美を学ぶこと・美であること

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    【ルーブル美術館にて、彫像を鑑賞する子供たち】

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:School children in Louvre.jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    学校での理科の実験の授業が年々減り続けている...という話を聞いたことがあります。
    子供たちは実験に興味があるのに、学校側は他の教科に時間を割いて、結果的に「子供の理科離れ」という言葉で語られています。

    しかしそれ以上に深刻なのが美術の授業。
    近年は小学校の図画工作や中学校の美術の授業数がどんどんと削られています。
    学校が心を育てる場でもあるなら美術という教科はとても大切なのに、大人はそれを重要視していないという有様。

    学校で美術を学ぶ意味とはなんでしょうか?
    学ぶというと堅苦しさがありますが、要するに興味を持つことの意味です。

    絵を上手に描けるようになるため?
     いや、将来それを仕事にするのでなければ必要ないことです。
    芸術の深さを理解するため?
     いや、そんな哲学的なこと、社会ではなんの役にも立ちません。
    モノ作りの楽しさを覚えるため?
     いや、それは美術科以外でも得られることです。

    ではなんなのか?
    私は美術を学ぶ意味とは「人間を知り、人間を好きになること」だと思っています。

    私が子供の頃から美術作品を好きなのは、人間が誰しもひとつだけ持っている「心の器」を表現しているからです。
    人を知ることは己を知ることであり、それは思いやりを育むためにも必要なこと。
    たとえ風景画や静物画であっても、作者の生い立ちや作品への思いから人間のなんたるかを知ることはできます。

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    【トレチャコフ美術館にて、裸体像を鑑賞する子供たち】

    人の体を「誰もが持っている心の器」と言いましたが、これを素晴らしいものと感じるか嫌らしいものと感じるかは人それぞれです。
    しかし子供たちは初めから偏った見方をするべきではなく、その判断を己の感覚に委ねるためのひとつが美術の授業なのだと私は思います。

    子供たちは美術作品の裸体像から人間を学び、自分を学びます。
    自分の体が親によって(または神によって、地球によって)作られた作品であることを知り、とても大切なものなのだと理解します。

    子供たちは自分の体を大切にしているからこそ、それを使って喜びを表現するのです。
    これこそまさに、命の芸術と言えるでしょう。

    では子供たちがその「心の器」を披露するのはどんなときでしょう?


    【水辺で遊ぶとき...】

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    近年ではこういった光景もだいぶ少なくなりましたが、ふた昔ほど前までは都会の親水公園でも子供たちは裸になって遊んでいました。(国によっては現在もお馴染みの光景ですね)
    この写真は背景にビルが見えるので住宅街でしょうか。
    子供たちは大人に見られても気にしない、大人たちは裸の子供を気にも留めない、そんな大らかさが昔の人々にはありました。


    【診察や身体検査のとき...】

    body_measurement01.jpg body_measurement02.jpg

    この写真はいつ頃のものかは不明ですが、戦前の子供の身体検査はおもに全裸でおこなわれていました。
    ただし学校での身体測定は男女共に下着を穿いていました。
    昭和も半ばになると男子はブリーフのみ、女子は下着の上下でしたが、今は男女とも体操着の上下でしょうか?
    肌が隠れていると身体の異常に気付くのも遅れてしまいます。


    【データを取るとき...】

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    1937年頃、当時の米国農務省と大学が協力し、医学的見地から子供の服を作成してそれを国民が簡単に購入できるようにするためのプロジェクトを立ち上げました。
    この写真はそのプロジェクトに関連し、人体測定学の教授が子供の体形を計測しているときの様子です。
    このような学術的な人体データも、正確に取るためには裸でおこなう必要があります。


    【芸術作品のモデルになるとき...】

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    これは1907年に撮影された、フランスの彫刻家アリスティド・マイヨール(1861-1944)の彫像制作風景。
    粘土でブロンズ像の原型を作っているところですが、人体に忠実な作品を作ろうとすればやはりモデルの存在は欠かすことができません。
    これは画家の場合も同じですね。


    【役者として演技をするとき...】

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    これは映画かテレビドラマの撮影シーンでしょうか?
    子役といえど、物語によっては裸で演技しなければならない場合もありますね。
    裸での演技に関しては、日本の子役よりも海外の子役のほうが堂々としている印象があります。
    もっとも近年では自粛が進み、表現の幅がどんどんと狭くなっているのですが。


