書籍「Erinnerungen Jungen zwischen 10+16」

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    ドイツの写真家、パウル・アルソ(生没年不明)による写真集「Erinnerungen Jungen zwischen 10+16」

    この本はヌード写真集ではありません。
    海のシーンで裸の子もチラリと写ってはいますが、基本的にはスポーツ少年を捉えたドキュメンタリーです。

    BMX(自転車)、器械体操、水泳、サッカー等の素朴なスナップショット集で、タイトルは訳すと「思い出・10〜16歳の少年」という意味。
    年齢がわかっているということは、見ず知らずの子を撮影したわけではなさそうですね。

    発行年は2002年ですが、収録されている写真はそれよりも10〜20年ほど古い印象を受けます。
    というのも、写真がどれもフィルムカメラで撮影されたように見えるからです。
    「思い出」というタイトルからしても、撮影は1980〜1990年代ではないでしょうか。

    Amazon.deより
    Erinnerungen Jungen zwischen 10 and 16 by Paul Artho (2002-01-01)

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    ジュニア体操。
    この当時、光量が十分とは言えない屋内で体操の素早い動きを捉えるのは大変でした。

    演技中ピタッと静止する瞬間ならこのようにブレずに撮れますね。
    高得点の演技はシャッターチャンスでもあるのです。


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    ウォータースポーツ。
    海、川、プール・・・夏の水辺は子供たちの天国。

    子供たちはカメラを向けると太陽のような笑顔を返してくれます。
    それは子供たちによる、カメラマンへの奉仕。


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    海でボール遊び。
    これはなんというスポーツでしょうか?
    卓球のラケットをふた回りほど大きくしたようなラケットでボールを突いています。

    途中で水着を脱いでしまっても、それは楽しさの証。
    昔の海岸は裸で遊んでいる子が多かったですね。


    こういうスナップも今となっては貴重な記録。
    作者のパウル・アルソはこの本の序文で「撮影に同意してくれた少年と両親に心から感謝します」と述べており、意思の疎通がシッカリとれた写真であるところに好感が持てます。

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    書籍「Boys will be Boys!」

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    アメリカのBook Adventures社から1966年に出版された写真集「Boys will be Boys!」
    編集者のジョージ・セント・マーチンとロナルド・C・ネルソンによるA5版の書籍です。

    主な内容は、当時のボーイスカウトたちの野外活動の記録。
    1966年の発行ですが、1950年代の写真もいくつか含まれているようです。

    カラーなのは表紙カバーだけで、中身はすべてモノクロ写真。
    しかし256ページもあり、見応えはじゅうぶん。
    歴史的資料としても貴重で、現在も古書として流通しています。

    Amazon.comより
    Boys Will Be Boys! Hardcover – 1966


    当時の子供たちの記録写真は現代においても、いやこの殺伐とした現代だからこそ強く求められています。
    そこに写る少年たちのなんと清々しいことか。
    野外活動を通じて仲間と協力することを学び、助け合いを学び、皆が同じであることを学ぶ。

    屈託のない笑顔と、思いっきり羽を伸ばしたイキイキとした姿に心洗われる一冊です。


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    ボーイスカウトの少年たちは仲間と協力し合うことを学びます。
    自分たちで考え、自分たちで作り、自分たちで解決する。


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    イベントでは準備も本番も決して手は抜きません。
    みんなでひとつのことを成し遂げる、これはとても大切なこと。


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    ひとりではできないこともあるでしょう。
    失敗やトラブルもあるでしょう。
    そんなときも仲間が手を差し伸べてくれます。


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    普段の生活では経験できない、たくさんの仲間との触れ合い。
    怪我のないように、大自然を思い切り満喫しよう!
    そして心に残る思い出を作ろう!

    この写真集に写る少年たちは今では60歳を超えているわけですが、少年期の自然体験はその後の人生に大いにプラスとなったことでしょう。
    この少年たちの姿に、この頃のアメリカのバイタリティを見た気がします。


    ちなみに1966年といえば・・・
    日本では「ウルトラQ」が放送され、「サッポロ一番」「明星チャルメラ」「S&Bゴールデンカレー」「グリコポッキー」が新発売され、「ビートルズ」が初来日し、日本の総人口が1億人を突破した年でした。

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    書籍「Images Souvenirs」

    以前このブログで、子供が最も美しかった時代は1980年代だった、という話をしたことがありましたが、ノスタルジー的感情を抜きにしてもそれは正しいことだろうと思います。

