泥遊びのメリット

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    皆さんは子供のころ泥遊びをしたことがありますか?

    「泥遊び」または「泥んこ遊び」とは、地面にある土を粘土のようにこねたり、形を作ったりと、無邪気さと創造力が存分に発揮される子供の遊びのひとつです。
    泥だらけになった姿が面白いので、互いに泥を付け合う、投げ合うといった遊び方もあります。(上の写真)


    野生の動物にとってはありふれた「土」という環境。
    我々が食べる野菜も果物も、土壌無くしてはシッカリとは育ちません。
    地球環境の保全は土の地面があればこそであり、我々人間は土の恩恵を多大に受けています。

    ところが人々の中には土との接触を嫌ったり、子供に泥遊びをしてほしくないと考える親も少なくありません。
    もちろん洗濯が大変だというのも理由でしょうが、洗濯が一苦労だった昔よりもさらに泥遊びをする子が減ったのは、衛生面を気にする親が増えたというのがひとつの要因だと思います。

    たしかに人によっては感染症になったり、傷口の炎症やかぶれが生じることもあります。
    しかし幼少期の泥遊びには良い面が多いのも事実です。
    今回は「子供の泥遊びのメリット」について考えてみましょう。


    泥遊びのメリット その1

    【免疫力の強化】

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    たしかに土は決して清潔だとは言えません。
    しかしその多少の不潔さが、子供たちの免疫力を高めてくれるのです。
    土の中の微生物や菌が体内に入ることによって、成長期の子供たちはそれらに対する抵抗力・免疫力を身につけていきます。

    <衛生仮説>

    子供の頃にある程度の細菌にさらされていたほうが抵抗力がつく、という説を「衛生仮説」と言います。
    乳幼児期の環境が清潔すぎるとアレルギー疾患の罹患率が高くなるという説ですが、これらはアメリカのジョン・ホプキンス児童センターやドイツの医科学チームの研究結果により裏付けられています。

    もちろん土の中には悪さをする雑菌もいます。
    しかし子供には無菌状態で育つデメリットのほうが心配です。
    健康に害があると考えて泥遊びを敬遠している親がいるとしたら、それはかえって子供を健康から遠ざけているということになりますね。

    畑仕事をしている人は健康で長生きだと言われていますが、これは運動面だけではなく、普段から土に接していることで免疫力が高まっていると考えることもできるでしょう。



    泥遊びのメリット その2

    【創造性を育む】

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    泥遊びは子供たち自身が遊び方を考え、実践して楽しむものです。
    溝を作って道路や水路のようにしたり、トンネルを掘ったり、山を作ったり、泥団子をこねたり。
    手先の器用な子なら美術作品のようなものも作れるかもしれませんね。

    <自然がくれた遊び道具>

    お家での粘土遊びであれば量に限りがありますが、天然の粘土、つまり土は大量にあり、しかも気に入らなければグチャグチャに壊しても良い、そのまま放っておいても良い、というほぼ制約なしの材料。
    子供たちは思う存分、想像力と創造力を発揮できます。

    また、泥遊びというのは意外と体力を使うものです。
    水を含んだ土は重く、思い描いたものを作るためにせっせと動き回ることもあるでしょう。
    夢中になって遊んでいるだけでもかなりの運動なので、体力づくりにも効果的です。



    泥遊びのメリット その3

    【ストレスの解消】

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    ここまで読んで、「公園の砂遊びじゃダメなの?」と思った人もいるかもしれません。
    いいえダメではありません。
    公園の砂遊びでも同じメリットがあります。

    しかし水を含んだ土は砂よりも固まりやすく崩れにくいので、粘土遊びのようなことをするなら土が最適。
    それに公園の砂場では勝手に水を流したりはできませんからね。

    <セロトニン>

    沼地など水の多い場所では、全身を包むヌルヌル感を楽しむこともできます。
    ドロドロ、ネトネト、ヌルヌル、ビショビショ・・・水の量で様々に変化する泥の感触。
    これら手や体を通して得られる独自の感触や楽しさは、子供たちの精神面に良い影響を与えてくれます。