    美を学び、人の美を知り、自分の美を社会の文化に役立てる。
    私がそうであったように、子供たちにとって美術という教科は道徳心を学ぶための教科でもあります。
    「子供の美術離れ」「美術教育の危機」と言われて久しい現代ですが、美術の授業はあまり減らさないでほしいものですね。
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    地球の家族

    MONTALIVET PLAGE 6

    1979年の思い出。
    地球とひとつになれた思い出。
    写真は色褪せても、家族の愛は色褪せない。

    MONTALIVET PLAGE 6
    Copyright : David Wesson
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)
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    Boyhood Australia

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    イギリスの写真家、ジョージ・ヒューグル(生没年不明)による写真作品「Boyhood Australia」

    これは写真のタイトルではなく、写真が収められていた書籍のタイトルです。
    古書として現在も販売されているかもしれませんが、出版元や発行年など詳しいことはわかりませんでした。

    タイトルが示すとおり、登場するのはオーストラリアの子供たち。
    雄大な大自然を舞台に動物たちと戯れる、まるで天使が舞い降りたかのような光景。
    ソフトフォーカス気味で幻想的な雰囲気を醸しています。

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    作者のヒューグルは幼い頃イギリスのロンドンで暮らしていましたが、第二次世界大戦の空襲により家族や友人を失うという悲劇に見舞われ、農村への避難を余儀なくされました。

    遠く離れた農村へとやってきた幼いヒューグル少年。
    ここでの新しい父母は、マイケルとピーターというふたりの息子がいる元学校教師でした。
    家族は彼を快く受け入れ、3人の子供たちは大の仲良しになりました。

    彼にとって農村での暮らしは毎日が刺激的で、まるでエンターテインメントの世界。
    ウサギを追いかけたり、川で水浴びをしたり、イカダを作ったり釣りをしたりと自由を満喫。
    ロンドンで恐怖の体験をした後だけに、ここでの暮らしはまるで天国でした。

    衣類の配給が乏しい時代だったので、服を汚さないよう、天気の良い日はみな裸になって遊んでいました。
    裸のままテニスやサッカー、クリケットもしました。
    元学校教師の母親は子供たちが裸で遊ぶことに寛容で、裸で過ごすことは健康に良いことだと子供たちに語っていたそうです。

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    やがてヒューグルは大人になり、プロの写真家になりました。
    彼は自然と子供をテーマとした写真を通じて、子供時代の特別な記憶を取り戻そうとしました。
    彼の作品には、かつて農村で体験した天国のような光景が広がっています。

    大自然と動物と子供たち・・・これらは作品においても実生活においても素晴らしい組み合わせであることに間違いはありませんが、彼には特別な思いがあったのです。

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    写真集の前書きで彼はこう語っています。

    『ここに写る子供たちは飢えや戦争を知りません。世界中の子供たちが自分の両親に「飢えとは何?戦争とは何?」と尋ねることを私は願っています。子供がいない世界、それは人類の終わり...』
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    Uli im Leonardo da Vinci Kreis

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    アメリカ生まれのドイツの写真家、ウィル・マクブライド(1931-2015)による1978年の作品「Uli im Leonardo da Vinci Kreis」
    日本語に訳すと「レオナルド・ダ・ヴィンチ・サークルの中のウリ」となります。
    ウリとはこの子の名前です。

    「レオナルド・ダ・ヴィンチ・サークル」とは、イタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)が描いた線画「ウィトルウィウス的人体図」のこと。

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    これが「ウィトルウィウス的人体図」
    古代ローマの建築家であったウィトルウィウスの著書「建築論」を基にした、ダ・ヴィンチが1487年頃に書いた手稿です。
    手足を大きく広げた男性の姿が描かれており、周りを囲む真円と正方形に指先が内接しているという構図になっています。

    ダ・ヴィンチと言えば有名な絵画「モナ・リザ」の作者ですが、絵画以外にも音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学など、様々な分野に顕著な業績を残したことで知られています。

    「ウィトルウィウス的人体図」は解剖学や生理学に長けたダ・ヴィンチならではの作品であり、この図は後世の人体デザインに大きな影響を与えました。
    現代では医学に関するシンボルとして多く用いられています。

