20世紀の彫像の20セイキ

    みなさんの住んでいる街には、公共の場に裸像が設置されていますか?
    私の地元にはあります。公園には裸の男性像、駅前には裸の母子像があり、人々の憩いの場となっています。

    街の彫像に裸像が多いのは何故でしょう?
    それは、それらの彫像が人の尊厳や平和への願いなど「目には見えないけれど大切なもの」を訴えているからです。
    服で覆い隠すことのない人間本来の姿だからこそ、人々に訴えかける「心の象徴」となり得るわけです。

    しかしだからといって我々が街で全裸になったら、それは露出事案であり犯罪ですよ。
    海外には全裸になっても良いイベント(パレード等)がありますが、普段の日はもちろん許されてはいません。

    つまり普段公共の場で全裸になっても問題がないのは、幼い子供たちと彫像だけ。
    子供と彫像だけに許された特権・・・ということは「子供の姿をした彫像」であれば尚更、特別な役割を担っているということですね。

    現在、街にある彫像の多くは20世紀(西暦1901年〜2000年)に作られた作品です。
    そこで今回はヨーロッパの街にある20世紀の彫像をご紹介し、ついでに世紀と性器をかけて(単なるダジャレです)股間のアップの写真も一緒に並べてみました。

    20世紀の彫像の20セイキ。
    偉大な彫刻家がその部分をどのように造形したのか、ジックリ鑑賞してみましょう。

    アップの写真は私がトリミングしたのではなく、初めからアップで撮影されている写真です。
    すべてブロンズ像でした。掲載順は国名と作者名の50音順。


    henri_koenig_geneva-parc_de_la_grange1947.jpg henri_koenig_geneva-parc_de_la_grange1947up.jpg

    スイスの彫刻家、アンリ・ケーニッヒ(1896-1983)による1947年の作品。
    スイスの都市ジュネーブにある「グランジュ公園」のバラ園に設置されている14歳の少年像。

    棒は指サックみたいで単純過ぎますが、袋はちゃんと中に玉がふたつあることを思わせるおむすび形。
    14歳にしては幼いかなという気もしますが、彫像的にはこんなものでしょう。


    henri_koenig_geneva-rue_cavour1975.jpg henri_koenig_geneva-rue_cavour1975up.jpg

    こちらも同じくアンリ・ケーニッヒによる1975年の作品「Adolescent sans date」
    ジュネーブにある「ボルテール博物館」の前に設置されている14歳の少年像。

    こちらは先がちょっと尖っていて、下ろしたての筆みたいですね。


    heinz_schwarz_geneva-quai_wilson1976.jpg heinz_schwarz_geneva-quai_wilson1976up.jpg

    スイスの彫刻家、ハインツ・シュワルツ(1920-1994)による1976年の作品「L'adolescent et le cheval」
    ジュネーブ湖の近くの広場に設置されている14歳の少年像。

    上のケーニッヒの作品と比べてみると、同じ14歳でもこちらはずいぶんと立派。
    形自体はそんなに細かい作り込みではありません。


    friedrich_frutschi_switzerland-interlaken.jpg friedrich_frutschi_switzerland-interlaken_up.jpg

    スイスの彫刻家、フリードリヒ・フルチ(1892-1981)の作品。
    スイスの都市インターラーケンの公園の噴水前に設置されている12歳の少年像。

    棒が単なる棒になっていて袋と一体化しているようにも見えるし、もうちょっとそれらしく作り込んでも良かったかも。


    milo_martin_switzerland-morges1962.jpg milo_martin_switzerland-morges1962up.jpg

    スイスの彫刻家、ミロ・マーティン(1893-1970)による1962年の作品「Boy and Girl」
    スイスの都市モルジュの公園に設置されている13歳の少年と少女の像。

