベに学びます。
    そして1937年にベルリンの美術アカデミーへと進みました。

    彼は彫刻家のゲオルグ・コルベ(Georg Kolbe/1877-1947)やアリスティド・マイヨール(Aristide Bonaventure Jean Maillol/1861-1944)の影響を受けており、特にヌード作品を多く手掛けました。

    【A G R I C O L A | Künstler】
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    横たわり上半身を起こすポーズ

    人体を描いたアート作品を眺めていると、よく目にする構図があります。
    それは人物が横になっている姿。

    アングルの名作「グランド・オダリスク」に代表されるように、裸婦の寝姿(横たわる姿)はしばしば美術作品のテーマとされてきました。
    その中でも今回とり上げるのは、眠る姿ではなく、横たわって上半身を起こしている姿です。


    【絵画作品】

    ingres-la_grande_odalisque.jpg guido_reni-reclining_venus_with_cupid.jpg

    左はフランスの画家、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(Jean-Auguste-Dominique Ingres/1780-1867)による1814年の作品「La Grande Odalisque」
    右はイタリアの画家、グイド・レーニ(Guido Reni/1575-1642)による1639年の作品「Reclining Venus with Cupid」

    アングルのグランド・オダリスクは最初に展示された当時、その伸長されたプロポーションに批判が集まりました。
    背中の骨が2,3本多いとも揶揄されましたが、近年の研究ではこのゆがみはアングルが故意におこなったものだという解釈が成されています。

    グイド・レーニの作品は非常にほのぼのとした、室内でヴィーナスとクピドが戯れる情景。
    ヴィーナスがクピドの矢を眺めていますね。
    母と子のくつろぎの時間といったところでしょうか。(ヴィーナスとクピドは親子です)

    画像出典:
    File:Jean Auguste Dominique Ingres, La Grande Odalisque, 1814.jpg
    File:Guido Reni - Reclining Venus with Cupid - WGA19312.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン



    【彫刻作品】

    louis_nicolas_adolphe_megret-solitude.jpg just_andre_francois_becquet-la_seine_a_sa_source.jpg

    左はフランスの彫刻家、ルイ・ニコラス・アドルフ・メグレ(Louis Nicolas Adolphe Mégret/1829-1911)による1901年の作品「Solitude」
    右はフランスの画家、ジュスト・アンドレ・フランソワ・ベッケ(Just André François Becquet/1829-1907)による1900年の作品「La Seine à sa Source」

    Solitudeとは「孤独・独りぼっち」という意味。
    手を前に突き、自分の足元をぼんやり見つめる姿からは寂しい雰囲気が漂っています。

    La Seine à sa Sourceとは「セーヌ川の源流」という意味。
    この女性はセーヌ川の女神で、場所はセーヌ川の上流。
    つまりセーヌ川の源流はこの壺から溢れ出ているのだという、神話をモチーフとした作品です。

    画像出典:
    Louis Nicolas Adolphe Mégret (1829-1911) - Solitude (1901)
    Just André François Becquet (1829-1907) - La Seine à sa Source (1900)
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    ここまで読んで「あれ?Angel Gardenは天使と子供を紹介するブログだよね?」と思った方、そのとおり!
    上の4作品は天使でも子供でもないので、Angel Gardenのテーマとは一致しませんね。

    じつは子供をテーマとした作品でこのポーズのものって、驚くほど少ないんです。
    しかしなんとか探してみましたら、1作品見つかりました。

    unknown-liegender_knabe_front.jpg unknown-liegender_knabe_back.jpg

    それがこの大理石像。
    残念ながら作者名、制作年ともに不明です。

    上のルイ・ニコラス・アドルフ・メグレの裸婦像と完全に一致するポーズですが、こちらは小さな男の子。
    もたれ掛かるように手をついたこのポーズは女性像では定型とも言えますが、少年像では非常に珍しいと思います。

    写真自体は1840年から1860年にかけてドイツで撮影されたものらしいので、この像もその頃のドイツの彫刻家によるものではないでしょうか。

    画像出典:Marmorfigur "Liegender Knabe" – Vorderansicht
    ライセンス:パブリックドメイン


    ちなみに、写真作品には子供がモデルでこのポーズのものは存在するのかと言いますと、じつは存在します。
    日本の写真家、清岡純子さんが1981年に発表した作品には、13歳の少女がこのポーズをしているシーンがあります。

