ベイヨー・ロンコネンの彫刻作品

    veijo_ronkkonen01.jpg
    画像出典:BIGSTOCK

    フィンランドの南カレリア州のパリッカラに存在する奇妙な彫刻庭園。
    この場所を訪れた人は、誰もが驚きの声を上げることでしょう。

    この画像だけでは驚きが伝わらないので、まずはGoogleの画像検索をご覧ください。
    Googleの画像検索で「Veijo Ronkkonen」を検索

    多くの人が「なんだこれは!?」と思ったのではないでしょうか。

    あまりにも奇抜で不気味な彫刻の数々。
    しかも森の中に数百体が設置されているという、彫刻庭園というよりもお化け屋敷か肝試し会場のよう。

    veijo_ronkkonen02.jpg

    彫像と言うべきか人形と言うべきか、大雑把な粘土細工にも見えるこれらの作品。
    一体一体がそれぞれ違うポーズをしており、塗装までされているので不気味さがさらに増しています。

    さらにこの庭園、スピーカーで森の中に効果音を流すなど、観客を楽しませる(怖がらせる)仕組みにも凝っているようです。

    作者はベイヨー・ロンコネン(1944-2010)というフィンランドの彫刻家。
    若いころ製紙工場で働いていた彼は、1961年に彫刻を作り始め、以後人生の大半を彫刻作りに費やします。

    16歳の時に最初の給料でリンゴの苗木10本と、コンクリートを購入した彼。
    ここから「家の周りに広大な森を作り、そこに自作の彫刻を設置する」という彼の壮大な計画が始まります。
    彼はその後50年間で約450体もの彫刻を作り上げ、この奇妙な彫刻庭園は完成したのでした。

    彼は家から出ることがあまりなく、他人ともコミュニケーションを取りたがらない人でした。
    死去する3年前の2007年には「フィンランディア賞」を受賞しましたが、授賞式には出席していません。

    彼は庭園を訪れる客と会うこともほとんどありませんでした。
    しかし庭園にはゲストブックが設置され、そこに書かれる客からのメッセージを読むことが彼の楽しみだったそうです。

    彼の死後、この彫刻庭園は親族によって売却されました。
    現在は別のオーナーによって運営され、毎年2〜3万人が訪れるパリッカラの人気観光スポットとなっています。
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    人間になれたら...

    george_rennie-hymen.jpg george_rennie-hymen_like.jpg

    以前の記事で、絵画の中の人物が本物の人間になって現れたら・・・と考えてみたことがありましたが(該当記事)、イメージを掴みやすいのは絵画よりもむしろ彫像のほうでしょう。
    もともと彫像は駅前や公園にも設置され、街の風景にすっかり溶け込んでいますから。

    彫像が勝手に動き出したらそれこそホラーですが、数十年前までは夏になると、動く芸術作品があちらこちらの水辺で見られたものです。
    公園の池でも、動かぬ芸術作品のそばで動く芸術作品がはしゃぎまわる光景は珍しくありませんでした。

    今回は「もし彫像が本物の人間になったら・・・」というテーマで、同じポーズをしている画像を並べてみました。

    上の画像はスコットランドの彫刻家、ジョージ・レニー(1802-1860)による1831年の大理石像「Cupid Rekindling the Torch of Hymen」

    ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で展示されている、婚姻の神ヒュメンの像です。
    いつもライトで照らされているとはいえ、もし人間になれたら暖かい太陽の下で水浴びしたいでしょうね。


    beni_ferenczy-kisfius_diszkut.jpg beni_ferenczy-kisfius_diszkut_like.jpg

    ハンガリーの彫刻家、ベニ・フェレンツィ(1890-1967)によるブロンズ像「Kisfiús díszkút」

    首都ブタペストのベルヴァーロシュという街の通りに設置されているこの像は、うつむき加減でどことなく寂しげ。
    もし人間になって自由に歩けたら、少しは笑顔になれるでしょうか?
    潮風を気にすることなく、広い海岸を歩かせてあげたいですね。


