エナウェネ・ナウェ族の少年

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    南米ブラジルのマットグロッソ州の先住民、エナウェネ・ナウェ族の少年たち。
    彼らは菜食主義で、肉は魚の白身しか食べないそうです。
    そのせいか引き締まった体してますね。

    Enawene-Nawe
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    ムルシの少年たち

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    アフリカ、エチオピアの南西部に住む少数民族、ムルシ族の少年たち。
    ムルシ族はボディペイントと、唇に円盤をはめ込むことで有名です。
    それにしてもキミたち、足長いなぁ〜!

    Mursi Boys, Mago, Ethiopia
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    ヒトのカラダは海ナノダ!

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    せっかく「動植物」というカテゴリがあるのに私のペットと観葉植物の記事ばかりでは味気ないので、今回は海の生き物と人間との不思議な関係(本当はまったく関係ないのかもしれません...)について考えてみたいと思います。

    今、小学生の子供たちのあいだで学習図鑑が人気だそうです。
    恐竜図鑑に昆虫図鑑、動物図鑑に人体図鑑。
    昔の図鑑と比べてイラストも写真も多く、解説も凝っていて、大人も思わず引き込まれます。

    子供の頃の私もそうでしたが、子供たちの中には動植物図鑑と人体図鑑を両方眺めていて、こんな疑問を持つ子もいるんじゃないでしょうか。

    「この生き物と人間のこれ、なんでこんなに似ているの?」

    枯葉に似ている蝶がいたり、ヘビに似ているイモムシがいるのはなんとなくわかります。
    「擬態」は弱い生物が生き延びるための自然の知恵ですからね。

    しかし海の生き物の中に、人間の体とそっくりなものがいることは不思議でなりません。
    生命の源は海にあり、ということも関係しているのでしょうか?


    たとえば、真っ先に思いつくのは脳の中の「海馬」
    海馬とは脳の大脳辺縁系の海馬体にある、記憶を司る器官の一部ですが、海の「海馬」(タツノオトシゴのこと)と形がそっくりなので同じ名前が付けられています。

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    左が人間の脳にある海馬で、右が海にいるタツノオトシゴ。
    確かによく似ていますね。
    魚も鳥も人間も、脊椎動物の初期の胎児がこれと同じような形をしていることも、これまた不思議です。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Hippocampus and seahorse cropped.JPG
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    そしてさらに似ているのが、海の生き物である「貝」と、人間の「生殖器」

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    軟体動物である貝は、構造的に男性の陰嚢とよく似ているそうです。
    陰嚢とは哺乳類の陰茎の下部にあり、内部に精巣(睾丸)や副精巣を含む垂れ下がった袋のこと。(ようするに玉袋)

    貝類には葉酸と亜鉛が多く含まれており、それらは精子の質を向上させる働きがあります。
    この共通点、たまたまでしょうか?


    そしてあまりのそっくりさに驚異さえ感じるのが、貝の身の部分と女性のアレ。

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    安心してください、貝の写真です!(^^;)

    昔から牡蠣やアワビはアレによく似ていると言われていますが、この貝はさらにそっくりですね。
    ここを見ている子供たち、なんのことかわからないときはパパとママにきこう!(きかなくてもいいけどね)

    出典:8 ALIMENTOS QUE SÃO PARECIDOS COM OS ÓRGÃOS QUE ELES "CURAM"

    上のリンク先では、果物のアボカドと女性の子宮の形が似ていることにも言及しています。
    アボカドに含まれる葉酸とビタミンB6は女性の月経を調整し、子宮の病気を予防する働きがあるそうです。
    ただ形が似ているだけではなく必要な栄養素にも共通点があるとは、う〜ん不思議だ。

    そういえば男性の前立腺は形が栗の実に似ていますが、そこで作られる精液は匂いが栗の花にそっくりだという話もありますね。
    これも偶然でしょうか?


