L’Amour Captif

    sanzel-amour_captif01.jpg

    フランスの彫刻家、フェリックス・サンゼル(1829-1883)による1868年の作品「L’Amour Captif」
    フランスのパリにある「パリ植物園」に設置されている大理石像です。

    Captifとは「捕虜・囚人」と訳せますが、ここでは「囚われの」と言ったほうが近そうです。
    囚われているのは手前にいる天使、ローマ神話の愛の神アモル(クピド)

    画像を拡大して見るとわかりますが、アモルの両腕にヒモが通され、後ろの柱に縛り付けられています。
    以前ご紹介したデニス・デラヴィンの作品「Les Liens De L'amour」と元のテーマは同じかもしれません。(該当記事)

    しかしこの像では、アモルが縛られている柱の上部が何故か男性の胸像になっています。
    まるでチェスの駒のようですが、これはいったい何でしょう?

    手もない、足もない、ただニヤリと笑う男の顔だけが出ている不気味な柱。
    この男、耳が獣のように尖っているので、どうやら人間ではないようです。
    元々のストーリーはわかりませんが、誰かの怒りを買って罰として縛り付けられたアモルのところに、悪魔が頭部だけ実態化して現れたようにも見えますね。


    作者のフェリックス・サンゼルは1829年、パリでパン屋を営む両親のもとに生まれました。
    学生時代はアウグスト・デュモンとアレクシス・ヒッポリテ・フロランゲルの生徒となり、二十歳の時にサロンで初の作品展示をおこないます。
    その後はルーブル宮殿やパレ・ガルニエ等の公共事業を執り行い、パリ市庁舎の再建にも携わりました。

    1868年にパリ植物園のバラ園を飾ったこの彫像「L’Amour Captif」は同年にサロンで展示され、名誉ある勲章を授与されています。

    sanzel-amour_captif02.jpg sanzel-amour_captif03.jpg
    Copyright : Michel Petit
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    天使の像によくある、股間に布がフワリと掛かった状態。
    片足を上げて落ちないようにしていますが、拘束されているので思うようにいきません。
    そこに現れたひとりの男。
    ニヤニヤと笑いながら、驚くアモルを見つめています。

    縛られていることをからかっているのでしょうか?
    自分も手足がないので同じようなものですが、何か良からぬことを吹き込んでいるのかもしれません。

    アモル(クピド)はローマ神話では人の心をいたずらに弄ぶヤンチャな神として描かれています。
    つまりそれだけ単純なんですね。
    悪魔男の怪しいささやきに惑わされないよう、気をつけてほしいものです。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:L'Amour prisonnier Félix Sanzel 1868 JdP.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    名前:RUKA (Rukachas)
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    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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