    人間は手触りの良いもの、楽しいものに触れると、脳内に「セロトニン」という物質が分泌されます。
    セロトニンは精神を安定させる作用があり、うつ病の予防やストレスの軽減に効果があると言われています。

    とはいえ「こんなに汚れたらお母さんに怒られる」と不安になるようではかえって逆効果ですので、泥遊びではどんなに汚れても良いとお子さんに言ってあげてください。



    泥遊びのメリット その4

    【友達とのふれあい】

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    泥遊びはひとりでも遊べますが、何かを作るにしても泥まみれになってはしゃぐにしても、友達と一緒に遊べば楽しさは倍増し親密感も深まります。

    ときには作ったものを壊されたり、ケンカになることもあるかもしれません。
    でも肌に触れ合いながら同じ感触を味わっているのだという思いが一体感をさらに高め、互いに助け合える仲となるでしょう。
    泥遊びは友情を深めるのにも最適なのです。

    <泥遊びは世界共通>

    こういう遊びは川や沼などの水辺でしかできませんし、危険物(尖った石など)が無いかどうかのチェックも念入りにおこなう必要がありますが、世の中には「田んぼ」という人工的な泥の場があるわけですから、自治体などがたまには使っていない田んぼを子供たちに開放してあげてほしいですね。(地方ではたまにおこなわれているようです)

    日常生活では経験できない全身ヌルヌルは、大人でもはしゃぎたくなる楽しさです。
    実際に海外では、大勢で泥プールに入る「マッド・フェスティバル」なるイベントも催されています。


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    Mud Fest 2008
    Copyright : Shawn Perez
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    人間になれたら...

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    以前の記事で、絵画の中の人物が本物の人間になって現れたら・・・と考えてみたことがありましたが(該当記事)、イメージを掴みやすいのは絵画よりもむしろ彫像のほうでしょう。
    もともと彫像は駅前や公園にも設置され、街の風景にすっかり溶け込んでいますから。

    彫像が勝手に動き出したらそれこそホラーですが、数十年前までは夏になると、動く芸術作品があちらこちらの水辺で見られたものです。
    公園の池でも、動かぬ芸術作品のそばで動く芸術作品がはしゃぎまわる光景は珍しくありませんでした。

    今回は「もし彫像が本物の人間になったら・・・」というテーマで、同じポーズをしている画像を並べてみました。

    上の画像はスコットランドの彫刻家、ジョージ・レニー(1802-1860)による1831年の大理石像「Cupid Rekindling the Torch of Hymen」

    ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で展示されている、婚姻の神ヒュメンの像です。
    いつもライトで照らされているとはいえ、もし人間になれたら暖かい太陽の下で水浴びしたいでしょうね。


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    ハンガリーの彫刻家、ベニ・フェレンツィ(1890-1967)によるブロンズ像「Kisfiús díszkút」

    首都ブタペストのベルヴァーロシュという街の通りに設置されているこの像は、うつむき加減でどことなく寂しげ。
    もし人間になって自由に歩けたら、少しは笑顔になれるでしょうか?
    潮風を気にすることなく、広い海岸を歩かせてあげたいですね。


    街にある彫像がなぜ裸なのか、考えてみたことがありますか?
    現代社会の中で我々がつい忘れがちな、生命への敬い、自然からの恩恵、そして人間であることの意味。
    それらを無意識のうちに理解させてくれるのが、真の姿、すなわち心の鏡としての彫像たち。


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    フランスの彫刻家、フランソワ・ジョゼフ・ボジオ(1768-1845)による1817年の大理石像「Hyacinth」
    右はフランスの写真家、ジェラール・マロ(1946- )による1982年の写真作品。

    ルーブル美術館で展示されている横たわるヒアキントスの像。
    頭に円盤が当たって倒れ込んだシーンですが、その美しい姿態はたくさんの人を感動させています。
    もし命を吹き込まれたら、さらに多くの人を魅了することでしょう。


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    スイスの彫刻家、アンリ・ケーニッヒ(1896-1983)による1975年のブロンズ像「Adolescent」
    右はフランスの写真家、ジャックス・デュバル(生没年不明)による1985年の写真作品。

    ジュネーブのヴォルテール博物館の前で、腰に手を当てて立っているスタイルの良い男の子の像。
    もし人間になったら、この場所で交通安全運動でもしてもらいましょうか。
    えっ?わき見運転が増えそう?