    1981年の週刊誌「平凡パンチ」に、上のルイ・ニコラス・アドルフ・メグレの作品「Solitude」によく似たポーズが、1982年のフジアート出版発行の写真集に、上のグイド・レーニの作品「Reclining Venus with Cupid」によく似たポーズが、それぞれ掲載されました。(残念ながら画像は紹介できません)

    どちらも髪の長い13歳の少女が砂浜で横たわっている写真でしたが、絵画や彫像を真似たわけではないでしょう。
    ヴィーナスのような少女が自然の中で自然体で振る舞ったとき、それは極めて自然にとられたポーズだったのだろうと思います。


    昔から横たわる女性は山脈に例えられ、人物描写でありながら風景画にも似た雄大さを感じさせます。
    また起伏のある山並みは女性の寝姿に例えられ、それにちなんだ名前を付けた山も少なくありません。

    横になり上半身を起こしたこのポーズは、女性の内面を表現するものとして昔から用いられてきました。
    アングルの「La Grande Odalisque」ではの憂いが、グイド・レーニの「Reclining Venus with Cupid」では楽しさが、メグレの「Solitude」では寂しさが、ベッケの「La Seine à sa Source」では優雅さが、それぞれ醸し出されています。

    季節により様々に表情を変える山並みの如く、このポーズは様々な感情を表現できるポーズとも言えそうです。
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    Peace

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    イギリスの彫刻家、エドワード・オンスロー・フォード(Edward Onslow Ford/1852-1901)による1887年の作品「Peace」

    オリジナルは高さ約60cmの像で、1887年に王立アカデミーにて展示されました。
    その3年後に等身大のブロンズ像が制作され、現在その彫像はリバプールにある「ウォーカー・アート・ギャラリー」が所蔵しています。(上の写真)

    「平和」と題されたこの作品、少女が右手に椰子の枝、左手に鳩を持って立っています。
    彼女の足の下には兵士の武装品。
    戦いをやめて平和へ向かおうという願いが込められているんですね。

    平和の象徴として若者を描くことは多々ありますが、この作品は少女の柔らかな姿態に加え、張りのある植物や羽ばたく鳩をあしらうことで、万人に意図の伝わりやすい(わかりやすい)平和像となっています。

    世界にある平和像のほとんどは裸体像、または体の形がわかる薄着の姿をしています。
    それは裸であることが平和だという意味ではなく、人の精神を見える形で表現するのには裸体こそが最適だからです。
    そこから何を感じるかという受け手側の精神をも反映するのが、このような平和像というわけです。

    この作品はフォードが手掛けた最初の彫像のひとつでした。
    35歳のときの作品ですから、彫刻家としては遅咲きと言えるかもしれませんね。

    彼は1889年に美術品販売の店を開業します。
    人気アーティストの作品を一般大衆にも手頃な価格で提供するなど、英国の美術彫刻の普及にも貢献しました。

    詳しい経歴については過去の記事に書いてありますのでそちらをご覧ください。(該当記事)


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Edward Onslow Ford (1852-1901) - Peace (1887) front - Walker Art Gallery, Liverpool, May 2012 (7224847552).png
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    Hermaphroditus

    今回は作品をご紹介する前に、ある神の話をしたいと思います。

    ヘルマプロディートス(Hermaphrodītos)という神をご存知でしょうか?
    ギリシア神話に登場する神のひとりですが、なんと神話の世界でも大変珍しい、両性具有の神なのです。
    両性具有とは、ひとつの体に男性と女性の二つの性が混在していること。(どちらの性でもないという考え方もあります)

    ヘルマプロディートスはもともと男性でした・・・というより、絶世の美少年でした。
    父はオリュンポス十二神のヘルメース、母はアフロディーテという神界のサラブレッド。

    彼は15歳のとき、泉で水浴びしているときにサルマキスという名の精霊の女性に強姦されてしまいます。
    そのときサルマキスが彼とひとつになりたいと願ったため、ふたりの体が合体し、ヘルマプロディートスは両性具有者となったのでした。

