Amore e Fedeltà

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    イタリアの彫刻家、ピエトロ・フレッチャ(1814-1856)による1840年の作品「Amore e Fedeltà」(アモルとフェデルタ)
    イタリアのフィレンツェにある「ピッティ宮殿」のアートギャラリーにて展示されています。

    芸術家には短命な方が多く、このブログでも「○○歳の若さで亡くなりました」と書いた記事がいくつもありますが、この作品の作者もそうでした。

    1814年、アプアネ山の麓の家で7人兄弟の長男として生まれたピエトロ・フレッチャは、10歳で工芸品の加工を学び始めます。
    16歳でフィレンツェに行き、彫刻家F・ポッツィの工房に勤務しながら彫刻を学びました。
    1838年に美術アカデミーにて最初の作品を発表し、その後も自分のアトリエを開いて多くの作品を生み出しています。

    1840年制作のこの作品は、愛犬フェデルタの亡骸を優しくも悲しい眼差しで見つめる愛の神アモルの像。
    初めは眠っている犬かと思いましたが、どうやら亡くなった後のようです。
    その美しい容姿や細かい毛並みの表現、大理石とは思えない柔らかな質感に、作者の高度な技術力と思い入れを感じます。

    アモルは「愛」、フェデルタは「忠誠」という意味。
    まさに愛と忠誠を痛いほど感じさせる、静寂の中でこそ相応しい名作と言えるでしょう。

    そんな逸品を作り上げた彫刻家、ピエトロ・フレッチャに悲劇が訪れたのは1854年でした。
    ジェノヴァのベルデ広場でコロンブスの記念碑を制作していたとき、彼は高い足場から落ちて重傷を負ってしまいます。
    病院に入院しましたが左半身が麻痺し、2年後の1856年7月22日、42歳でこの世を去りました。

    freccia_amore_e_fedelta02.jpg

    1840年にグループ展に出展されたこの作品「アモルとフェデルタ」は彼の代表作であり、現在もイタリアのピッティ宮殿を訪れる人たちの心を癒しています。

    この彫像、ちょっと気になる箇所がありました。
    アモルが手にしているヒモ(リボン?)が、なぜか陰茎に絡みついているんです。
    これは何を意味しているんでしょうか?

    ギリシア神話ではエロスと呼ばれている愛の神アモル。
    幼少期に親しい者の死を体験するのは重要なことですが、「忠誠」と名付けた犬の死によって、アモルの心の中でも何かしら変化があったのかもしれません。

    自らの矢を縛っているのか、解いているのか・・・考え過ぎかもしれませんが絡まるヒモにさえも意味を感じてしまいます。

    ちなみに作者の名前「フレッチャ」とは英語ではアロー、「矢」のことです。
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