    さて、植物の話は余談としても、海の生き物には人間の生殖器に似ているものがいることは確かです。
    牡蠣やアワビは言わずもがなですが、では男性のアレに似ている海の生き物といえば何でしょう?

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    安心してください、これも貝の写真です!(^^;)

    軟体動物門二枚貝綱キヌマトイガイ科の貝で、名前は「ナミガイ」
    日本では瀬戸内海から樺太(サハリン)まで分布し、浅海の砂泥底に棲息しています。
    ミルクイガイの代用として食されており、市場では白ミルとも呼ばれています。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Panopea generosa.JPG
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    えっ?あまりに立派すぎて見てると落ち込む?
    じゃあこっちはどうでしょうか?

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    安心してください、イソギンチャクの写真です!(^^;)

    これは「ロングテンタクルアネモネ」というイソギンチャク。
    どれもこういう形をしているわけではなく、たぶん成長過程でこんな形にもなるってことでしょうけどね。
    頭の先の穴といい根元のフサフサといい、たしかに似てますね。(頭と根元は逆かもしれません)


    さらにもうひとつ・・・

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    安心してください、深海生物の写真です!(^^;)

    名前は「ピーナッツワーム」
    オーストラリアのビクトリア博物館の研究チームが深さ4,000メートルの深海で見つけた不思議な生物。
    名前の由来は収縮するとピーナッツのような形になるからだそうです。

    でも大きさが変わるならなおさらネーミングはアッチ系ですよねぇ。
    大人の事情でピーナッツになったんでしょうけど。

    画像出典:GIZMODO


    そして極めつけはコレ!

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    安心してください、ヒトデの写真です!(^^;)

    これは「カワテブクロ」という名前のヒトデ。
    グレートバリアリーフ、紅海、バヌアツ、フィジー、パプアニューギニア等、熱帯の多くの地域に棲息しており、英語では「Granulated Sea Star」と呼ばれています。

    先端の溝はコラじゃありませんよ。
    もしかしたら触り心地も似てるかも。

    画像出典:沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム


    いや〜どれもそっくり!
    ここまで似ていると、水族館に行ったら思わず自分のと比べてみたくなりますね。(ならないならない!)

    上記の生物はどれも形が立派なので、これらを見て人間のアレを連想するのは小学校高学年以上の子だと思いますが、中には幼い子でもすぐに似ているとわかるような生物も存在します。

    それは「ユムシ」

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    安心してください、ユムシの写真です!(^^;)

    ユムシとは漢字では「螠虫」と書きますが、虫ではなく、イカ、タコ、クラゲ等と同じ海産無脊椎動物。
    海底の砂地に棲息し、中国や韓国では刺身、串焼き、炒め物などにして食卓に上がるそうです。
    日本でも北海道の一部の地域でチン身・・・もとい珍味として食されています。

    学名は「Urechis unicinctus」と言い、英語でペニスフィッシュとも呼ばれています。
    まさに珍なる海洋生物。

    画像出典:Earth Song


    【似ているのは偶然?必然?】

    以上のように、海の生物には何故か人間と・・・というか、人間の生殖器とそっくりな形をしたものが存在します。

    神様がどこかで間違ったのでしょうか?
    それともやはり我々は海から来たのでしょうか?

    母親のお腹の中の胎児には、母親の心臓の音がまるで海の波音のように聞こえているそうです。

    また、人間の体を構成している元素(水素、酸素、炭素、窒素、硫黄、カルシウム、ナトリウムなど)の成分比率は海の水とほぼ同じであると言われています。

    さらに、人間の血液の塩分濃度(約0.9%)は、生物が陸に上がった頃の太古の海と同じであるとも言われています。

    つまり人間は、体そのものが小さな海なのです。
    その中心部で1匹の海の生物を飼っているとも言えます。

    お風呂に入って湯船に浸かり、ふと下を見るとそこには不思議な軟体生物。(たまに硬化)
    あなたのはナミガイでしょうか? カワテブクロでしょうか?
    えっ、ユムシ?