    街にある彫像がなぜ裸なのか、考えてみたことがありますか?
    現代社会の中で我々がつい忘れがちな、生命への敬い、自然からの恩恵、そして人間であることの意味。
    それらを無意識のうちに理解させてくれるのが、真の姿、すなわち心の鏡としての彫像たち。


    joseph_bosio-hyacinth.jpg joseph_bosio-hyacinth_like.jpg

    フランスの彫刻家、フランソワ・ジョゼフ・ボジオ(1768-1845)による1817年の大理石像「Hyacinth」
    右はフランスの写真家、ジェラール・マロ(1946- )による1982年の写真作品。

    ルーブル美術館で展示されている横たわるヒアキントスの像。
    頭に円盤が当たって倒れ込んだシーンですが、その美しい姿態はたくさんの人を感動させています。
    もし命を吹き込まれたら、さらに多くの人を魅了することでしょう。


    henri_koenig-adolescent.jpg henri_koenig-adolescent_like.jpg

    スイスの彫刻家、アンリ・ケーニッヒ(1896-1983)による1975年のブロンズ像「Adolescent」
    右はフランスの写真家、ジャックス・デュバル(生没年不明)による1985年の写真作品。

    ジュネーブのヴォルテール博物館の前で、腰に手を当てて立っているスタイルの良い男の子の像。
    もし人間になったら、この場所で交通安全運動でもしてもらいましょうか。
    えっ?わき見運転が増えそう?


    charles_ray_the_new_beetle.jpg charles_ray_the_new_beetle_like.jpg

    アメリカの彫刻家、チャールズ・レイ(1953- )による2006年の彫刻作品「The New Beetle」

    車のオモチャで遊ぶ彫像の男の子も、浜辺で弁当箱のようなものを開ける人間の男の子も、どちらもくつろいでいることに違いはありません。
    違うのは、かたわらに家族がいるか否か。


    siegfried_krepp_1970.jpg siegfried_krepp_1970_like.jpg

    ドイツの彫刻家、ジークフリード・クレープ(1930-2013)による1970年のブロンズ像。

    住宅街の公園に設置されているこの彫像は、人間になっても逆立ちを続けるのでしょうか?
    雨の日も、風の日も、来る日も、来る日も・・・。


    人形が人間になるという話で最も有名なのは、イタリアの作家、カルロ・コッローディ作の童話「ピノッキオの冒険」
    ピノキオの名でも知られ、多くの映画やアニメーションが作られました。

    「人間になれたピノキオは幸せだったのだろうか?」という疑問は今でも論じられることです。

    街の彫像は人間になれたらはたして幸せなのでしょうか?
    美術館の彫像はすぐにでも外に出たいと思うかもしれません。
    駅前の彫像はもっと静かな場所に行きたいと思うかもしれません。

    しかし彫像たちはきっと、動きたいとは思っても人間になりたいとは思わないでしょう。
    何故なら彼らは、自分たちに課せられた大切な役割を知っているのだから。
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    Narcisse

    jean_pierre_cortot_narcisse01.jpg

    フランスの彫刻家、ジャン=ピエール・コルト(1787-1843)による1818年の作品「Narcisse」
    フランスのアンジェ美術館で展示されている大理石像です。

    英語ではNarcissusと書く、ギリシア神話に登場するナルキッソスという名の美少年。
    泉に映った自分の姿を見て自分に恋をしてしまった少年で、自己愛を意味する「ナルシスト」の語源でもあります。

    泉の片隅に座り込み、自分の姿を眺めているナルキッソス君。
    自己中だったり自分の能力を過信するいわゆる「うぬぼれ」の人ならごまんといますが、自分自身に恋をするというのはやはり特殊な感情なのでしょう。

    しかしナルキッソス君がそうなったのにはワケがありました。
    ある日、エコーという名の森の精霊が彼に恋をします。
    しかし彼はその求愛を冷たくあしらい、エコーを見捨てました。
    それを知った神メネシスは怒り、ナルキッソスに他人を愛せなくなる呪いをかけたのでした。

    メネシスによって泉へと呼び寄せられたナルキッソスは、水を飲もうと水面に近づき、そこに映る美少年(自分自身)に恋をしてしまいます。
    そしてそこからいっときも離れることができなくなり、やがてやせ細って死んでしまいました。