    日本でもそれなりに衣食住が整い、子供たちは健康面においても精神面においても余裕のある生活をしていました。
    文部科学省のデータによると、小学生の運動能力が最も優れていたのは1985年頃だったそうです。

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    これはそんな1980年代にフランスの出版社から発行された「Images Souvenirs」という書籍。
    当時の(あるいはそれ以前の)フランスの子供たちの日常を捉えたモノクロの写真集です。
    撮影者の名前が書かれていないので複数のカメラマンによるオムニバスだったのかもしれません。

    タイトルは「思い出の写真」という意味。
    面白いのは、日常のスナップであるがゆえに80年代当時の雰囲気が色濃く出ているところ。
    こうして数十年後に鑑賞してこそ、「思い出の写真」というタイトルが活きてきますね。

    裏表紙にはさりげなく「かつて子供だったことを忘れていない人のための笑顔の本」という言葉が書かれていました。(もちろんフランス語で)
    そのとおり子供たちの笑顔の日常が垣間見れる写真集です。

    上の写真の子は髪型も整っていてなかなかオシャレですね。
    ピンクパンサーのTシャツが懐かしい!


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    左の子は長髪でボーダー柄のシャツ、ジーンズの半ズボン、そしてハイソックスと、当時の典型的な男児の姿。
    昔はなんであんなにボーダー柄が多かったんでしょうか?
    右側の子はジーンズの上に短パンを穿いていますが、これは当時でも珍しいかも。


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    その短パンですが、スポーツ用は今よりもかなり小さめでした。
    運動会など屋外のスポーツ大会では外で着替える子も多く、グラウンドの隅が美術館と化していました。
    それと当時の体育の授業は冬でも短パンでしたね。


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    左の子が持っているのはカードでしょうか?
    現代っ子がこういう姿勢をしていたら、それは携帯ゲームかスマートフォンか。
    右の子は路上で週刊誌を読んでいますが、まさかグラビアページ目当てかい?


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    家に帰ったらお風呂に入りましょう!
    脱いでいるパンツがトランクスではないところに時代を感じます。
    でも日本はこの頃ほぼ全員が白ブリーフだったので、フランスの子はやっぱりオシャレだったということかな。

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    母性愛のポートレイト

    日本には、子供が小さいうちだけですが、親子でお風呂に入る(一緒に湯船に浸かる)習慣があります。
    しかし外国にはその習慣はありません。
    そのため日本のアニメ「となりのトトロ」に登場する親子入浴シーンを猥褻なシーンだと勘違いした外国人もいた、という話もあります。

    しかしこれとは逆に、日本人よりも外国人のほうがする人が多いであろう行為があります。
    それは、妊娠してお腹が大きくなった女性がヌードで写真を撮ること。
    お腹にいるのが第二子の場合は上の子と一緒に写ることもありますね。

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    laughing
    Copyright : Don and Cheryl Thompson
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)


    産まれた子が物心つくようになったとき「自分は昔ママのお腹の中にいて、家族みんな産まれるのを待ち望んでいたんだ」と理解できる素晴らしい写真です。

    私自身はこの「お腹が大きい時期に子供と一緒に写真を撮る」という習慣が日本でも根付けば良いなと思うのですが、日本人は妊婦の姿に美しさを感じない人が多いのか、あまり写真を残したがらないようです。
    家族の繋がりや親子の愛情を表現した、とても良いテーマだと思うのですが。


    さて、プロの写真家の作品にも親子をテーマとしたヌードは古くから存在します。
    身籠った母と幼い子のツーショットも少なくありません。
    そのいくつかを年代順に見ていきましょう。


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    最初はフランスの写真家、ジェラール・マロ(1946- )による1985年の作品。
    ジャーナリストのヒューゴ・マーサンが文章を執筆している写真集「Le Fils d'Ariane」に収録されています。
    どの作品も母親と息子のほのぼのとしたツーショットで、息子の年齢は幼児から青年までと様々。
    顔が似ているので、本当の親子であることは一目瞭然。
    だからこそ真実の愛が伝わってきます。

    作者のジェラール・マロは1970年代から活動しているフランスの写真家。
    光と影を巧みに使った芸術的で審美的な作品の多い作家ですが、親子をテーマとしたこの写真集では、命の尊厳や母性を前面に押し出した作品が主となっています。

    catawiki.comより
    Hugo Marsan, Gérard Marot - Le fils d'Ariane - 1986



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    これはイギリスの写真家、ロン・オリヴァー(1959- )による1994年の作品。
    写真集「As Far As The Eye Can See」に収録されている親子のポートレイトです。
    極めてシンプルな、まさに家族の記念の肖像撮影といったところですが、すべてモデルとなった親子からの依頼により制作されているそうです。