    まぁいずれにしても似ているのは偶然ではなく、我々も元を辿れば太古の海の生物だったということです。
    海と人間との不思議な関係を思いつつ、自分のカラダを大切にしていきましょう。


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    「コンニチワ、ぼくユムシ!」
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    書籍「Chrysalides」

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    イタリアの写真家、マウロ・バートンチェロ(生没年不明)が1985年に出版した写真集「Chrysalides」
    まるで中世の遺跡に精霊たちが現れたかのような、非常に幻想的な作品です。

    Amazon.itより
    CHRYSALIDES: PHOTODREAMS Copertina rigida – 1985


    ChrysalidesとはChrysalis(クリサリス)の複数形で、サナギのこと。
    そう、蝶などが成虫になる前のあのサナギです。

    もう幼虫ではない・・・でもまだ成虫にはなれない・・・
    不安定で不確定な殻の中、静かに目覚めを待つサナギの少女たち。

    少女といっても小さな子供ではなく、思春期の少女たちです。
    具体的に言えば、胸が膨らんで隠毛が生える第二次性徴が現れてからの少女たち。

    しかしだからこそ、おとぎ話の精霊のような妖しげな雰囲気を醸しているのでしょう。

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    硬く冷たい無機質な石畳と、霧のように漂う柔らかな少女たちとのコントラスト。
    ページをめくればそこに現れるのは夢うつつな幻想世界。

    ソフトフォーカス(フォギー?)気味な描写も、シャッター速度が追いついていない被写体のブレも、増感現像したかのような粗い粒状感も、すべて作者の思惑どおりであるかのような完成された世界観がそこにはあります。

    以前の記事でフランスの写真家ジェラール・マロの作品は彫刻的であると言いましたが(該当記事)、こちらのバートンチェロの作品はまさに絵画的と言えますね。
    モノクロ写真でありながら、その場の空気感まで伝わってくるようです。

    作者のマウロ・バートンチェロはイタリアのビエモンテ州北東部の都市、ノヴァーラ出身の写真家。
    詳細はほとんどわかりませんでしたが、肖像画や裸婦作品で有名な方だそうです。


    File:Mb-Chrysalides.jpg
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    フレンチカンカン

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    1830年頃に誕生した陽気なダンス「フレンチカンカン」
    スカートをめくったりお尻を突き出すなどの動きが特徴的。
    この華やかさは女の子ならではですね。

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    Copyright : Mega Dance
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    日米ロインクロス

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    ロインクロス(Loincloth)とは古代から存在する伝統的な衣服の一種で、長い布を使った腰布・腰衣のことです。
    日本の褌(ふんどし)もこれに含まれます。

    世界各地で見られますが国や地域ごとに装着方法に違いがあり、日本の褌やインドのランゴータのように股下に通して固定するタイプは労働者の動きやすさを考慮して腰巻タイプから派生したと言われています。

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Fundo001.jpg
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    博多祇園子ども山笠 2002-002

    平岡八幡宮 祭典 烏相撲 2003 池ノ上 少年裸祭 003
    Copyright : Yozo Sakaki
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)

    現代の日本では普段着としての利用はほとんどありませんが、祭り等の神事で正装とすることは多く、この伝統は今も受け継がれています。

    上の画像は子供が参加する祭りの一例で、上から順番に福岡県の「博多祇園山笠」、 京都府の「平岡八幡宮例祭」「上賀茂神社での烏相撲」、岐阜県の「池ノ上みそぎ祭」です。

    見てわかるように、それぞれ褌の形が違います。
    日本の褌には「六尺」「越中」「締め込み」「もっこ」など多様なタイプがあり、博多山笠では締め込み、烏相撲では六尺褌、池ノ上みそぎ祭では越中褌が正装となっています。

    また、現代ではあまり馴染みのないタイプですが、日本にはかつて「黒猫褌」という子供用の褌があったそうです。
    昭和初期に登場し、戦前の水泳の授業などで水着として使われていたもので、生地が黒色であったため黒猫の愛称で呼ばれていました。
    昭和30年頃までは幼児〜小学生の水着として全国で採用されていたそうです。