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    アメリカの彫刻家、チャールズ・レイ(1953- )による2006年の彫刻作品「The New Beetle」

    車のオモチャで遊ぶ彫像の男の子も、浜辺で弁当箱のようなものを開ける人間の男の子も、どちらもくつろいでいることに違いはありません。
    違うのは、かたわらに家族がいるか否か。


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    ドイツの彫刻家、ジークフリード・クレープ(1930-2013)による1970年のブロンズ像。

    住宅街の公園に設置されているこの彫像は、人間になっても逆立ちを続けるのでしょうか?
    雨の日も、風の日も、来る日も、来る日も・・・。


    人形が人間になるという話で最も有名なのは、イタリアの作家、カルロ・コッローディ作の童話「ピノッキオの冒険」
    ピノキオの名でも知られ、多くの映画やアニメーションが作られました。

    「人間になれたピノキオは幸せだったのだろうか?」という疑問は今でも論じられることです。

    街の彫像は人間になれたらはたして幸せなのでしょうか?
    美術館の彫像はすぐにでも外に出たいと思うかもしれません。
    駅前の彫像はもっと静かな場所に行きたいと思うかもしれません。

    しかし彫像たちはきっと、動きたいとは思っても人間になりたいとは思わないでしょう。
    何故なら彼らは、自分たちに課せられた大切な役割を知っているのだから。
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    書籍「Images Souvenirs」

    以前このブログで、子供が最も美しかった時代は1980年代だった、という話をしたことがありましたが、ノスタルジー的感情を抜きにしてもそれは正しいことだろうと思います。

    日本でもそれなりに衣食住が整い、子供たちは健康面においても精神面においても余裕のある生活をしていました。
    文部科学省のデータによると、小学生の運動能力が最も優れていたのは1985年頃だったそうです。

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    これはそんな1980年代にフランスの出版社から発行された「Images Souvenirs」という書籍。
    当時の(あるいはそれ以前の)フランスの子供たちの日常を捉えたモノクロの写真集です。
    撮影者の名前が書かれていないので複数のカメラマンによるオムニバスだったのかもしれません。

    タイトルは「思い出の写真」という意味。
    面白いのは、日常のスナップであるがゆえに80年代当時の雰囲気が色濃く出ているところ。
    こうして数十年後に鑑賞してこそ、「思い出の写真」というタイトルが活きてきますね。

    裏表紙にはさりげなく「かつて子供だったことを忘れていない人のための笑顔の本」という言葉が書かれていました。(もちろんフランス語で)
    そのとおり子供たちの笑顔の日常が垣間見れる写真集です。

    上の写真の子は髪型も整っていてなかなかオシャレですね。
    ピンクパンサーのTシャツが懐かしい!


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    左の子は長髪でボーダー柄のシャツ、ジーンズの半ズボン、そしてハイソックスと、当時の典型的な男児の姿。
    昔はなんであんなにボーダー柄が多かったんでしょうか?
    右側の子はジーンズの上に短パンを穿いていますが、これは当時でも珍しいかも。


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    その短パンですが、スポーツ用は今よりもかなり小さめでした。
    運動会など屋外のスポーツ大会では外で着替える子も多く、グラウンドの隅が美術館と化していました。
    それと当時の体育の授業は冬でも短パンでしたね。


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    左の子が持っているのはカードでしょうか?
    現代っ子がこういう姿勢をしていたら、それは携帯ゲームかスマートフォンか。
    右の子は路上で週刊誌を読んでいますが、まさかグラビアページ目当てかい?


