母性愛のポートレイト

    日本には、子供が小さいうちだけですが、親子でお風呂に入る(一緒に湯船に浸かる)習慣があります。
    しかし外国にはその習慣はありません。
    そのため日本のアニメ「となりのトトロ」に登場する親子入浴シーンを猥褻なシーンだと勘違いした外国人もいた、という話もあります。

    しかしこれとは逆に、日本人よりも外国人のほうがする人が多いであろう行為があります。
    それは、妊娠してお腹が大きくなった女性がヌードで写真を撮ること。
    お腹にいるのが第二子の場合は上の子と一緒に写ることもありますね。

    laughing

    laughing
    Copyright : Don and Cheryl Thompson
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)


    産まれた子が物心つくようになったとき「自分は昔ママのお腹の中にいて、家族みんな産まれるのを待ち望んでいたんだ」と理解できる素晴らしい写真です。

    私自身はこの「お腹が大きい時期に子供と一緒に写真を撮る」という習慣が日本でも根付けば良いなと思うのですが、日本人は妊婦の姿に美しさを感じない人が多いのか、あまり写真を残したがらないようです。
    家族の繋がりや親子の愛情を表現した、とても良いテーマだと思うのですが。


    さて、プロの写真家の作品にも親子をテーマとしたヌードは古くから存在します。
    身籠った母と幼い子のツーショットも少なくありません。
    そのいくつかを年代順に見ていきましょう。


    gerard_marot-le_fils_dariane01.jpg gerard_marot-le_fils_dariane02.jpg

    最初はフランスの写真家、ジェラール・マロ(Gérard Marot/1946- )による1985年の作品。
    ジャーナリストのヒューゴ・マーサンが文章を執筆している写真集「Le Fils d'Ariane」に収録されています。
    どの作品も母親と息子のほのぼのとしたツーショットで、息子の年齢は幼児から青年までと様々。
    顔が似ているので、本当の親子であることは一目瞭然。
    だからこそ真実の愛が伝わってきます。

    作者のジェラール・マロは1970年代から活動しているフランスの写真家。
    光と影を巧みに使った芸術的で審美的な作品の多い作家ですが、親子をテーマとしたこの写真集では、命の尊厳や母性を前面に押し出した作品が主となっています。

    catawiki.comより
    Hugo Marsan, Gérard Marot - Le fils d'Ariane - 1986



    ron_oliver-as_far_as_the_eye_can_see01.jpg ron_oliver-as_far_as_the_eye_can_see02.jpg

    これはイギリスの写真家、ロン・オリヴァー(Ron Oliver/1959- )による1994年の作品。
    写真集「As Far As The Eye Can See」に収録されている親子のポートレイトです。
    極めてシンプルな、まさに家族の記念の肖像撮影といったところですが、すべてモデルとなった親子からの依頼により制作されているそうです。

    作者のロン・オリヴァーは1959年にイギリスの首都、ロンドンで生まれました。
    彼は学生の頃に友人や家族を撮影し始め、高校卒業とともに写真家としてのキャリアをスタートさせます。
    1980年代から90年代にかけていくつかの写真集を出版しており、とくに家族をテーマとした肖像写真は高い評価を得ています。

    【Ron Oliver, Photographer - Official Website】
    http://www.ronoliver.eu

    天牛書店より
    書籍詳細 - As Far As The Eye Can See



    george_krause-mother_and_son.jpg george_krause-vera_lifts_sochi.jpg

    これはアメリカの写真家、ジョージ・クラウス(George Krause/1937- )による写真作品。
    左は1985年の作品「Nudi. Mother & Son」、右は2003年の作品「Vera Lifts Sochi」
    右の写真の母親はもう臨月に近そうですね。

    作者のジョージ・クラウスは1937年にペンシルベニアで生まれ、現在はテキサス州ウィンバリーに住んでいます。
    1950年代にフィラデルフィア芸術大学で絵画、彫刻、写真を学んだ彼は、1957年から1959年にかけて米軍に勤務し、サウスカロライナ州の地域社会にて黒人地区の文化を記録し続けました。
    その後ドキュメンタリーの方向性を変え、人間の体をテーマとして素晴らしい作品を生み出しています。

    【George Krause Fine Art】
    https://georgekrause.com



    pere_formiguera-maternitat01.jpg pere_formiguera-maternitat02.jpg

    これはスペインの写真家、ペレ・フォルミゲーラ(Pere Formiguera/1952- )による写真作品。
    「Maternitat」と題された作品で、オフィシャルサイトには「最も純粋で最も激しい愛」という説明が記されていました。
    母性愛はまさにそのとおり。

    作者のペレ・フォルミゲーラはスペインのバルセロナ生まれの写真家。
    書籍やカタログ、雑誌等の写真も手掛け、これまでに数多くの書籍を出版しています。
    1995年には文化省による賞を獲得し、1997年にはイタリアで開催された「ボローニャ国際児童図書展」にてイノベーション賞を受賞。
    2010年にはこれまでのキャリアが認められ、サン・クガ賞を受賞しています。

    画像出典:【Pere Formiguera】
    http://www.pereformiguera.com



    araki_kumamoto_lullaby.jpg

    これは日本の写真家、荒木経惟(1940- )による2008年の作品。
    「熊本ララバイ」という写真集に収められた母親と赤ちゃんのヌード写真です。

    「四国新聞社 2008年10月31日の記事」
    2008年11月、荒木氏の母子ヌード写真を展示する「熊本ララバイ展」が熊本市現代美術館で開催されました。
    「赤ちゃんとお母さんを通して命の尊さを見詰め直したい」と同館が企画し、母子を一般公募して撮影したそうです。

    作者の荒木経惟氏は1940年、東京市下谷区三ノ輪の生まれ。
    千葉大学工学部、写真印刷工学科を卒業後「電通」に勤め、1972年に退社してフリーとなりました。
    数々の賞を受賞した日本の写真家であり、アラーキーの愛称でも知られています。

    荒木氏といえば性愛的な作品で有名な写真家ですが、母性愛あふれる作品も手掛けていたんですね。
    愛の原点は母にありといった感じでしょうか。

    【荒木経惟オフィシャルサイト】
    http://www.arakinobuyoshi.com

    画像出典:ebay
    Nobuyoshi ARAKI "Kumamoto Lullaby" 2008 Photo Book Rare
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    名前:RUKA (Rukachas)
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    出身:埼玉(生まれは宮城)
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    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:21年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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