    ナルキッソスの亡き骸のあとにはスイセンの花が咲いたと言われています。
    スイセンを英語でNarcissus(ナルシスまたはナーシサス)と言うのはそのためです。

    jean_pierre_cortot_narcisse02.jpg

    1枚目の画像も構図的にはなかなか良いのですが、やはりこの作品の良さは足のほうから眺めてこそだと思います。
    顔だけでなく体全体が美しい子ですね。

    この像の作者であるジャン=ピエール・コルトはフランスの首都パリ生まれの彫刻家。
    13歳のときに彫刻家のチャールズ・アントワーヌ・ブリドンの講座に出席し、その後は彫刻家のもとで働きながら古代彫像の制作などに携わりました。

    1809年にパリのエコール・デ・ボザールにて彼の作品がグランプリを受賞。
    その後はイタリアのローマに移住し、その頃同じくローマに滞在していた画家のジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルの友人となりました。

    1819年、パリに戻った彼はサロンにてこのナルキッソスの大理石像を発表します。
    この像は人々から高い評価を得て、彼の名声を確実に高めました。
    その後1840年まで作品を発表し続け、その間1825年にはサロンの所長に選出され、さらにエコール・デ・ボザールの教授となりました。

    ジャン=ピエール・コルトは18世紀後半のフランス芸術とグレコローマンの伝統を継承した、新古典主義の流れを汲む彫刻家でした。
    生涯にわたりロマンチックな表現を貫き、数々の名作を残した彼は、1843年に55歳の若さでこの世を去りました。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:AngersMBA 14.jpg
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


    YouTubeより
    「平沢 進 - ナーシサス次元から来た人」


    ♪ 香れよ胸の水仙 尽きる命をなだめて
     吹けよ街に 一陣の風 眠る我が子が癒えるまで...

    ライブ映像はこちら
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    J.L.デルモンテの彫刻作品

    j_l_delmonte_unknown.jpg

    ベルギーの彫刻家、J.L.デルモンテ(生没年不明)による、水をかぶる少年のブロンズ像。
    場所は公園の休憩所でしょうか?
    こういう涼しげな像を見ながら1日をのんびり過ごすのも良さそうですね。

    この彫像、下が池になっており、バケツのところから水が出るようになっています。
    この子は罰を受けているわけでも荒行をしているわけでも、アイス・バケツ・チャレンジをしているわけでもありません。
    たぶん川などで沐浴しているシーンでしょう。

    各地の公園には噴水彫刻が設置されていることがありますが、このように本体に常に水が掛かる構造のものは少ない気がします。
    いくらブロンズでも常に濡れていたら腐食しやすいですから。
    水垢も付きやすいので日々の手入れは大変でしょうが、訪れる者にとっては非常に見応えのある像だと思います。

    また、少女ではなく少年であるところもよく考えられています。
    何故かって、男性なら風呂で湯をかぶったときにわかると思いますが、勝手に小便小僧になってしまうんですよね。(^^)
    そんな水の動きの面白さもこの像の魅力といったところでしょうか。

    bucketshowerboy.jpg unknown_fountain_sculpture.jpg

    同じ姿の人間と彫像。
    「ちょいとそこの少年くん、バイトしないかい? 水をかぶるだけの簡単な仕事さ!」
    もしこんなことを言われても、実際にやるのは超大変。
    1時間もやっていたら手足はふやけ、体は冷えきり、確実に風邪をひいてしまいます。

    やはりこういうことはブロンズ像にまかせたほうが良いみたいですね。

    作者のJ.L.デルモンテに関しては情報がまったく得られませんでした。
    検索してもトマトケチャップばかり見つかります。(T_T)
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    Stehender Knabe

    peterich_stehender_knabe01.jpg peterich_stehender_knabe02.jpg

    ドイツの彫刻家、パウル・ペテリッヒ(1864-1937)による1909年の作品「Stehender Knabe」
    ベルリンの旧国立美術館にて展示されている大理石像です。