    この物語は後の芸術家たちにインスピレーションを与え、ヘレニズム時代(紀元前3世紀から1世紀頃)には数体の彫像が制作されました。
    中でも取り分け有名なのが、パリのルーブル美術館が所蔵しているこの大理石像。

    sleeping_hermaphroditus.jpg hermafrodita.jpg

    紀元前2世紀頃に作られたとされる、眠れるヘルマプロディートスの像です。
    これはレプリカですが、オリジナルは1608年、ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会の建設時に敷地内にて発見されました。
    あまりにも古い作品なので、作者が誰なのかはわかっていません。

    敷かれているマットレスの部分だけは、イタリアの彫刻家、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini/1598-1680)が1619年に制作し、追加したものです。

    ご覧のように背中側は女性らしい柔らかな姿をしていますが、その股間には男性の象徴であるペニスと陰嚢が付いています。
    しかも亀頭が半分顔を出しており、少し元気な状態であることがうかがえます。

    彼の(彼女の)名誉のために言っておきますと、これは決してエッチな夢を見ているからではありません。男性は膀胱に尿が溜まったり、布で擦れるだけでも勃起します。
    15歳であれば尚更、当たり前の生理現象と言えるでしょう。


    anasyromenos_statuette.jpg

    こちらは別な作者によるもので、キプロス島で発見されたヘルマプロディートスの像。
    体形は完全に女性でありながら、股間には立派な男性器が付いています。

    勃起状態であることや、スカートをめくって中身を見せるポーズ(アナシロメノスポーズと呼ばれています)であることから、宗教的な意味合い、もしくはジョーク的な作品だったのだろうと思います。


    「両性具有」という言葉も、外見的に、内臓機能的に、精神的に、遺伝子的にと、様々な定義を以って語られる言葉ですが、ヘルマプロディートスのように手術やホルモン投与などをおこなわずに男性器と女性器の両方を有している人は、現在世界に6人ほどいるそうです。

    これが幸せなのか不幸せなのかは当人のみぞ知ることだと思いますが、古代ギリシアの哲学者プラトンは、自身の文学作品「饗宴」の中でこのようなことを述べています。

    『人間は元々両性具有的な存在であったが、神がこれを切断し、男と女に分けた。
     人間は元の姿に戻ることを願い、そのため男女の恋愛が生まれた。
     両性具有は、人間の本来の理想形である。』


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Sleeping Hermaphroditus-Louvre.jpg
    File:Hermafrodita 2.JPG
    File:Anasyromenos statuette, Rome art market.JPG
    ライセンス:パブリックドメイン
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    世界各地のキノコ像

    mushroom.jpg
    注:この記事はジョーク記事です。大きな心でご覧ください。

    皆さん、キノコは好きですか?
    英語ではMushroomと呼ばれ、世界中で愛されている食材のひとつ。

    キノコは菌類なので厳密には植物ではありませんが、一般家庭で野菜として扱われているので、この記事はカテゴリ「動植物」に含めました。

    私はキノコ料理は特別好きというほどではありませんが、キノコの形にはどことなくユーモアを感じます。
    これは世界中で共通する感情のようで、昔からキノコはひとつのキャラクターとして愛されてきました。



    【キノコという愛すべきキャラクター】

    fantasia_mushroom_dance.jpg

    これは1940年に劇場公開されたディズニー映画「ファンタジア」の一場面。
    チャイコフスキーの名曲「くるみ割り人形」に合わせ、キノコたちが可愛らしい踊りを披露しています。
    (ファンタジアはかなり古い作品なので、現在日本ではパブリックドメイン扱いとなっています)

    中国人に見立てているので今なら人種差別だと非難を浴びてしまいそうですが、笠をかぶった姿といい、手を服の袖にしまい込むポーズといい、昔の中国人のイメージ(というよりアジア民族のイメージ?)にマッシュルームをよくぞここまで近付けたなと、今更ながらディズニーのイマジネーションには関心させられます。

    音楽が「くるみ割り人形」なので、足下にクルミが二つあるともっと良かったかもしれませんね。

    キノコは頭の部分が大きく幼児のように見えるからか、日本のアニメやゲームにもキノコ型のキャラクターがよく登場します。
    例えばアニメ「ポールのミラクル大作戦」のキノッピー、ゲーム「スーパーマリオシリーズ」のキノピオなど。