    作者のロン・オリヴァーは1959年にイギリスの首都、ロンドンで生まれました。
    彼は学生の頃に友人や家族を撮影し始め、高校卒業とともに写真家としてのキャリアをスタートさせます。
    1980年代から90年代にかけていくつかの写真集を出版しており、とくに家族をテーマとした肖像写真は高い評価を得ています。

    【Ron Oliver, Photographer - Official Website】
    http://www.ronoliver.eu

    天牛書店より
    書籍詳細 - As Far As The Eye Can See



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    これはアメリカの写真家、ジョージ・クラウス(1937- )による写真作品。
    左は1985年の作品「Nudi. Mother & Son」、右は2003年の作品「Vera Lifts Sochi」
    右の写真の母親はもう臨月に近そうですね。

    作者のジョージ・クラウスは1937年にペンシルベニアで生まれ、現在はテキサス州ウィンバリーに住んでいます。
    1950年代にフィラデルフィア芸術大学で絵画、彫刻、写真を学んだ彼は、1957年から1959年にかけて米軍に勤務し、サウスカロライナ州の地域社会にて黒人地区の文化を記録し続けました。
    その後ドキュメンタリーの方向性を変え、人間の体をテーマとして素晴らしい作品を生み出しています。

    【George Krause Fine Art】
    https://georgekrause.com



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    これはスペインの写真家、ペレ・フォルミゲーラ(1952- )による写真作品。
    「Maternitat」と題された作品で、オフィシャルサイトには「最も純粋で最も激しい愛」という説明が記されていました。
    母性愛はまさにそのとおり。

    作者のペレ・フォルミゲーラはスペインのバルセロナ生まれの写真家。
    書籍やカタログ、雑誌等の写真も手掛け、これまでに数多くの書籍を出版しています。
    1995年には文化省による賞を獲得し、1997年にはイタリアで開催された「ボローニャ国際児童図書展」にてイノベーション賞を受賞。
    2010年にはこれまでのキャリアが認められ、サン・クガ賞を受賞しています。

    画像出典:【Pere Formiguera】
    http://www.pereformiguera.com



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    これは日本の写真家、荒木経惟(1940- )による2008年の作品。
    「熊本ララバイ」という写真集に収められた母親と赤ちゃんのヌード写真です。

    「四国新聞社 2008年10月31日の記事」
    2008年11月、荒木氏の母子ヌード写真を展示する「熊本ララバイ展」が熊本市現代美術館で開催されました。
    「赤ちゃんとお母さんを通して命の尊さを見詰め直したい」と同館が企画し、母子を一般公募して撮影したそうです。

    作者の荒木経惟氏は1940年、東京市下谷区三ノ輪の生まれ。
    千葉大学工学部、写真印刷工学科を卒業後「電通」に勤め、1972年に退社してフリーとなりました。
    数々の賞を受賞した日本の写真家であり、アラーキーの愛称でも知られています。

    荒木氏といえば性愛的な作品で有名な写真家ですが、母性愛あふれる作品も手掛けていたんですね。
    愛の原点は母にありといった感じでしょうか。

    【荒木経惟オフィシャルサイト】
    http://www.arakinobuyoshi.com

    画像出典:ebay
    Nobuyoshi ARAKI "Kumamoto Lullaby" 2008 Photo Book Rare

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    パオラ・デ・グレネットさんの写真作品(リンク)

    日常を幻想的に美しく表現する写真家、パオラ・デ・グレネットさん(1971- )をご紹介。

    現在スペインで活動している女性写真家です。
    著作権の関係で画像は掲載できませんので、作品はオフィシャルサイトにてご覧ください。

    【Paola de Grenet | Barcelona based photographer】
    http://paoladegrenet.com

    彼女の子供たちを写した作品はSweet Nothings、成長をテーマとした作品はGrowing Up (in progress)のページでご覧になれます。

    風景、静物、動物、人間・・・様々な被写体を正面からシッカリと見据えたいわゆるポートレイトですが、彼女の作品には日常と非日常が絡み合う幻想的な雰囲気を感じます。
    また、そんな幻想的な雰囲気にモデルの子供たちが違和感なく溶け込んでいるところが素晴らしいですね。