    タイトルは「立っている少年」という、そのままの意味。
    地毛なのかカツラなのか、バッハのような髪型をした少年が頭の上で手を組んでたたずんでいます。
    美術館の少し高い位置に設置されているので人々は下から見上げることになり、そのため容姿の美しさがより強調されています。

    作者のパウル・ペテリッヒは1864年、ドイツの都市バート・シュヴァルタウで生まれました。
    1881年に高校を卒業し、父親の工房で彫刻関係の仕事をしながらリューベック商業学校へと通います。
    1884年に国から奨学金を受け、ハンブルグ美術大学とベルリン・アートアカデミーに入学し、ドイツの彫刻家、フリッツ・シャーパーの弟子となりました。

    各地の記念碑のデザインを手掛け、1899年にイタリアに渡り結婚。
    その後ドイツのラステード地区にて教授の職に就きます。
    1907年からは妻と5人の子供とともに再びイタリアのフィレンツェ近郊に移り住み、数々の大理石像や記念碑を制作して国内外から高い評価を得ました。

    彼は1914年から1922年までドイツのドレスデンに住み、その後1927年までイタリアのカプリ島に住んでいました。
    ドイツとイタリアを行き来する人生だったんですね。
    彼はオランダ南西部の都市ハーグにて、1937年にその生涯を終えました。

    彼の作品の大部分は石や金属を使った胸像でしたが、現在その多くは所在不明となっています。
    一部は博物館や公共の場のモニュメントとして使われていますが、金属を使った多くの作品は第二次世界大戦中に溶かされてしまったそうです。
    現在彼の出身地であるバート・シュヴァルタウの博物館には、彼の貴重な作品が保存されています。

    peterich_traumender_knabe.jpg

    1909年に制作されたこの少年像ですが、こちらの資料ではタイトルが「Träumender Knabe」となっています。
    意味は「夢見る少年」
    もしかしたら製作時のタイトルはこれだったのかもしれません。

    うつむき加減で目を閉じているので、こちらのタイトルのほうがシックリきますね。
    夢見る少年であり、我々に夢を見せてくれる少年でもあります。
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    リディ・ファン・マウリク・ブロークマンの彫刻作品

    lidi_van_mourik_broekman01.jpg lidi_van_mourik_broekman02.jpg

    オランダの彫刻家・画家である女性、リディ・ファン・マウリク・ブロークマン(1917-2015)による1955年の作品。
    タイトルは不明ですが、オランダの都市デン・ハーグの議事堂の前に設置されているブロンズ像です。

    直立して手を握り締めシッカリと前を見据えた少年の像は、志の強さを表現しているようにも思えます。
    政治的な建物の前にはピッタリの彫像ですね。

    この像の作者であるリディ・ファン・マウリク・ブロークマンはオランダの彫刻家であり、画家でもある女性。
    スイスのチューリヒで生まれ、芸術家肌の家庭に育ちました。
    彼女の姉も画家として活躍した人物です。

    オランダのデルフトの学校で2年間建築を学んだ彼女は、その後デン・ハーグのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに入学。
    彫刻家のアルバート・ターモートの生徒として学び、卒業後は彫刻家としての地位を確立しました。

    ザイデル公園に設置された笛を吹く少年の像は、1942年にコンクールで2位の座を獲得しています。
    また彼女はデン・ハーグで最初に展覧会を開いた女性芸術家でもあります。

    画家としても作品を残し、ジュリアナ女王、ヴィルヘルミナ女王、子供時代のマリケ妃などロイヤルファミリーの肖像画を含む数百点もの肖像画を描き上げましたが、その多くは第二次世界大戦のときに破壊されてしまったそうです。

    戦後、四つの場所に戦争記念碑を作った彼女は、2015年末に病気により亡くなりました。
    現在はオランダの都市ナイメーヘンのDaalseweg墓地にて静かに眠っています。


