Icebreaker

イギリスの彫刻家、ロバート・マイルハム(1950- )による2005年の作品「Icebreaker」
アイスブレーカーとは砕氷船のことですが、緊張をほぐすものという意味もあるそうです。
にこやかな笑顔で手足をピンと伸ばし、指先を大きく広げる少女。
自然の恵みを全身で受け止めているかのような爽快感のある作品です。


この像は10歳の娘を白血病で亡くした、ある家族の依頼により作られました。
ウィリアム・ハーシェル博物館での彫刻コンクールにて、一般大衆から最高の彫像として選出され、みごとPeoples Prize(人物賞)に輝いた作品です。
残念なことに依頼者の都合により手渡されることなく時が過ぎてしまいましたが、現在は幼くして亡くなったすべての子供たちへの祈りの象徴として庭などに設置されています。
作者のロバート・マイルハムはイギリスの彫刻家。
1998年のドーセット州ドーチェスターでの展示を始めとして、首都ロンドンやアメリカのミネアポリス、パーベック島やガーンジー島など、これまでに様々な場所で作品を発表しています。


彼の作品の大部分は、彼の作品を見た人々からの依頼により作られています。
これは粘土で製作した原型の写真。
ブロンズ像の良さは原型から複数の作品を生み出せることや、青銅ならではの長期的な保存性でしょう。
原型の製作段階で盛ったり削ったり、納得のいくまで作り込めるのも強みですね。
彼はこうも言っています。
『私の仕事の多くは汎用性のある青銅製のものです。大理石は半透明で輝きがありますが、ブロンズはパティナ(錆などにより現れる色彩)の幅を広げ、どんな大きさや形状でもディテールを鮮明に表現します』
木も大理石もブロンズもそれぞれに味わいがありますが、時間が経つにつれ表面が様々に変化するブロンズ像だからこそ、命の表現には最適なんですね。
【Robert Mileham】
http://www.robertmileham.com
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