    作者のパオラ・デ・グレネットさんは1971年にイタリアのミラノで生まれ、イギリスのロンドンの芸術大学「キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ」でグラフィックデザインを学び、1999年に写真家となりました。
    イギリスの出版社で数々の雑誌の写真を手掛け、2003年にスペインのバルセロナに移住してからはスペインの雑誌の仕事を続けています。

    そのかたわら個人的な写真プロジェクトも手掛けており、作品は写真誌や数々のフォトフェスティバルで展示され、いくつかの賞を獲得しています。
    アルビノの人々をテーマとした作品の評価も高く、単なるポートレイトの枠を超え、我々が考えるべき深いメッセージを投げかけているかのようです。

    彼女は写真撮影という行為についてこう語っています。
    『私にとっての写真撮影は、アイデンティティ、偏見、美しさなど、他人を学ぶことによって自分自身についても学んでいます。写真は私を外の世界と繋ぐものです。』

    とてもよくわかります。
    写真は撮影することも、鑑賞することも、そこから学べることはとても多い。
    様々な世界へといざなってくれる写真という存在は、とても有り難いものです。


    Googleの画像検索で「Paola de Grenet」を検索

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    書籍「The Boy a Photographic Essay」

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    アメリカのブック・ホライズン社が1964年に出版した写真集「The Boy a Photographic Essay」
    タイトルのとおり写真で構成されたエッセイ集で、複数の写真家による400枚近い作品が収められています。

    とくに多く収録されているのが、1963年の映画「Lord of the Flies」(邦題:蝿の王)に出演した子役たちの写真。
    アメリカの写真家、ケン・ヘイマン(1930- )が映画のロケ現場で撮影したもので、メイキングシーンとしても貴重な記録となっています。

    「Lord of the Flies」は1963年に公開されたイギリス映画で、原作は1954年出版のウィリアム・ゴールディングの小説。
    そのストーリーは・・・

    大戦中に疎開地へと向かう飛行機が墜落し、乗員である少年たちは南太平洋の無人島に置き去りにされてしまいます。
    少年たちはこの島で生き抜くために規則を作り、みんなで協力し合おうとしますが、次第に派閥ができ、争いが起き、そしてとうとう仲間同士の殺戮が・・・というもの。

    19世紀以前に流行した、孤島に漂着する物語の派生とも言えますが、この作品はそれまでとは正反対の悲劇的な展開となっています。
    さらに映画では、イギリスが核攻撃を受けたため陸軍幼年学校の生徒が疎開先へと向かう途中で遭難した、という設定になっているそうです。

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    映画の制作にあたってはイギリスの子役が多数動員され、実際に孤島でロケーションがおこなわれました。
    自給自足ではありませんが、まさに小説のストーリーと同じく、子役の少年たちは島での集団生活を経験したわけです。

    このときアメリカ人写真家であるケン・ヘイマンも同行し、少年たちの様子を記録していました。

    映画の公開は1963年でしたが、島で撮影がおこなわれたのは1961年。
    そのときの様子は当時のLIFE誌にも掲載されました。

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    LIFE 1963年10月25日号より
    (Time Inc.提供によるLIFE誌のフリー・アーカイブ)

    ケン・ヘイマンは20世紀を代表するアメリカの写真家。
    高校生のときに写真に興味を持った彼は、コロンビア大学在学中に2年間の兵役を経たのち本格的に写真家を目指します。

    大学で人類学者のマーガレット・ミード教授の生徒となったことが、彼にとっては何よりも幸運でした。
    彼はミード教授に写真エッセイによる論文を提出し、このことで教授の研究とヘイマンが撮影した写真は互いに重要なものとなり、以後20年以上に渡る交友が始まったそうです。

    ヘイマンはこれまでに60カ国以上の国で撮影をおこない、LIFE誌を始め多くの雑誌に写真を掲載しました。
    またそれらの作品はロサンゼルス現代美術館、ニューヨーク国際写真センター、ホールマーク・ギャラリー、パリのサブリスキー・ギャラリー等でも展示されています。

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    1964年発行の写真集「The Boy a Photographic Essay」には、映画「Lord of the Flies」の子役たちの写真が多数収められています。
    島での生活ぶりを捉えた写真は好評を博し、1966年と1967年にも再販されました。

    「Lord of the Flies」は原作であるウィリアム・ゴールディングの小説も、ピーター・ブルック監督による1963年の映画も、ともにファンの多い名作です。
    ヘイマンが撮影した子役たちの写真も負けず劣らずの名作揃いですので、小説や映画と合わせてご覧になるとより深い魅力を味わえることでしょう。


    Amazon.comより
    The Boy A Photographic Essay Hardcover – 1967
    Harper’s Booksより
    The Boy: A Photographic Essay.