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    家に帰ったらお風呂に入りましょう!
    脱いでいるパンツがトランクスではないところに時代を感じます。
    でも日本はこの頃ほぼ全員が白ブリーフだったので、フランスの子はやっぱりオシャレだったということかな。
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    J.L.デルモンテの彫刻作品

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    ベルギーの彫刻家、J.L.デルモンテ(生没年不明)による、水をかぶる少年のブロンズ像。
    場所は公園の休憩所でしょうか?
    こういう涼しげな像を見ながら1日をのんびり過ごすのも良さそうですね。

    この彫像、下が池になっており、バケツのところから水が出るようになっています。
    この子は罰を受けているわけでも荒行をしているわけでも、アイス・バケツ・チャレンジをしているわけでもありません。
    たぶん川などで沐浴しているシーンでしょう。

    各地の公園には噴水彫刻が設置されていることがありますが、このように本体に常に水が掛かる構造のものは少ない気がします。
    いくらブロンズでも常に濡れていたら腐食しやすいですから。
    水垢も付きやすいので日々の手入れは大変でしょうが、訪れる者にとっては非常に見応えのある像だと思います。

    また、少女ではなく少年であるところもよく考えられています。
    何故かって、男性なら風呂で湯をかぶったときにわかると思いますが、勝手に小便小僧になってしまうんですよね。(^^)
    そんな水の動きの面白さもこの像の魅力といったところでしょうか。

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    同じ姿の人間と彫像。
    「ちょいとそこの少年くん、バイトしないかい? 水をかぶるだけの簡単な仕事さ!」
    もしこんなことを言われても、実際にやるのは超大変。
    1時間もやっていたら手足はふやけ、体は冷えきり、確実に風邪をひいてしまいます。

    やはりこういうことはブロンズ像にまかせたほうが良いみたいですね。

    作者のJ.L.デルモンテに関しては情報がまったく得られませんでした。
    検索してもトマトケチャップばかり見つかります。(T_T)
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    Partridge Boys in Alabamas

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    アメリカの写真家、イモージン・カニンガム(1883-1976)による1924年の作品「Partridge Boys in Alabamas」

    自分の子供が海辺で遊んでいるところを撮影したものだと思いますが、演出したようでもありドキュメンタリーのようでもある不思議な画作りですね。
    喜怒哀楽のどれでもない、いやむしろ全てを含んでいるかのような深さを感じさせます。

    作者のイモージン・カニンガムはアメリカの有名な女性写真家。
    ポートレイト、花のクローズアップ、ヌードなどのシリーズで知られています。

    オレゴン州のポートランドにて10人の子のうち5番目の子として生まれた彼女は、ワシントン州のシアトルで育ちました。
    1901年にワシントン大学に入学し写真化学を学んだ彼女は、そこでアメリカの女性写真家、ガートルード・ケーゼビアの作品に出会い、大いに魅了され、このことが写真家を志すきっかけとなりました。

    1907年にワシントン大学を卒業し、写真化学の学位を取得。
    その後ドイツに留学し、1910年にはシアトルに写真スタジオを開いています。

    数々の秀逸な作品を発表し、1913年にブルックリン美術館にて作品を展示。
    1914年にはニューヨークの国際絵画写真展にも出展しています。

    1968年に美術学博士として名誉博士号を与えられ、2004年に国際写真博物館にて殿堂入りを果たしています。
    彼女の3人の子供のうちのひとりも、後に写真家となったそうです。

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    こちらの写真は1923年に撮影された「Twins with Mirror」という作品。
    彼女の子供であろう双子の少年が床に置かれた鏡を見ているシーンです。
    日常の切り取りでありながら、美しくも不思議な雰囲気を醸しています。

    どの写真も100年前の撮影とは思えないほど状態が良く、天使の姿を明確に伝えています。
    たった100年では人の姿はそうは変わらないのだと教えてくれています。