    マクブライドの作品はこの図をモチーフとしたもので、それはタイトルからも明白。
    場所はアトリエだと思いますが、大きな板に黒い布を貼って円と四角を描き、少年に乗ってもらったんですね。
    たぶん足の下にでも小さな足場があるのでしょう。


    作者のウィル・マクブライドはドイツの報道・芸術写真家。
    アメリカのミズーリ州の都市、セントルイスで生まれた彼は子供時代をイリノイ州のシカゴで過ごし、その後バーモント州のバーモント大学に通い、1953年にニューヨーク州のシラキュース大学を卒業しました。
    1953年から1955年にかけて米軍の仕事でドイツに滞在し、1955年にドイツのベルリンに移住。

    ベルリンに移住した後、彼は写真家としてドイツの文化を記録し続けます。
    遺跡や都市の景観、ベルリンの壁の建設など。
    しかし最も重要なテーマとしたのは、葛藤と貧困の中で自由を求める若者のライフスタイルの記録でした。
    彼はドイツの住人として街に、そして人に溶け込み、ドキュメンタリースタイルの写真を撮り続けました。

    彼の作品は人体をテーマとしたものが多く、1974年にドイツで発行された子供向け性教育写真集「Zeig Mal!」(英語版タイトル"Show Me!")にも彼の作品が使われています。
    2000年以降はイタリアのボローニャ、ドイツのベルリン、ミュンヘン、フランクフルト等で個展が開かれ、2004年にはドイツ写真協会よりエリック・サロモン賞を授与されました。

    数々の賞を受賞し、その地位を不動ものとした写真家ウィル・マクブライド。
    2015年1月にドイツのベルリンにて84歳で亡くなりました。


    ところで一番上の写真を見て気付いたことですが、左足の指先がちょっとイビツになっていませんか?
    怪我でもしているのかと思いましたが、他の写真を見てみると・・・

    will_mcbride_uli-hager.jpg
    「Uli Hager with Wall Drawing」(写真集「40 Jahre Fotografie」より)

    この写真では足の指が綺麗に写っています。
    ということは最初の写真は足場の一部が同化して見えているだけなのか、現像上の不備か、それとも複製時の修正ミスか?(その可能性が高いかな?)
    いずれにしても画像上の不備のようですね。

    この写真では壁に体の輪郭が描かれ、各部位のサイズが記されています。
    ウィトルウィウス的人体図のモチーフといい、体をトレースした壁画といい、写真家ウィル・マクブライドの感性には芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチと似たものを感じます。

    表現の仕方は違っても、彼らの芸術魂を支えていたのは人間への深い愛情だったのでしょう。


    【Will McBride】
    http://www.will-mcbride-art.com

    Googleの画像検索で「will mcbride」を検索

    彼の作品集はAmazonでも購入できます。(ただし海外ですが)
    Will McBride: 40 Jahre Fotografie (Amazon.com.mx)
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    シャワールーム

    duschraum_des_kindergartens.jpg

    学校のプールには、体に付いた塩素を洗い流すためのシャワーが備えられています。
    また学校によっては屋内にシャワー室が完備されたところもあり、部活動のあとに汚れを洗い流すこともできます。

    上の写真はドイツのノイシュタット地区にある幼稚園でのシャワーの様子。
    撮影は1987年。
    水泳キャップをかぶっているのでプールのときのシャワーですね。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Bundesarchiv Bild 183-1987-0609-302, Köritz, Duschraum des Kindergartens.jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    シャワーとは水や湯を広範囲に分散して噴出させる機能、またはそれを利用した設備のことですが、16世紀のヨーロッパの浴場に備えられたのが最初だそうです。
    初期のシャワーはパイプに等間隔に穴を開けたものでした。

    日本では水道の普及自体が20世紀になってからですし、もともと入浴習慣のある日本人にはシャワーはあまり馴染みのあるものではありませんでした。
    私が幼い頃、昭和40年代まではシャワーのある家はかなり少なかったはずです。

    学校のシャワールームに関しても西洋のほうが歴史が古く、西洋では20世紀初頭にはすでに多くの学校が備えていました。

    lifemagazine_1941.jpg douche_apres_le_sport1930.jpg

    左の写真は1941年のLIFE誌に掲載された、アメリカの学校でのシャワーの様子。
    日本でいうと中学校でしょうか?
    運動の後にここで汗を洗い流すのが彼らの日課だったのでしょうね。

    右の写真はフランスの学校のシャワールームで、1930年の撮影。
    こちらは小学校かな?
    仕切りは隠すためではなく、たんに水跳ね防止でしょう。


    schoolboys_sweden1903.jpg hot_weather_delights1908.jpg

    こちらの写真はさらに古く、左は1903年のスウェーデンの子供たち。
    シャワールームでタライに入って体を洗っています。
    ある程度こうして洗ってから、最後に頭上のシャワーで洗い流すのでしょう。
    水の節約のためかな?