    YouTubeより
    Lord of the Flies (1963)
    標準の YouTube ライセンス

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    書籍「Strandläufer ~Sandpipers」

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    フランスの写真家、ジャックス・デュバル(生没年不明)による1988年の書籍「Strandläufer ~Sandpipers」
    ドイツのJanssen-Verlagという出版社から発行された、全編モノクロの写真集です。

    作者のデュバルに関しては、生い立ちや経歴についてはほとんどが不明です。
    しかし地元フランスの子供たちのイキイキとした姿を捉えた彼の作品は現在も評価が高く、貴重な記録にもなっています。

    タイトルの「Strandläufer」とは鳥の「イソシギ」のこと。
    Strandläufer がドイツ語で、Sandpipers が英語。

    イソシギとは海浜や河口などに生息するシギ科の鳥ですが、デュバルは何故このタイトルを付けたのでしょうか?
    きっと彼は、いつも浜辺で遊んでいる少年たちとイソシギに共通点を見つけたのでしょう。
    イソシギの写真とデュバルの作品を並べてみると、たしかに非常に似通っていることがわかります。


    【飛び立つイソシギ】

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    イソシギと人間の子じゃまるで違うだろうと思ったら大間違い。
    翼を広げたイソシギのように力強く跳ね、飛びまわる子供たちの姿。

    夏の強い日差しの下、速いシャッター速度で捉えた彼らの姿は、鳥のごとく優雅で、大胆で、躍動感に溢れています。
    このときばかりは天使ではなく、イソシギとして夏を謳歌するのです。



    【たたずむイソシギ】

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    砂浜にたたずみオブジェと化す。
    それは目を凝らすと、ときにイソシギであったり、ときに遊ぶ子供たちであったり。

    単なる生き物の姿が、そこでは緻密に計算され形作られた彫刻作品のように、見る者に感動を与えます。
    それは我々に命の尊さを教えてくれているかのようです。



    【戯れるイソシギたち】

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    体操競技のように、祭りのように、そしてイソシギのように戯れ躍動する子供たち。
    目まぐるしく変化し、いっときたりとも同じ所にはいない。
    太陽の熱い日差しと爽やかな海風に呼応し、少年たちは今日もイソシギとなる。

    そしてその光景を見た人々は思うのです。
    命とはかくも素晴らしきものだったのかと・・・

    (イソシギの画像はパブリックドメインのフリー素材を使用しました)

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    書籍「Studio-Kinder」

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    ドイツの写真家、ダリオ・レイトナー(生没年不明)による、1989年に出版された写真集「Studio-Kinder」

    タイトルは訳すと「スタジオの子供」となりますが、鍛えた体をした少年たちのポートレイト集です。
    1500部しか印刷されなかったため、今では大変希少な本となっているそうです。

    Amazon.comより
    Studio Kinden (Boy Photobook) Paperback – 1989


    全てスタジオ内で撮影された、肖像画のようなモノクロ写真の数々。
    写真家のダリオ・レイトナーはこの84ページの大作のために、12歳の少年たちをモデルとして起用しました。

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    これは私の推測ですが、この本のモデルはスポーツクラブの生徒たちではないでしょうか?
    というのも、どの子もかなりの筋肉質で胸板が厚く、どう見ても一般の子供の体形ではないからです。

    体操クラブ? 水泳教室? それともボディービル?
    12歳にしてはかなり鍛え上げられており、とくに上半身の筋肉の発達には目を見張るものがあります。
    まるでギリシア彫刻のような荘厳ささえ感じます。

    写真のモデルといえば通常はスラリとした男女を採用するものですが、この写真集は初めから筋肉美をコンセプトとしていたのでしょう。
    そのため美術的見地だけでなく、ジュニアスポーツや医学の観点からも貴重な資料となっています。

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    素人モデルに対する配慮か、撮影はパンツや布で下半身を隠した状態でおこなわれました。
    しかし少年たちの中には自ら全裸になる者も少なくなかったようです。
    普段から体を鍛えているので、全身を誇示したいという気持ちがあったのかもしれませんね。