    【Lidi van Mourik Broekman】
    http://www.quintabuma.nl/lidi/index.html
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    斜めに隠すデザイン

    howland_between.jpg

    これはアメリカの彫刻家、エリザベス・ハウランド(生没年不明)による1913年の作品「Between Yesterday and Tomorrow」
    アメリカのサウスカロライナ州のどこかに設置されている母子像です。
    実際には向こう側にもうひとり女性がいるのですが、この角度からは見えません。


    van_beurden-cupido.jpg pampaloni_amore_in_agguato.jpg
    画像出典:Sotheby’s

    そしてこちらはローマ神話の愛の神、クピドの彫像。
    左はベルギーの彫刻家、アルフォンス・ファン・ブールデン(1854-1938)による1894年の作品「Cupido」
    高さは約60cmで、素材は象牙です。

    右はイタリアの彫刻家、ルイージ・パンパローニ(1791-1847)による19世紀初頭の作品「Amore in Agguato」
    高さ約108cmの大理石像です。

    左のクピドはまるで散髪したばかりのような、随分とスッキリした髪型をしています。
    クピドといえばボリュームのある髪型が特徴なので、こういう造形は珍しいですね。


    これら3体の彫像を見て、ある共通点に気が付きませんか?
    そう、どれも小さな布が斜めになって貼り付いているという、洒落た隠し方になっているんですね。
    100年以上前の作品ですが、この斜めに隠すデザインにはちょっとばかりセンスを感じます。


    しかしこんな形のパンツをどこかで見たような・・・。
    そうそう、思い出しました。

    oneshoulderbikini.jpg
    (画像出典:Yahoo!ショッピング)

    この男性用の特殊パンツに似ているんですね。

    これはワンショルダー・ビキニと呼ばれるタイプのパンツだそうです。
    水着にしても下着にしても不便な気がするし、どちらかと言うと奇をてらったジョークグッズ的なものでしょう。
    でもデザイン的にはじゅうぶんアートしてますね。

    このような新しいタイプのビキニと100年以上前の彫像の股間のデザインが似ているというのも不思議なものです。
    小さな布を不自然さなく固定するには、この斜めのデザインが最適なのかもしれません。
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    タグ: Europa  America  少年  水着  彫像  Thong 

    スタチューのお姉さん

    Untitled

    「お姉ちゃん、どうしたの?」
    「ブロンズ像ってツライわぁ、動けないし、変なオヤジが膝の上に乗るし...」
    「ふ〜ん、でもお姉ちゃん綺麗だよ!」
    「あら、ありがとう!おませな天使さん♪」

    Untitled
    Copyright : meteo
    (Flickrのシェア機能を使って紹介しています)
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    Neapolitiansk Fiskerdreng

    stein-neapolitiansk_fiskerdreng.jpg

    デンマークの彫刻家、テオバルド・スタイン(1829-1901)による1859年の作品「Neapolitiansk Fiskerdreng」

    コペンハーゲンにあるカステレット公園に設置されている少年のブロンズ像。
    タイトルは「ナポリの漁師」という意味。
    ナポリはイタリア南部のチレニア海に面する港湾都市ですが、昔は漁をする子供も多かったのでしょう。

    真剣な表情から重いテーマであるようにも見えますが、泉の精のようなしなやかな姿態が訪れる人々を和ませています。

    作者のテオバルド・スタインは1829年生まれのデンマークの彫刻家。
    外科医であり解剖学の教授でもあった父親のもとに生まれた彼は、もともとは学術的な仕事に就きたいと思っていましたが、幼い頃から多くのアーティストに芸術の道を勧められ、12歳で美術学校に入学します。

    1846年に芸術アカデミーに入学すると、2年後にはふたつの金メダルを獲得。
    1851年にはノルウェーの作家、ルドヴィヒ・ホルベルクの像で「ノイハウゼン賞」を受賞しています。

    その後、彼は仕事の収入とアカデミーからの経済的支援によって、イタリアのローマで4年間の安定した生活を送りました。
    この漁師の少年の像は、彼がローマで成功を収めていた頃の作品です。