    こちらもそんなに細かな造形ではありませんが、形はほぼ再現しています。
    でも袋がちょっと大きめかな。


    carl_milles_stockholm1950.jpg carl_milles_stockholm1950up.jpg

    スウェーデンの彫刻家、カール・ミレス(1875-1955)による1950年代の作品。
    首都ストックホルムにある「ミレスゴーデン彫刻庭園」に設置されている少年像。

    魚の上で飛び跳ねているというコミカルな像のせいか股間の形もコミカルで、体の割にはかなり小さめ。


    carl_milles2_stockholm1950.jpg carl_milles2_stockholm_1950up.jpg

    こちらも同じくカール・ミレスによる、ミレスゴーデン彫刻庭園内の彫像。

    これは半魚人でしょうか? 少年かどうかは微妙ですが、棒は完全に幼児のそれ。
    袋はボール形ではなく、左右に分かれて垂れ下がったキンチャク形。


    john_borjeson_stockholm-national_museum.jpg john_borjeson_stockholm-national_museum_up.jpg

    スウェーデンの彫刻家、ジョン・ボルジェソン(1835-1910)の作品。
    首都ストックホルムの「国立博物館」の敷地内に設置されている少年像。

    桃の上にウインナーを乗せたような形で、筋肉質な上半身と幼い股間のアンバランスな感じが面白いですね。


    macgillivray_edinburgh-coates_gardens1.jpg macgillivray_edinburgh-coates_gardens_up1.jpg

    スコットランドの彫刻家、ジェームス・ピッテンドリ・マクギリブレー(1856-1938)の作品。
    首都エディンバラの「コーツガーデン広場」に設置されている2体の少年像。

    左右どちらも同じような少年に見えますが、向かって左側の子は先の太いキノコ型で・・・

    macgillivray_edinburgh-coates_gardens2.jpg macgillivray_edinburgh-coates_gardens_up2.jpg

    ・・・向かって右側の子は少し埋もれているタイプでした。

    形が違うということは、モデルも二人いたってことでしょうね。
    部分といえどコピーで済まさないところに、作者の職人魂を感じます。


    ここでちょっと小休止。
    私が昔住んでいた街は近代美術館があるせいか公園などに美術作品が設置されていることが多く、私も若い頃から親しんでいました。

    面白いなと思ったのは、公園の彫像を見ている人たち(観光客など)がその彫像の写真を撮るとき、裸婦像の場合は全身を撮るだけで終わりにするのに、男性の裸像の場合は股間を狙って撮る人が少なくないということ。

    でもこれはイヤラシイ気持ちではなく、そこに面白さを感じるからでしょう。
    公園で遊んでいる子供たちも、男性像の股間を指差して笑っていたりします。
    無関心でいるよりは笑顔になってくれたほうが作者も彫像たちも嬉しいでしょうね。

    さて残りは10セイキ・・・

    august_kraus_berlin-savigny_platz1928.jpg august_kraus_berlin-savigny_platz1928up.jpg

    ドイツの彫刻家、オーガスト・クラウス(1868-1934)による1928年の作品「Boy with a Goat」
    首都ベルリンにある「サヴィニープラッツ」という公園内に設置されている少年像。

    棒はペンシルキャップのような単純な形ですが、袋はちゃんと左右に分かれていて、足で押されて傾いているところも躍動感がありますね。


    hartmut_bonk_berlin-karl_marx_platz1986.jpg hartmut_bonk_berlin-karl_marx_platz1986up.jpg

    ドイツの彫刻家、ハルトムート・ボンク(1939- )による1986年の作品。
    首都ベルリンの「カールマルクス広場」に設置されている少年像。

    ちょっと大雑把さのある彫像ですが、洗面所の蛇口のような真っ直ぐな棒がユニーク。


    hans_latt_berlin-wilmersdorf1918.jpg hans_latt_berlin-wilmersdorf1918up.jpg

    ドイツの彫刻家、ハンズ・ラット(1859-1946)による1918年の作品「Knabe mit Ziegenbock」
    首都ベルリンのヴィルマースドルフの警察署の前に設置されている少年像。