    Googleの画像検索で「黒猫褌 子供」を検索


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    アメリカにも褌、つまりロインクロスは先祖の時代から存在し、現代でも普段着としている地域もあります。

    アメリカ大陸における先祖といえばもちろんアメリカ先住民を指しますが、昔はコロンブスの誤認をそのまま使い「インディアン」と呼んでいました。
    ラテンアメリカの人々をインディオとも言いますね。

    しかしこれらの呼び名は本来「インドの人」という意味なので、現在ではネイティブ・アメリカン(またはアメリカ・インディアン)と呼ぶのが一般的なようです。

    上の画像はアメリカの画家、トーマス・ポロック・アンシュツ(1851-1912)による1907年の作品「Indians on the Ohio」

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Anschutz Thomas P Indians on the Ohio.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


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    先祖を崇める祭りやイベントはもちろんアメリカにもあり、参加者がインディアンに扮することもあります。
    白人によって作られたステレオタイプのイメージもありますが、大体において共通しているのが、頭に鳥の羽を飾り、軽装の場合はロインクロスを着用しているところ。

    上の画像はインディアンに関連したイベントの様子です。
    日本の褌とはかなり違いますね。
    素材は皮で、巻くというよりは穿くといった感じでしょうか?

    子供たちがインディアンに扮するイベントは夏休みのサマーキャンプにも多いようです。
    サマーキャンプといえば体験によって学問や道徳を学べる行事ですが、昔の文化を重んじるという意味では日本の祭りとの共通点もありそうです。

    インディアンの教えは現代のアメリカにも息づいているでしょうし、サマーキャンプとの相性も良いのかもしれませんね。

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    こちらのロインクロスは布製。
    前に垂らすところは日本の越中褌に似ていますが、後ろにも垂らすのは日本の褌には見られないタイプですね。
    形はのれんの付いたヒモ水着といった感じで、こちらのほうが着脱はしやすそうです。


    「肖る」(あやかる)という言葉があります。
    他人に憧れ、自分もその人のようになりたいと思う、あるいはそうなるという意味。
    先人を尊ぶことはとても大切なことであり、そのために格好から入るというのもひとつの方法です。

    どの国も子供たちへの伝統文化の引き継ぎには苦労していることでしょう。
    時代に合わせて姿を変えることもときには必要かもしれませんが、あえて変えないということも、歴史の深さを学ぶためには大切なことです。
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    Lying Girl

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    スイスの彫刻家、フリーデル・グリーダー(1890-1980)による1952年の作品「Lying Girl」
    スイス北東部の都市、クロイツリンゲンにあるウェールリ小学校に設置されているブロンズ像です。

    手前に水が溜まるようになっている噴水彫刻で、横たわる少女が水面に手を伸ばしています。
    タイトルは訳すと「嘘つき少女」となるので、何かの物語のワンシーンなんでしょうね。
    小学校にあることから、学校で習う道徳的な物語かもしれません。

    作者のフリーデル・グリーダーはスイスの女流芸術家。
    公園に設置されている彫像の作者として知られていますが、画家や写真家としても作品を残している多彩な女性だったようです。

    彼女の作品はクロイツリンゲンにある「ローゼネック美術館」にて常設展示されています。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:WehrlischulhausMaedchen.jpg
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    キューピッドの弓矢

    「天使」とはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典や伝承に登場する「神の使い」です。
    元々は目には見えない霊的な存在とされていましたが、近世以降のローマ神話では青年や少年、とくに幼い男の子の姿として伝承されるようになりました。

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    「The Birth of Venus」1863年
    アレクサンドル・カバネル(1823-1889/フランス)
    File:Alexandre Cabanel - The Birth of Venus - Google Art Project 2.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン


    この「天使」と混同されやすいものに「キューピッド」があります。
    キューピッドとはローマ神話に登場する愛の神クピド(クピードー)の英語読み。
    ラテン語でアモル(アモール)とも呼ばれ、ギリシア神話の愛の神エロースと同一視されています。

    神の使いである「天使」と、愛の神である「キューピッド」
    パッと見てその違いがわかりますか?