    しかし、人の心は不変だとは言い切れません。
    100年前と今とでは天使の心は変わったのか、変わっていないのか・・・。
    彼女の作品を鑑賞し、そんなことを考えさせられました。
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    1970年〜1980年の男子用水着

    「水着」とは読んで字のごとく水に入るときに着るもの。
    英語の「Swimwear」もスイム(泳ぐ)のウェア(着る)ということで意味は同じですね。

    しかし水着には昔からもうひとつの側面があります。
    体の隠したい部分を隠しつつ、体の形を見せるための着衣でもあるということ。

    たとえば体を使って表現するパフォーマーやダンサーは小さな水着のみをコスチュームとすることもありますし、ボディビルダーもステージではビキニパンツを穿いています。
    体の形や動きを余すところなく見せたいが、股間だけは見せるわけにはいかないのでビキニ等を着用しているわけです。

    そして昔からお馴染みなのが水着モデル。
    水着を見せるためのモデル、あるいは水着を着た自分を見せるためのモデルです。
    水着メーカーやアパレル業界の広告も含めれば、子供から成人まで男女を問わずたくさんの水着モデルが存在します。

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    さてその水着ですが、歴史は意外と浅く、最初に登場したのは19世紀のこと。
    人間はもともと水に入るときは裸もしくは下着姿でしたが、1800年代に交通網の発達により海水浴が一般的になると、人々は水に入るための特別な服、つまり水着を着るようになりました。
    その頃はボディ全体を覆うスーツタイプが主流でしたが、1900年代に入ると次第に肌の露出部分が多いデザインへと変化していきました。

    そして1946年、フランスのデザイナー、ジャック・エイムによって画期的な水着が登場します。
    それはビキニ環礁の水爆実験のインパクトに例えて名付けられた「ビキニ」という水着でした。
    肌が大きく露出する女性のツーピース水着で、当時の人々には衝撃的な印象を与えたようです。

    ビキニといえば長らく女性の水着として知られていましたが、1970年代から男性もビキニを着用する者が増え始めました。
    これはオリンピック等の水泳競技の影響が少なからずあります。
    今でこそ人間の肌よりも水抵抗の少ない素材が開発され、太ももまで覆うスパッツタイプの水着が主流になりましたが、当時は布面積は小さいほうが有利と考えられていたため、多くの男子選手がビキニ水着を着用していました。

    ファッション性や目新しさもあって、各水着メーカーがこぞって一般向けビキニを発売していたのがこの頃。
    もちろん子供用もありましたし、デザインも様々なものがありました。
    しかし1980年代後半になると次第にトランクスタイプが主流となり、ビキニの使用者は急速に減少していきました。

    今回は昔を懐かしむ意味で、1970年代から1980年頃にかけての男子用水着をご紹介します。
    引用した画像は当時撮影された、ドイツの少年たちの水着ポートレイト。
    著作者の詳細は不明ですが、過去にウェブサイトで公開されていた画像です。

    当時の男子用水着の資料がこれしかなかったのでこれをもとに解説していきたいと思いますが、著作者から削除要請があれば削除しますのでご了承ください。


    【ブリーフ型水着】

    日本では一般的に海水パンツ(海パン)と呼ばれていたタイプで、かつては水泳競技でも使われていました。
    ヘソが隠れるほど股上が深いものから、ビキニに近いローライズなものまであり、トランクス型が普及するまでは男性の水着といえばこれでした。
    日本の小学校では古くから紺色のブリーフ型を学校指定の水着(スクール水着)としてきましたが、近年は水着を指定しない学校も多いようです。


    「単色無地」
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    赤色、青色のみの生地を使ったシンプルな水着。
    この写真の水着は日本のスクール水着よりも少し股上の浅いタイプですね。
    ちなみにモデルの名前は左がアンディ君、右がマルセル君。