    1861年にデンマークに帰国した彼はその翌年にアカデミーの教授となり、1874年には名誉教授となりました。
    父親の死後はその後を継いで、解剖学の講師としても教壇に立ったそうです。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:Neapolitiansk fiskerdreng by Theobald Stein - Copenhagen - DSC07281.JPG
    ライセンス:パブリックドメイン
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    L’Amour Captif

    sanzel-amour_captif01.jpg

    フランスの彫刻家、フェリックス・サンゼル(1829-1883)による1868年の作品「L’Amour Captif」
    フランスのパリにある「パリ植物園」に設置されている大理石像です。

    Captifとは「捕虜・囚人」と訳せますが、ここでは「囚われの」と言ったほうが近そうです。
    囚われているのは手前にいる天使、ローマ神話の愛の神アモル(クピド)

    画像を拡大して見るとわかりますが、アモルの両腕にヒモが通され、後ろの柱に縛り付けられています。
    以前ご紹介したデニス・デラヴィンの作品「Les Liens De L'amour」と元のテーマは同じかもしれません。(該当記事)

    しかしこの像では、アモルが縛られている柱の上部が何故か男性の胸像になっています。
    まるでチェスの駒のようですが、これはいったい何でしょう?

    手もない、足もない、ただニヤリと笑う男の顔だけが出ている不気味な柱。
    この男、耳が獣のように尖っているので、どうやら人間ではないようです。
    元々のストーリーはわかりませんが、誰かの怒りを買って罰として縛り付けられたアモルのところに、悪魔が頭部だけ実態化して現れたようにも見えますね。


    作者のフェリックス・サンゼルは1829年、パリでパン屋を営む両親のもとに生まれました。
    学生時代はアウグスト・デュモンとアレクシス・ヒッポリテ・フロランゲルの生徒となり、二十歳の時にサロンで初の作品展示をおこないます。
    その後はルーブル宮殿やパレ・ガルニエ等の公共事業を執り行い、パリ市庁舎の再建にも携わりました。

    1868年にパリ植物園のバラ園を飾ったこの彫像「L’Amour Captif」は同年にサロンで展示され、名誉ある勲章を授与されています。

    sanzel-amour_captif02.jpg sanzel-amour_captif03.jpg
    Copyright : Michel Petit
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

    天使の像によくある、股間に布がフワリと掛かった状態。
    片足を上げて落ちないようにしていますが、拘束されているので思うようにいきません。
    そこに現れたひとりの男。
    ニヤニヤと笑いながら、驚くアモルを見つめています。

    縛られていることをからかっているのでしょうか?
    自分も手足がないので同じようなものですが、何か良からぬことを吹き込んでいるのかもしれません。

    アモル(クピド)はローマ神話では人の心をいたずらに弄ぶヤンチャな神として描かれています。
    つまりそれだけ単純なんですね。
    悪魔男の怪しいささやきに惑わされないよう、気をつけてほしいものです。


    画像出典:ウィキメディア・コモンズ
    File:L'Amour prisonnier Félix Sanzel 1868 JdP.jpg
    ライセンス:パブリックドメイン
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    RUKA

    Author:RUKA


    当ブログは子供を表現した世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介しています。
    天使に見立てているので必然的に裸の作品が多くなりますが、すべてアートまたは家庭的な生活記録に限定しています。

    子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。

    古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。天使のイメージもそのひとつです。
    そして各家庭でも、我が子への愛情ある記録(写真撮影)が数多くなされています。

    当ブログではそれら子供や天使をテーマにしたアート作品と、写真共有サイトFlickrで一般公開されている子供写真をご紹介しています。(できるだけ天使の姿に近いものを選んでいます)

    ふと訪れては日々の疲れを癒す天使の園・・・そんな憩いの場としてお使いいただければ幸いです。

    画像の著作者は私を含め様々ですが、著作権的に問題のない方法で掲載しています。
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    著者について...
    名前:RUKA (Rukachas)
    国籍:日本
    出身:埼玉(生まれは宮城)
    性別:男性
    年齢:あっという間の半世紀
    インターネット歴:20年

    20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に街で子供の笑顔写真を撮り続ける。 1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたサイトを開設。 サイト終了後はこのブログで世界の天使像や世界の子供写真を紹介している。 6人の甥と姪の伯父さんでもある。

    メールアドレス: ruka_rukachas@ybb.ne.jp
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