    男性の第二次性徴期の特徴である筋肉の発達。
    筋力トレーニングでその特徴をさらに際立たせた子供の写真は歴史的に見ても希少です。

    作者のレイトナーについては詳細不明ですが、彼の作品はアメリカの写真家アーヴィング・ペン(1917-2009)の女性写真や、ドイツの写真家ハーバート・リスト(1903-1975)の男性写真に匹敵する人体研究であると言われています。

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    書籍「Chrysalides」

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    イタリアの写真家、マウロ・バートンチェロ(生没年不明)が1985年に出版した写真集「Chrysalides」
    まるで中世の遺跡に精霊たちが現れたかのような、非常に幻想的な作品です。

    Amazon.itより
    CHRYSALIDES: PHOTODREAMS Copertina rigida – 1985


    ChrysalidesとはChrysalis(クリサリス)の複数形で、サナギのこと。
    そう、蝶などが成虫になる前のあのサナギです。

    もう幼虫ではない・・・でもまだ成虫にはなれない・・・
    不安定で不確定な殻の中、静かに目覚めを待つサナギの少女たち。

    少女といっても小さな子供ではなく、思春期の少女たちです。
    具体的に言えば、胸が膨らんで隠毛が生える第二次性徴が現れてからの少女たち。

    しかしだからこそ、おとぎ話の精霊のような妖しげな雰囲気を醸しているのでしょう。

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    硬く冷たい無機質な石畳と、霧のように漂う柔らかな少女たちとのコントラスト。
    ページをめくればそこに現れるのは夢うつつな幻想世界。

    ソフトフォーカス(フォギー?)気味な描写も、シャッター速度が追いついていない被写体のブレも、増感現像したかのような粗い粒状感も、すべて作者の思惑どおりであるかのような完成された世界観がそこにはあります。

    以前の記事でフランスの写真家ジェラール・マロの作品は彫刻的であると言いましたが(該当記事)、こちらのバートンチェロの作品はまさに絵画的と言えますね。
    モノクロ写真でありながら、その場の空気感まで伝わってくるようです。

    作者のマウロ・バートンチェロはイタリアのビエモンテ州北東部の都市、ノヴァーラ出身の写真家。
    詳細はほとんどわかりませんでしたが、肖像画や裸婦作品で有名な方だそうです。


    File:Mb-Chrysalides.jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    タグ: Europa  少女  OldPhoto  CC-License  ♂♀ 

    天使の立ちション、クリエイション!

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    Copyright : RUKA

    私の部屋に飾っている日本のバンド「クリエイション」のCD。
    以前Amazonで購入した時に一度紹介しましたね。(該当記事)

    今回も音楽ではなくジャケットの話なんですが、このジャケット写真を撮影した写真家が誰なのかがわかりました。
    なんとあの名作写真集「少女アリス」の作者、沢渡 朔さんでした。

    沢渡朔氏といえば「少女アリス」「海からきた少女」等の少女写真集から、アイドルや女優のヌード写真集、そして松任谷由美や南野陽子のレコードジャケットも手掛けるなど、様々な女性を撮影した日本を代表する写真家ですが、男の子を撮ったこともあったんですね。

    このアルバムが発売されたのは1975年ですが、モデルの扱いにおいては1973年の「少女アリス」の時とはまた違う苦労があったことと思います。
    少女アリスのサマンサちゃんは6歳でありながら非常に清楚な雰囲気を醸していましたが、このジャケットの男の子たちはいかにもヤンチャな庶民の子といった感じで、演技指導があったのかどうかさえも写真からは汲み取れません。

    床に立ちションする裸の男の子たち、バスにすし詰めの裸の男の子たち。
    1975年当時の感覚からしてもじつにシュールで、それでいてコミカルで微笑ましい光景。
    まさにクリエーション(創造)の名に相応しい作品ですね。
    こんな小さなCDではなく、当時のLPレコード(31cm四方)を飾って眺めたくなります。

    よく見たら立ちションしている真ん中の子と、バスのワンマン表示の下に写っている子、どちらも同じ子ですね。
    当時の男の子でこの髪型は珍しいなぁ。
    この子も今や50歳近いかと思うと、感慨深いものがあります。

    タグ: 日本  少年  ♂♀  OldPhoto  RUKA 

    いらっしゃいませ

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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
    また、公序良俗に反する画像や違法な画像、猥褻な画像は一切ありません。
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    当ブログはFlickrにて一般公開されている写真から、シェアが可能なもの(SNSやブログでの表示が許可されているもの)を選んでご紹介しています。

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    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:21年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
    1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。
    サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。
    6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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