    まん丸のボールの上に鉛筆の先を乗せたような形。
    ヤギの頭を右に向かせたのは正解でしたね。左だったら噛みつかれてしまいそう。


    arne_durban_norway-oslo1957.jpg arne_durban_norway-oslo1957up.jpg

    ノルウェーの彫刻家、アルネ・ダーバン(1912-1993)による1957年の作品「Lekende barn」
    首都オスロの公園の噴水広場に設置されている少年像。

    袋は小さめですが、棒は力強さのある造形。
    なんとなくヘビの頭っぽい? いや、新型新幹線かな?


    gustav_vigeland_norway-oslo1940.jpg gustav_vigeland_norway-oslo1940up.jpg

    ノルウェーの彫刻家、グスタフ・ヴィーゲラン(1869-1943)による1940年代の作品。
    首都オスロのフログネルにある「ヴィーゲラン彫刻公園」に設置されている少年像。

    幼児らしい素朴な形ですが、造形処理はシッカリしています。


    gustav_vigeland2_norway-oslo1940.jpg gustav_vigeland2_norway-oslo1940up.jpg

    同じくグスタフ・ヴィーゲランによる、ヴィーゲラン彫刻公園内の少年像。

    こちらは小学校高学年くらい? タツノオトシゴの頭みたいな形してますね。
    同じ作者でも像によって形が違うのは、モデルに忠実に作っているからでしょう。


    pauli_koskinen_finland-kouvola.jpg pauli_koskinen_finland-kouvola_up.jpg

    フィンランドの彫刻家、パウリ・コスキネン(1921-2003)の作品。
    コウヴォラ市の公園に設置されている、楽しそうにはしゃぎ回る3人の少年像。

    寒い雪の日の撮影ですね。
    袋が確認できないほど縮んでいるのは、やはり寒さのせいでしょうか?(んなわけない!)


    johannes_haapasalo_finland-helsinki1930.jpg johannes_haapasalo_finland-helsinki1930up.jpg

    フィンランドの彫刻家、ヨハネス・ハアパサロー(1880-1965)による1932年の作品「Nyrkkeilijät」
    首都ヘルシンキの街に設置されているボクシングスタイルのブロンズ像。

    ゴムボールと指サックを組み合わせたような単純な形で、ちょっとリアルさに欠けるかも。


    yuri_pavlov_belarus-minsk1996.jpg yuri_pavlov_belarus-minsk1996up.jpg

    ベラルーシの彫刻家、ユーリ・パブロフ(生没年不明)による1996年の作品。
    首都ミンスクの公園の噴水広場に設置されている天使像。

    棒に不自然さはありませんが、袋は斜めに引っ張られたような形になっています。
    だから泣いているのかな?(違う!)


    n_smirnov_russia-novomoskovsk1981.jpg n_smirnov_russia-novomoskovsk1981up.jpg

    ロシアの彫刻家、N.スミルノフ(生没年不明)による1981年の作品。
    ロシアのノヴォモスコフスクの公園に設置されている馬に乗った少年像。

    表面の処理が大雑把。
    棒は力強いんですが、袋はちょっと歪んだ変な形してますね。


    以上、ヨーロッパの街に設置されている20世紀の少年像の20セイキでした。

    普段彫像の股間をまじまじと見ることなどありませんが、こうしてアップで見てみると意外とちゃんと作り込んでいるんだなと感心します。
    作品によって形が違うところも人間らしくて良いですね。

    棒と袋があるだけのシンプルな造形でありながら、子供からお年寄りまであらゆる人たちの笑顔を引き出す魔法のオブジェ。
    この単純な形の中に作者のこだわりと美意識を見出してみるのも面白いかもしれません。


    画像出典:DESTROYERMAP / ウィキメディア・コモンズ
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    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

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    名前:RUKA (Rukachas)
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    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:20年

    20代の頃に仕事で幼稚園に足を運んだのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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