    【コケシ型のキノコは人気が高い】

    matsutake.jpg

    キノコには傘の部分が大きく開いたものと閉じたものがあります。
    公園などでは傘状のキノコを模した休憩所をよく見かけますし、漫画やイラストではカエルがキノコを傘代わりに使うシーンもありますね。

    しかし多くの人が好むキノコの形といえば、やはり傘の部分があまり開いていないコケシ型だと思います。
    つまりこの松茸(マツタケ)のような形。

    松茸は傘が開いていない「つぼみ松茸」が最も高級だそうです。
    多くの日本人にこの形の松茸が好まれる理由は、味だけでなく形にもあるのではないでしょうか。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Matsutake.jpg
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    【キノコを模した商品は意外と多い】

    キノコは昔から食材としても、キャラクターとしても好まれていますが、それは形を模した商品が多いことからもわかります。

    kinoko_no_yama.jpg kinoko_kashitsuki.jpg
    kinoko_mimisen.jpg bhutan_sobsokha.jpg

    1枚目は日本の食品会社、明治が1975年から製造・発売しているお菓子「きのこの山」のパッケージ。
    チョコとスナックで可愛らしいキノコを再現した、味も形も美味しいロングセラー商品です。

    2枚目は中国製だと思いますが、キノコの形をした「卓上加湿器」
    LEDライトも点くそうで、インテリア的にも可愛いですね。
    先っぽから白い水蒸気を吹き出す姿はとってもファンタジー。

    3枚目は日本のメーカーが製造販売しているキノコ型の「耳栓」
    耳栓にも様々な形がありますが、穴に差し込むにはキノコのような形がベストなのでしょう。

    4枚目は南アジアのブータンのソブソカ(Sobsokha)という村の雑貨店で売られているキノコの置物。
    顔を彫って擬人化しているものが多いですね。
    キノコの神様でしょうか?

    画像出典:Amazon.co.jp
    画像出典:Bhutanese Penis Village



    【世界各地の巨大キノコ像】

    このようにキノコはたくさんの人に慕われているのですが、世界にはキノコの巨大オブジェを設置している国が少なくありません。

    さてどんなものがあるのか、世界各地のキノコ像を見ていきましょう。


    ♂ 日本

    japan-yamaguchi-mara_kannon.jpg japan-kanayama_shrine.jpg

    左の写真は山口県の長門市にある寺院「麻羅観音」の境内に設置されているキノコ像。
    戦国時代に滅ぼされた大内氏のひとり、幼くして殺された大内歓寿丸の霊を慰めるために建てられたそうです。

    願い事を唱えながら頭の部分をなでるとご利益が増すと言われています。
    ほとんどが木像か石像ですが、敷地内左手奥の祠には、願い事が書き込まれた陶器製の像が数多く奉納されています。

    画像出典:File:Mara-kannnon2017-06.jpg
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    そして右の写真は神奈川県川崎市の神社「金山神社」の社殿の横に設置されているキノコ像。
    金属製だそうで、黒く塗られているのでダース・ベイダーのような貫禄がありますね。

    ここで祀っている神様は鍛治の神であるとともに性の神でもあるため、子孫繁栄・夫婦和合・安産・下半身の傷病治癒などにご利益があるとされ、多くの人が訪れています。

    画像出典:ファイル:Kanayama-shrine.jpg
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    ♂ 中国・韓国

    china-Longwan_Shaman.jpg south_korea-haesindang_park.jpg

    左の写真は中国北部の長春市にある遊園地「龍湾シャーマン・アミューズメント・パーク」に設置されているキノコ像。
    スカイ・ピラー(空の柱)という名前で呼ばれている、高さが9メートルもある巨大な像で、コンクリートの柱を藁で包んだ構造となっています。

    傘が開いていたら巨大なパラソルですが、これは完全に巨大マツタケですね。
    彩られた塔に囲まれているので、祭壇のようにしっかり祀られているのだとわかります。


    そして右の写真は韓国の江原道三陟市にある公園「海神堂公園」に設置されているキノコ像。
    海に面している公園で、水族館、民俗資料館、植物園などとともにこのような彫像が展示されています。