    どちらも背中に翼のある裸の子なので、姿から判断するのは難しいですね。
    「愛の天使キューピッド」というどっちつかずの言葉もあります。

    大まかな違いとしては、弓矢を持っているかどうかで判断できます。
    たとえば企業の商標の場合、「森永製菓」のエンゼルマークはその名のとおり天使です。(弓矢を持っていない)
    フラワーギフトの「花キューピット」のロゴマークはキューピッドです。(弓矢を持っている)

    食品会社の「キユーピー」のイラストは、名前からするとキューピッドのはずですが弓矢は持っていません。
    これは米国のイラストレーター「ローズ・オニール」が1909年に発表した「キューピー」というキャラクターを採用しているからです。
    しかしこのキューピー自体はローマ神話のクピドをモチーフにしています。

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    ローズ・オニールのイラストをもとに製作されたキューピー人形(1912年)
    File:German-bisque-kewpies.png
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    その他にも、恋愛・結婚関連の企業がパンフレット等にキューピッドの絵柄を取り入れることも少なくないですね。


    さてそのキューピッドが持っている弓矢ですが、その矢には2種類あり、黄金の矢で射られた者は激しい愛欲に取り憑かれ、鉛の矢で射られた者は恋愛を嫌悪するようになると言われています。

    必ずしもラブラブになるわけではなく、愛するか嫌悪するかの判断はまさにキューピッドの気まぐれなのですが、なぜか現代では愛を成就させてくれる恋愛の象徴として広く親しまれています。
    これも見た目の可愛らしさがそうさせたのでしょう。

    こうして人々に好まれてきた愛の神だからこそ、これまでに数多くの絵画、彫刻、写真作品が作られました。


    【絵画】

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    左はイタリアの画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)による1601年の作品「Amor Vincit Omnia」
    右はドイツの画家、フリードリヒ・バリー(1763-1823)による1810年の作品「Zegevierende Amor」

    カラヴァッジョの作品は周りに物が散乱し、バリーの作品は折れ曲がった矢が散らばっています。
    どちらも現代のキューピッドのイメージとはだいぶ違いますね。

    現代のイメージに近い、非常に可愛らしいキューピッドを描いた画家といえば、ウィリアム・アドルフ・ブグローを置いて他には語れません。

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    フランスの画家、ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825-1905)による1886年の作品「L'Amour vainqueur」

    ブグローの画風は新古典主義の流れを汲む伝統的なものですが、官能的な裸婦や可憐な天使など、その甘美な画風は現在も人気が高く、多くの人に親しまれています。

    ちなみに上の3つの絵画はいずれも「愛の勝利」「勝利のアモル」等と訳される、同じテーマを描いた作品です。
    弓矢を誇らしげに掲げている点も共通しています。
    同じテーマを描いても作者によってこれほど雰囲気が違うというところが面白いですね。


    【彫像】

    可愛らしいキューピッドを描く画家の代表がブグローであるなら、可愛らしいキューピッド像を作る彫刻家の代表はベルテル・トーヴァルセンと言えるでしょう。

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    デンマークの彫刻家、ベルテル・トーヴァルセン(1770-1844)による1826年頃の作品「Cupid with his bow」

    トーヴァルセンは神話を題材とした大理石像を多く手掛けた彫刻家のひとり。
    彼の作品は肉体の柔らかさが非常に上手く表現されており、慈愛に満ちた雰囲気を醸しています。

    年齢の違う複数のクピド像がありますが、どれも弓矢を構えてはおらず、たたずんでいるポーズがほとんどです。
    プシュケに恋わずらいしたときのシーンかもしれません。