    「柄物」
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    左の水着は星型模様とストライプ。昔からよくあるデザインです。
    右の水着はショートボクサーパンツのような形で、幾何学模様が並んでいます。
    モデルは左がジャン=ピエール君、右がギュンター君。


    「珍しいタイプ」
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    今ではまず見かけないであろう珍しい水着。
    左の水着はタオル地で、ポケットにヒモが付いています。
    右の水着はなんと布のベルト付き。締めるためではなく、これも含めたデザインなんでしょうね。
    モデルは左がティエリー君、右がダニエル君。

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    70年代エンジェル

    "Tres Amigos" a Gaeta Elena '74 (No.3d)

    1974年当時のイタリアっ子たち。
    左からビキニ、ブリーフタイプ、ローライズビキニだね。
    スタイルの良い子はこういう水着が似合うなぁ。

    "Tres Amigos" a Gaeta Elena '74 (No.3d)
    Copyright : Chris Joseph
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)
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    ステファン・ザントマンの写真作品

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    ドイツの写真家、ステファン・ザントマン(生没年不明)による写真作品。

    作者については詳細どころか、名前以外まったく不明です。
    よって今回は作品の印象のみを述べた記事になってしまいますが、ご了承ください。

    この作品は石を組んだ壁を少年がよじ登っているところを捉えたものです。
    撮影年がわかりませんが、左下の石に1961と書かれていますね。

    この写真は3つの意味で芸術性を感じさせます。(あくまでも私の主観ですが)
    ひとつは背景。
    明るい石と暗い陰による市松模様のようなコントラストが、画面に力強さと安定感を与えています。

    二つめは構図。
    斜めになって片足を上げているポーズにより、動的な印象が強く表現されています。
    少年の体が画面の左半分を占め、このままでは絵的なバランスが悪いのですが、それを右半分のツタが補っており、全体的にはバランスのとれた構図となっています。

    三つめは人体の魅力。
    背中に浮き出た筋肉と力強いポーズは、ギリシア彫刻のようにそれそのものが鑑賞に値します。
    鉱物である石、植物であるツタ、生物である人間。
    自然が生み出したこの三者が絶妙なバランスで絡み合っている、絵画のような思慮深い作品となっています。

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    こちらは水辺で遊んでいる子供たちを撮影したものですが、これも良い瞬間を捉えていますね。
    画作りもどこか独自で、スナップ撮影でありながら絵画のように練り上げられた構図、彫刻のような造形美を感じさせる作品です。
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    書籍「The Boy a Photographic Essay」

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    アメリカのブック・ホライズン社が1964年に出版した写真集「The Boy a Photographic Essay」
    タイトルのとおり写真で構成されたエッセイ集で、複数の写真家による400枚近い作品が収められています。

    とくに多く収録されているのが、1963年の映画「Lord of the Flies」(邦題:蝿の王)に出演した子役たちの写真。
    アメリカの写真家、ケン・ヘイマン(1930- )が映画のロケ現場で撮影したもので、メイキングシーンとしても貴重な記録となっています。

    「Lord of the Flies」は1963年に公開されたイギリス映画で、原作は1954年出版のウィリアム・ゴールディングの小説。
    そのストーリーは・・・

    大戦中に疎開地へと向かう飛行機が墜落し、乗員である少年たちは南太平洋の無人島に置き去りにされてしまいます。
    少年たちはこの島で生き抜くために規則を作り、みんなで協力し合おうとしますが、次第に派閥ができ、争いが起き、そしてとうとう仲間同士の殺戮が・・・というもの。

    19世紀以前に流行した、孤島に漂着する物語の派生とも言えますが、この作品はそれまでとは正反対の悲劇的な展開となっています。
    さらに映画では、イギリスが核攻撃を受けたため陸軍幼年学校の生徒が疎開先へと向かう途中で遭難した、という設定になっているそうです。

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    映画の制作にあたってはイギリスの子役が多数動員され、実際に孤島でロケーションがおこなわれました。
    自給自足ではありませんが、まさに小説のストーリーと同じく、子役の少年たちは島での集団生活を経験したわけです。