    園内には顔を掘って擬人化したものや色彩豊かなもの、写実的なものなど様々な形状・大きさの像が約50体あります。
    これは光り輝いていて、かなり育ちの良いキノコですね。

    画像出典:Olympic Tourists Are Enchanted By South Korea’s Penis Park (NSFW)



    ♂ タイ・モンゴル

    thailand-chao_mae_tuptim.jpg mongol-harhorin_rock.jpg

    左の写真はタイ王国の首都バンコクにある「チャオ・メー・タプティム神社」の境内に設置されているキノコ像。
    祭壇の横に3メートル近い巨大な像があり、その周りに木製の小さな像が100体以上置かれています。

    巨大なものからピンク色に塗られたユーモラスなものまでいろいろ。
    神社の名前は、東南アジアの木の精霊であるチャオ・メー・タプティムにちなんで名付けられたそうです。

    画像出典:File:Chao Mae Tuptim-000.jpg
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    そして右の写真はモンゴルのウブルハンガイ県北西部の都市「カラコルム」に設置されているキノコ像。
    世界遺産、エルデネ・ゾー寺院の近くにある石像で、ハラホリン・ロックとも呼ばれています。

    台座にも玉にも模様が彫ってあり、側面には炎のような造形と、なかなかオシャレな作りですね。
    これだけ広大な平原に設置してあると嵐の時に雷が落ちたりしないかと心配になりますが、それはそれで荘厳な雰囲気を醸しそう。

    画像出典:File:The big fallos of Kharhorin - panoramio.jpg
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    ♂ オーストリア

    austria-traunkirchen.jpg austria-otscher_mountain.jpg

    左の写真はオーストリアの街「トラウンキルヒェン」にある礼拝堂近くのガーデンに設置されているキノコ像。
    高さ約2メートルの石像で、誇らしげに胸を張って立っています。

    個人の私有地に設置された像であり、近くに礼拝堂があるので地元では困惑したそうです。
    しかしこうして見ると、先の部分が人間の頭に見えるからでしょうか、まるでボスキャラのような存在感がありますね。
    よく見ると真ん中あたりに顔のような模様が彫られています。

    画像出典:Riesenphallus sorgt in Traunkirchen für Aufregung


    そして右の写真も同じくオーストリア。
    ニーダーエスターライヒ州にある「エチャー山」の山頂に設置されているキノコ像。
    眼下を眺めているかのようにそびえ立つ高さ1メートルほどの像ですが、じつはこれ、誰が設置したのかわかっていないそうです。

    標高1,893メートルのこの場所に運んでくるだけでも大変だったでしょうね。
    正式に設置されたものではないため、風によって倒れたり転落する可能性が高いのだとか。

    画像出典:the penis on the mountain, ötscher, austria



    ♂ オランダ・ドイツ

    nederland-amsterdam.jpg germany-dangast_beach.jpg

    左の写真はオランダの首都「アムステルダム」の歓楽街に設置されているキノコ像。
    両脇にボーリングの球のようなものが置かれ、全体が噴水になっています。

    色が赤いせいでしょうか、形がスッキリしているせいでしょうか、東洋のものとはちょっと違う洗練された雰囲気を感じます。
    スペースシャトルのような格好良さもありますし、小さければ部屋に飾っておきたいですね。

    画像出典:Ejaculating Penis Fountain


    そして右の写真はドイツのニーダーザクセン州の「ダンガスト」の海岸に設置されているキノコ像。
    花崗岩を使った石像で、彫刻家のエカート・グレンツァー(Eckart Grenzer/1943-2017)が1984年に制作しました。

    茎の部分が四角いキノコは初めて見ました。
    といってもあくまでもアート作品なので、実際にこういうキノコは無いでしょうけど。
    写真では小さく見えますが、高さは3.2メートルもあります。

    画像出典:So there's a penis statue on the coast of North Germany


    以上のように、巨大なキノコ像は世界のいたるところに存在します。

    それぞれの場所にはそれぞれの設置理由があるのでしょうが、共通しているのは、どれもその地域のシンボルであり、観光客の心を惹きつけているということ。
    やはりこの形には人々を魅了する何かがあるのでしょう。



    【身近なキノコ】

    snow_mushroom_and_boy.jpg sand_mushroom_and_boy.jpg
    (子供たちが雪や砂で作ったキノコ像)