    右の写真は1908年のアメリカのシャワールーム。
    シャワーヘッドの付いた設備が20世紀初頭にすでにあったというのが驚きですね。

    boys_in_the_shower.jpg

    最後はロシア、1906年のサンクトペテルブルクの子供たち。
    これは当時の住宅事情を解消するために作られた、アパートを利用した共同のシャワールームだそうです。
    奥にいる大人が服を着ているので、これは撮影用のポーズかな?

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Boys in the shower in a house of cheap apartments.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    上でも述べたとおり私が子供の頃はシャワーのある家が少なく、シャワーと言えばプールにあるものという認識でしたが、今では日本でも浴室にシャワーがあるのが当たり前になりました。
    私も忙しい時はシャワーで済ませています。

    しかしやはり日本人、シャワーでは汚れは取れても疲れは取れません。
    とくに寒い季節は、湯船にゆったりと浸かりたいものですね。♨︎( ´▽`)
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    サマーキャンプ

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    洋画を見ていると「サマーキャンプ」という言葉をよく耳にします。
    「子供の頃サマーキャンプでマシュマロを焼いた」などというセリフや、サマーキャンプでの体験がどうだったとか。
    そういえば殺人鬼ジェイソンで有名なホラー映画「13日の金曜日」も、クリスタルレイクというサマーキャンプ場が舞台でしたね。

    サマーキャンプ・・・日本人にはあまり馴染みのない言葉ですが、アメリカでは多くの子供たちが経験している恒例行事です。
    長い夏季休暇のあいだに小中学生を対象におこなわれる野外活動で、子供たちが一定期間を集団で過ごす青少年育成プログラムのひとつ。

    日本の学校がおこなっている林間学校や修学旅行は3日間ほどの短期ですが、サマーキャンプは数週間もの長期に及びます。
    また日本の場合はあくまでも修学、つまり勉学の一環であるのに対し、サマーキャンプは子供たちに楽しい余暇を提供するとともに、普段の学校生活では経験することのできない自然との触れ合いや集団生活の楽しみを味わってもらうためにおこなわれています。

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    かなり古い写真ですが、左は1931年にベルギーのリンケベークで撮影されたもので、先生が子供たちにシャワーを浴びせているところ。
    暑い日だと気持ちいいでしょうね。
    女性の先生もいますが、手前の男性教師はどうして半ケツなんでしょうか?

    右の写真は第二次世界大戦が始まった直後、1939年9月5日に撮影されたものです。
    この子たちはカナダのクランブルックに疎開してきた、イギリスのダリッジ・カレッジ・スクールの生徒たちだそうです。
    こちらも子供たちに水をかけていますが、戦時中なので毎日がキャンプ気分というわけにはいかなかったかもしれません。


    サマーキャンプの歴史は古く、アメリカで最初におこなわれたのは1861年でした。
    アメリカキャンプ協会(ACA)によると、現在は米国だけで12,000のキャンプがあり、毎年1,100万人以上の人が参加しているそうです。

    ハイキング、カヌー、キャンプファイヤー等、自然と触れ合うための伝統的な活動に加え、近年では音楽や語学、コンピュータなどのカリキュラムを取り入れたり、肥満の子供のための体重減少を目的としたキャンプもおこなわれています。
    2008年からは世界で初めて、トランスジェンダーの子供たちのための宿泊キャンプ場もできました。

    上の写真のとおり、サマーキャンプといえば夏場の野外活動。
    だから最後はシャワーで丸洗い・・・というわけで、次回は「シャワー」について考えてみたいと思います。
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    アメリカの古い公営プール