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    この彫像も同じくトーヴァルセンによる1814年の作品「Den triumferende Amor」
    訳は「勝利のアモル」となり、上でご紹介した絵画3作品と同じテーマです。

    どうやらこのテーマは古い芸術作品では比較的ポピュラーなようですね。

    File:Cupid Triumphant - Thorvaldsens Museum - DSC08601.JPG
    ライセンス:パブリックドメイン


    【写真】

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    昔から弓矢はモデル撮影の小道具としても定番でした。
    男の子に弓矢を持たせれば、それだけでキューピッドのイメージを形作ることができます。
    翼を背負わせればさらにイメージに近付きますが、それだと仮装になってしまうので、写真作品としてはこのほうが良いのでしょう。

    その昔、先が吸盤になっている弓矢のオモチャがありましたが、ほとんどが男の子向けでした。
    弓矢、銃、ロケットなど、男の子が「遠くへ飛ばす」という行為を好むのは、太古の昔から当たり前に備わった感情なのかもしれません。

    さてキューピッドを表現した芸術作品。
    画家ならブグロー、彫刻家ならトーヴァルセンときたら、写真家ならば誰でしょう?

    私はイギリスの写真家、オリバー・ヒルを思い出します。

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    イギリスの写真家、オリバー・ヒル(1887-1968)による1923年の作品「The Garden of Adonis」

    今から100年ほど前に撮影された、神話をモチーフとした幻想的な写真。
    カーリーヘアの10歳くらいの少年がキューピッドを演じています。


    【キューピッド今昔】

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    左は古代ギリシアの彫刻家リュシッポス(紀元前390年頃)による、弓に弦を張るエロース(クピド)の像。
    これはイタリアのカピトリーノ美術館にあるレプリカですが、オリジナルが作られたのはなんと2300年以上も前です。

    File:Eros stringing his bow, Roman copy after Greek original by Lysippos, 2nd century AD, Capitoline Museums (12516239325).jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    そして右は詳細不明ですが、海辺で弓矢遊びをする少年。(矢は人に向けているのではないと思います)
    大昔のキューピッドと現代のキューピッドをこうして比べてみても、それほど大きな違いはありませんね。

    もともとは狩猟の道具や武器として発明された弓矢。
    この弓矢を愛の道具として少年に持たせたローマ神話の伝承は、多くの作家のインスピレーションを刺激し、数々の作品を生み出しました。

    手法による表現の違いはあれど、愛の神が人々の心に存在する限り、少年と弓矢の組み合わせはこれからも受け継がれていくのでしょう。
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    書籍「イメージの冒険 - 7 写真」

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    私が所有している本のご紹介です。
    1978年から1982年まで、河出書房新社より「イメージの冒険」という書籍が刊行されていました。
    全7巻のシリーズで、それぞれイメージを掻き立てられるテーマを設け、多方面からわかりやすく解説している本でした。

    ○ イメージの冒険 - 1 「地図」 不思議な夢の旅
    ○ イメージの冒険 - 2 「絵本」 不思議の国一覧
    ○ イメージの冒険 - 3 「文字」 文字の謎と魅力
    ○ イメージの冒険 - 4 「少女」 謎とエロスの妖精
    ○ イメージの冒険 - 5 「神話」 始原の夢と戦慄
    ○ イメージの冒険 - 6 「イラストレーション」 線と色彩がうみだす、もうひとつの宇宙
    ○ イメージの冒険 - 7 「写真」 光をとらえる驚異

    当時の私はこの中から7巻の「写真」を買いました。
    定価は1,800円と決して安くはありませんが、様々な写真家の作品が掲載されていてとても為になったことを覚えています。

    篠山紀信、高梨豊、沢渡朔、浅井慎平らのインタビュー、写真術の誕生と歴史、現在の様々な写真技術、そして未来のデジタル製版についての考察など、じつに盛りだくさんな内容でした。

    未来の技術としてデジタル製版が紹介されているのに、この本にはデジタルカメラについての記述が全くありません。
    この頃は写真といえばフィルムカメラだったので、デジカメは想像もつかなかったのでしょう。