    キノコは食用から毒のあるものまで数千種類もあると言われています。
    サルノコシカケのように柄の無いものやトリュフのように球形に近いものなどその形状は様々で、腹菌類のキノコのようにかなり奇抜な形のものもあります。

    しかし一般的に知られている矢印型のキノコは、その形の愛らしさがたくさんの人を魅了し、アニメキャラクターとなったり、グッズの形となったり、アート作品となったりするわけです。

    皆さんももし身近にキノコの形をしたものがあったら、それをじっくり鑑賞してみると良いでしょう。
    形を愛でることが、アートを楽しむひとつの方法だからです。
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    Sportininkas

    valentina_rybalko-sportininkas.jpg

    ロシアの彫刻家、バレンティーナ・リバルコ(Valentina Rybalko/1918-1991)による1972年の作品「Sportininkas」
    リトアニア南部のネムナス川沿いにあるドルスキニンカイという保養地に設置されています。

    タイトルは「アスリート」という意味。運動選手、主に陸上選手のこと。
    その名のとおり、立ちポーズでありながら今にも動き出しそうな躍動感ある作品です。

    少年アスリートが腰に手を当てて遠くを見据えています。
    右足を少し浮かせて、これから走り始めるところでしょうか?
    それとも途中で立ち止まって休んでいるところでしょうか?

    雨の雫や朝露に濡れると、それが汗に見えて一段と凛々しく感じられますね。

    画像出典:Blogi z drogi.Druskienniki.Muzeum komunizmu


    valentina_rybalko.jpg

    これは制作当時に撮影された写真。
    左側にいるのが作者のバレンティーナ・リバルコさん。

    彼女は1918年にロシアのクリミア共和国の首都、シンフェロポリで生まれました。
    1937年から翌年までレニングラードで絵画、彫刻、建築を学び、その後1946年まで彫刻家のビクター・シナイスキーに師事しました。

    大学院で学んだ後は芸術家協会のメンバーとなり、1951年から1989年までレニングラードのヴェラ・ムーヒナ美術学校で講師を務めました。
    1991年にサンクトペテルブルクにて死去。

    2006年にはロシア博物館にて「変化の時代:ソビエト連邦の芸術」展が開かれ、彼女の作品が展示されました。


    valentina_rybalko-sportininkas_bw.jpg valentina_rybalko-sportininkas_like.jpg

    バレンティーナ・リバルコ作「Sportininkas」と、それと同じポーズの人間との比較。
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    身近なアート

    Meander and bust

    「芸術ってなんだろう?」

    「芸術とは己の心を人に伝えるための表現である。
     簡単に言えば・・・タオルは不要ということだ!」

    Meander and bust
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    タグ: America  少年  彫像 

    World without War

    zinaida_romanova-world_without_war01.jpg

    ロシアの彫刻家、ジナイダ・ロマノヴァ(Zinaida Romanova/1932- )による1981年の作品「World without War」

    タイトルの日本語訳は「戦争のない世界」
    ロシアの西部にある都市、カリーニングラードの彫刻公園に設置されているブロンズ像です。

    少年が両手を広げて立っており、その前後には体と同じ形をした「殻」があります。
    まるで脱皮をしたように見えますね。

    「戦争のない世界」という人類共通の願いを、しがらみから解き放たれた開放感や生まれ変わりのイメージとして表現しているのでしょう。
    木々の生い茂る公園に設置したことで、平和のイメージがより明確になっています。

    日本では公園にある平和像というと女性像が多いような気がするんですが、平和の意味をどう捉えるかによっても変わってくるのでしょう。
    フリーダムと捉えた場合は、確かに少年のほうがイメージが伝わりやすいかもしれません。

    作者については残念ながら詳細がほとんどわかりませんでした。
    でも名前からすると女性だと思います。
    もしかしたらモデルは息子さんでしょうか?