    このときアメリカ人写真家であるケン・ヘイマンも同行し、少年たちの様子を記録していました。

    映画の公開は1963年でしたが、島で撮影がおこなわれたのは1961年。
    そのときの様子は当時のLIFE誌にも掲載されました。

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    LIFE 1963年10月25日号より
    (Time Inc.提供によるLIFE誌のフリー・アーカイブ)

    ケン・ヘイマンは20世紀を代表するアメリカの写真家。
    高校生のときに写真に興味を持った彼は、コロンビア大学在学中に2年間の兵役を経たのち本格的に写真家を目指します。

    大学で人類学者のマーガレット・ミード教授の生徒となったことが、彼にとっては何よりも幸運でした。
    彼はミード教授に写真エッセイによる論文を提出し、このことで教授の研究とヘイマンが撮影した写真は互いに重要なものとなり、以後20年以上に渡る交友が始まったそうです。

    ヘイマンはこれまでに60カ国以上の国で撮影をおこない、LIFE誌を始め多くの雑誌に写真を掲載しました。
    またそれらの作品はロサンゼルス現代美術館、ニューヨーク国際写真センター、ホールマーク・ギャラリー、パリのサブリスキー・ギャラリー等でも展示されています。

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    1964年発行の写真集「The Boy a Photographic Essay」には、映画「Lord of the Flies」の子役たちの写真が多数収められています。
    島での生活ぶりを捉えた写真は好評を博し、1966年と1967年にも再販されました。

    「Lord of the Flies」は原作であるウィリアム・ゴールディングの小説も、ピーター・ブルック監督による1963年の映画も、ともにファンの多い名作です。
    ヘイマンが撮影した子役たちの写真も負けず劣らずの名作揃いですので、小説や映画と合わせてご覧になるとより深い魅力を味わえることでしょう。


    Amazon.comより
    The Boy A Photographic Essay Hardcover – 1967
    Harper’s Booksより
    The Boy: A Photographic Essay.

    YouTubeより
    Lord of the Flies (1963)
    標準の YouTube ライセンス
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    「こどもの日」を迎えて...

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    本日5月5日は日本における「こどもの日」
    1948年に制定された、子供の人格を重んじ子供の幸福を願う、国民の祝日です。

    私は子供を天使になぞらえ、子供の姿(生物としての外見)にも尊さを感じています。
    ほとんどの一般人は、子供の裸を見ても何とも思わないか、もしくは可愛いと思うかのどちらかです。

    しかし悲しいかな、世の中には子供の裸を猥褻だと思い込んでいる人も少なからず存在します。
    赤ちゃんのオムツ替えや、子供がお風呂で遊んでいる写真さえも微笑ましく見ることができず、親が公開している子供の成長記録さえ批判する者もいます。

    子供の裸が猥褻に見える者がいるからといって、子供そのものが猥褻物なのではありません。
    人間の姿は奇跡の賜物であり、子供はさらに尊いものです。
    その姿を蔑ろにするようなことはあってはならないことです。

    子供を守るということは、子供の尊厳を守ることでもあります。
    人間の子供という、可愛らしく、美しく、何物にも代え難い素晴らしい存在を、尊び、大切にする。
    そんな気持ちを世界中の人々が持ち続けてほしいと、私はそう願っています。

    (写真は1910年頃のインドネシア、バリ島の子供たち)


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:COLLECTIE TROPENMUSEUM Portret van twee Balinese jongens TMnr 10003610.jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
    また、公序良俗に反する画像や違法な画像、猥褻な画像は一切ありません。
    【当ブログの掲載ポリシー】

    Flickrは米Yahoo!が運営する写真共有コミュニティサイトです。
    当ブログはFlickrにて一般公開されている写真から、シェアが可能なもの(SNSやブログでの表示が許可されているもの)を選んでご紹介しています。

    説明記事(お読みください)
    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:20年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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