    しかしこの13年後にはCASIOから民生用のデジタルカメラQV-10が発売され、本格的にデジカメ時代が始まります。
    今では写真といえばデジタルが当たり前ですから、つくづくこの分野の変化の速さを感じますね。


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    左は目次ページの一部で、右は沢渡朔氏のインタビュー記事。
    沢渡氏といえば1973年の写真集「少女アリス」の作者として有名ですが、当ブログでも過去に一度とりあげています。(該当記事)

    私も子供の頃に購入しましたが、こうして技術的な裏話などを知るとさらに感慨深いですね。


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    「イメージの冒険 - 7」には、ルイス・キャロル(1832-1898)について書かれた記事もありました。
    左の画像がそのページで、右はキャロルが1879年に撮影した写真。
    ルイス・キャロルについては私も過去に記事にしていますので、そちらも併せてご覧ください。(該当記事)

    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Hatch, Evelyn (Lewis Carroll, 29.07.1879).jpg
    ライセンス:パブリックドメイン

    この記事、誰が書いているのかと見てみれば、なんとあの日本が誇る劇作家、寺山修司氏ではないですか。
    しかも掲載されたのは寺山氏が亡くなるわずか半年前。

    キャロルの内面をえぐるように考察している寺山氏の文章は、写真を解説したこの本の中ではちょっと異質ですが、写真というものは技術的・歴史的な話にとどまらず、他のアートと同じく人間の精神の話にまで行き着くものなんでしょうね。

    「写真」の奥深さを感じることのできる一冊でした。
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    オカイナ族のボディペイント

    okaina_girls_by_thomas_whiffen01.jpg

    アメリカの人類学者、トーマス・ウィッフェン(1816-没年不明)による、1914年に発表された記録写真。
    南米のアマゾンに住む「オカイナ族」の少女たちです。

    体に幾何学模様のような、独自のペイントを施していますね。
    これは祭りなどでダンスを踊るときのファッションで、ヘビを表しているそうです。

    この写真を撮影したトーマス・ウィッフェンはイギリスのケンブリッジシャー州生まれの人類学者。
    ブラジルとコロンビアの先住民族の文化研究で知られています。
    26歳の時にアメリカのニューヨーク市に移住し、その後イギリス出身の女優と結婚しています。

    彼は1908年、92歳にしてコロンビア南部のプトゥマヨ県を訪れ、文明に侵されていないいくつかの先住民族と接触しました。
    そして家屋、農業、料理、武器の製造に至るまで、先住民族の生活様式を事細かく研究。

    その研究成果は1915年にロンドンの出版社によって「The north-west Amazons」という書籍として発表されました。
    この本では先住民たちの歌や舞踊、儀式、精神的・魔法的な習慣についても説明しており、カニバリズム(食人)の実践についても取り上げています。

    okaina_girls_by_thomas_whiffen02.jpg
    【ボディペイントを施した少女らによるヘビのようなダンス】

    世界には100を超える未接触部族(現代文明との接触を拒んでいる部族)がいると言われていますが、今やこのような少数民族とその文化は絶滅の危機にあります。

    理由のひとつとして、やはり文明国との接触による文明国側からの介入が挙げられるでしょう。
    キリスト教の宣教師の意見も少なからず影響しているようで、たとえばこんな話もあります。

    デイリー新潮 2014年6月の記事
    「ビートたけしが迫る 世界の下半身事情」

    特異な風習であっても、長きにわたり受け継がれてきた伝統ならば彼らなりに意味のあることです。
    ところが文明国は文明国の物差しでそれを計り、善し悪しを決めようとする。
    少数民族の伝統や風習は、できるだけ残ってほしいものですね。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ/Flickr
    File:Okaina girls by Thomas Whiffen (1914).jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
    また、公序良俗に反する画像や違法な画像、猥褻な画像は一切ありません。
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    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:20年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

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