    ところで・・・
    彼が自由を謳歌しているこの場所、
    冬場はこうなってしまうようです。

    zinaida_romanova-world_without_war02.jpg

    ヒュウゥゥ〜!(風の音)

    触った時にもしブルブルと震えていたら、それは近くを通る車の振動ではないはず。
    優しくさすってあげましょう。
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    タグ: Europa  少年  ♂♀  彫像 

    弓矢と褌

    以前書いた「キューピッドの弓矢」と題した記事では、最後に『手法による表現の違いはあれど、愛の神が人々の心に存在する限り、少年と弓矢の組み合わせはこれからも受け継がれていくのでしょう。』という言葉で締め括りました。(該当記事)

    たしかに弓矢を持ったアート作品はほとんどが少年です。
    弓矢を持った少女の像も存在するのかもしれませんが、私は見たことがありません。

    やはりその下地としてローマ神話の愛の神クピド(キューピッド)のイメージがあるからでしょう。
    19世紀に普及したポストカードやスタジオ写真には、小さな子供をクピドに見立てた作品が数多く見受けられます。

    julia_margaret_cameron-love_in_idleness.jpg

    イギリスの写真家、ジュリア・マーガレット・キャメロン (Julia Margaret Cameron/1815-1879)による1867年頃の作品「Love in Idleness」

    弓矢を小道具として使った肖像写真ですが、ちょっと眠たそうですね。
    子供のコスプレ写真を撮影するスタジオは今もありますが、その走りみたいなものでしょうか。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Love in Idleness, by Julia Margaret Cameron.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    しかし弓矢を持った子供が全てキューピッドのイメージなのかと言うと、そうでもありません。

    postcard-two_naked_boys_hunting.jpg

    これは19世紀に発行されたポストカード。
    少年が弓矢を構えていますが、腰に褌(ふんどし)のような布を巻いており、どう見てもキューピッドではないですね。
    狩りをする野生の子というイメージで演出した写真でしょう。

    この写真のように褌姿の場合は弓矢を持っていてもそれはキューピッドではなく、多くはアメリカ大陸の先住民、つまりアメリカンインディアンをモチーフとした作品です。

    indian_boy01.jpg indian_boy02.jpg
    indian_boy03.jpg indian_boy04.jpg
    【弓矢と褌でインディアンに扮した少年】

    アメリカンインディアンにとって弓矢は狩猟の道具であり、武器でもあります。
    弓矢は旧石器時代から中石器時代にかけて現れた道具で、オセアニアを除いたほとんどの国の歴史に登場します。
    最も初期のものと思われる明確な痕跡はヨーロッパにあり、ドイツからは18,000年前の弓矢も発見されています。

    また、彼らが身に着けている褌は日本のものとは形が違い、腰に巻いたヒモに布を引っ掛けるタイプが多いようです。
    着脱が容易であり、狩猟においては日本の褌のような巻き付けるタイプよりも利便性が高かったのではないでしょうか。

    indian_hunter_and_his_dog.jpg
    【Indian Hunter and His Dog】
    Alexis Rudier Fondeur/1926年フランス

    画像出典:Indian Hunter and His Dog
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    西洋褌(ロインクロス)を身に着けて、洋弓(アーチェリー)を持っているというこのスタイルはアメリカンインディアンに由来したものですが、中にはこの組み合わせでありながらインディアンとは無関係の作品も存在します。

    loincloth_boy_and_bow.jpg loincloth_boy_and_arrow.jpg
    【褌姿で弓矢を持つ少年】

    左はフランスの写真家ジェレミー氏によるもので、右は詳細不明。
    どちらも小さめの褌を着用しており、左の子は弓を、右の子は矢を持っています。

    この写真のモチーフはキューピッドでもインディアンでもありませんね。
    弓矢と褌は単に勇ましさを引き立てるアイテムとして使っているのでしょう。

    弓矢も褌も古来より人々に愛用されてきた道具で、どちらもその歴史は有史以前にまで遡ります。
    アメリカ大陸、ヨーロッパ、アジアの多くの国々で人間の生活とともに歩み、その形を変えることなく今に至るアイテム。

    現代の生活にはどちらも馴染みの薄いものですが、絵画、彫像、写真に登場している場合は、そこから古い歴史を鑑みてみるのも良いのではないでしょうか。
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    タグ: America  Europa  Asia  少年  衣装  伝統  彫像  OldPhoto  Thong  CC-License 

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    Author:RUKA


    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログでは天使や子供をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

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    名前:RUKA (Rukachas)
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    出身:埼玉(生まれは宮城)
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    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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