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    以前の記事で、アメリカの画家ロバート・リッグスが1933年に描いた「The Pool」という作品を紹介し、「昔の学校には全裸のプール授業もあったのだろうか?」と考えてみたことがありました。(該当記事)
    そのときは同じ様な光景の写真が見つかったため、当時としてはごく普通の事なのだとわかりました。

    私が最初に学校のプールだと思った理由は、リッグスの絵にもその当時撮影された写真にも、同年代の子ばかりが写っていたからです。
    場所が学校ではなかったとしても、授業や水泳教室のひとつではあったのだろうと思います。

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    今回も同じくアメリカのプールの写真ですが、なんと撮影されたのはさらに古い、1900年代初頭です。
    一番上の写真は1908年、上の2枚が1905年と1906年、下の写真が1908年。
    しかもこのプール、アメリカのニューヨークの公営プールというのだからオドロキ。

    子供だけではなく大人もいるので、たしかに公営のプールなんでしょうね。
    大人は水着を着用しているので、裸になって良いのは子供たちだけのようです。
    公営プールでスッポンポンというのは、今では考えられないことですが。

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    画像出典:George Lane
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    ここで当時のプールについて調べてみました。

    西洋でプールがいつ頃誕生したのかは定かではありませんが、オリンピックの水泳競技で最初にプールが使われたのは1908年のロンドン大会からだそうです。(それまでは河川や海、人工湖が使われていました)

    日本で最古のプールとされているのは1803年に完成した会津藩の藩校、日新館の水練場だそうです。
    作りはプールというよりは池ですが、水泳のために作られたものですから日本最古のプールと言えますね。

    また、日本で最初の温水プールは1917年に東京のYMCAに開設されました。
    この温水プール、当時は水質維持のため水着の着用が禁止され、全裸で泳ぐように指導されていました。
    戦後もしばらくは全裸での水泳が続いていましたが、これは本国アメリカでもYMCAや大学のプールでは全裸で泳ぐことが普通だったことによるものだそうです。

    なるほど、謎が解けました!
    私はてっきり、当時の子供は川や海で裸になって遊んでいたため、プールでもそうさせているのだと思っていましたが、なんと衛生面から水着そのものが禁止されていたんですね。
    だからみんな風呂のように、公営プールでも全裸だったというわけか!

    ただし、未だ解けていない謎がひとつ・・・
    どうして女性がひとりもいないんでしょうか?
    いや、学校のプールだったらわかりますよ。男女別だったのかもしれませんから。
    しかし公営プールなら女の子もいるはずですよね。

    川や海では女の子も裸になって遊んでいた時代でしたが、やはりニューヨークの都会っ子、男の子との混浴には抵抗があったのかもしれませんね。
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    Jeux d'adolescents

    biender_mestro_jeux_dadolescents.jpg

    フランスの写真家、ルイーズ・ビンダー・メストロ(1835-1917)による1901年の写真作品「Jeux d'adolescents」

    タイトルにあるJeuxとはゲームという意味で、adolescentsとは12歳から18歳くらいまでの年齢層を指す言葉です。
    思春期という意味もあるので、日本語に訳すと「思春期のゲーム」となるのでしょうか。

    でもあまりゲームや遊びといった光景には見えませんね。
    建物の外壁によじ登っているところはかくれんぼのようでもありますが、たぶん演出した写真でしょう。

    カメラは1900年頃にはすでに感光材等の改良により、レンズの前で被写体が静止している必要はありませんでした。
    しかし素早い動きはブレることも多くなるので、どうしてもこのような演出写真が主流になってしまいます。
    美術作品と捉えた場合は、そのほうが良いのでしょうが。

    作者については名前と生没年しかわからなかったんですが、フランスではルイーズ(Louise)は女性名なので女性写真家だと思います。
    タイトルを付けたのも彼女でしょうか?
    思春期のゲームというからにはそのルールが気になりますね。


    File:Louise Binder-Mestro, Jeux d'adolescents, from Die Kunst in der Photographie, 1901.jpg
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    モデルと計測

    thorvaldsen_museum_1910.jpg

    これは珍しい写真・・・というより珍しいイベントを撮影した写真と言うべきでしょうか。
    デンマークの首都コペンハーゲンにある「トーヴァルセン美術館」で1910年におこなわれた展覧会の様子です。
    見てのとおり、彫刻作品と人間を一緒に並べて展示しています。

    トーヴァルセン美術館はデンマークを代表する彫刻家、ベルテル・トーヴァルセン(1770-1844)の作品が収められている美術館。
    そこでおこなわれた100周年記念のイベントらしいんですが、作者の没年は1844年だし、これらの作品が作られたのは1820年頃だし、この美術館がオープンしたのは1848年だし、何についての100周年なのかはわかりませんでした。

    しかしいかにも北欧らしい、大らかな展覧会ですね。
    人間を彫像に見立てるイベントは今でもたまにおこなわれていますが、美術館でヌードの少年を展示するというのは極めて珍しいんじゃないでしょうか。

    彫刻作品も人間もどちらも芸術である!という考えであればこその試みと言えますが、もし今同じことをしたらおそらく批判が殺到するでしょうね。たとえその子が楽しんでいたとしても。

    作品が作られた19世紀ではなく、21世紀となった現代でもなく、アートが一般に浸透し始めた20世紀初頭だからこそ実現できたイベントという気もします。

    この展覧会に来た人たちは、彫像と人間、どちらをより深く鑑賞したのでしょうか?
    裸のガキなど見てもつまらん!という人も多かったとは思いますが、巨匠の作品がどこまで正確に作り込んでいるかを確認するには、実際に比べてみるのが一番。

    これはそのための展覧会でもあったのでしょう。
    その証拠にこの展覧会のタイトルは「モデルと計測」だったそうです。
    ちなみに左の作品は過去に一度紹介しています。(該当記事)
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    Brothers showering under the porch...

    cornell_capa_brothers_showering.jpg

    アメリカの写真家、コーネル・キャパ(1918-2008)による1946年の作品「Brothers showering under the porch at their vacation home」

    LIFE(ライフ)という雑誌を知っていますか?
    1936年から2007年までアメリカで発行されていた、世界的に有名な報道写真誌です。
    フォトジャーナリズムと呼ばれる、写真を主体とした報道の在り方。その普及における先駆的な雑誌でした。
    第二次世界大戦前から戦後の復興期、テレビの本格普及前までが黄金期でしたが、厳しい経営事情を背景に2007年4月20日号を最後に廃刊となりました。

    コーネル・キャパはLIFE誌の黄金期に表紙写真を手掛けたカメラマンのひとりです。
    この写真は幼い兄弟が別荘の洗い場でシャワーを浴びているシーン。
    1946年撮影ですから、第二次世界大戦が終わった翌年ですね。
    顔は見えませんがほのぼのとしていて、終戦後のアメリカの雰囲気をよく表しています。

    キャパという名前を聞いて「ロバート・キャパ」を思い出した方は写真家に詳しい方でしょう。
    コーネル・キャパは、あの知る人ぞ知る有名な報道写真家、ロバート・キャパの弟なのです。
    ちなみに日本に「CAPA」というカメラ雑誌がありますが、これもロバート・キャパにちなんで付けられた誌名です。

    弟のコーネル・キャパは1918年、ハンガリーのブタペストで生まれました。
    18歳の時にフランスのパリに移住し、兄のロバートとともに報道写真家の仕事を開始します。
    1937年にはニューヨークへ移住してLIFE誌の現像所で働き、アメリカ空軍への従軍を終えた1946年からはLIFE誌専属の写真家となり、数々の表紙写真を撮影しました。

    1954年に兄のロバートが北ベトナムで地雷により死亡してからは、兄が設立に関わった国際的な写真家グループ「マグナム・フォト」に加わり、ソビエト連邦やイスラエル、アメリカの政治家などを取材しました。

    晩年は兄の写真集の前書きを執筆するなど、兄の功績と名誉を人々に伝えることに努めていましたが、2008年5月、90歳の時にニューヨークで亡くなりました。


    現在LIFE誌は膨大な写真アーカイブのうち20%ほどをフリーで公開しています。
    今後徐々にデジタル化を進め、最終的には保管写真のすべてを公開する予定だそうです。

    アメリカの偉大な報道写真雑誌「LIFE」の誌面を飾った素晴らしい報道写真の数々。
    興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。

    「LIFE 写真アーカイブページ」
    http://time.com/photography/life/
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    いらっしゃいませ

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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
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    説明記事(お読みください)
    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:20年

    20代の頃に仕事で幼稚園に足を運んだのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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